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■ 毒沢鉱泉 「神乃湯」 〔 Pick Up温泉 〕



<毒沢鉱泉 「神乃湯」>
(長野県諏訪郡下諏訪町社7083、10:00~20:00(時間確認要)、700円、0266-27-5526)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)

毒沢鉱泉の歴史は古く、永禄年間に武田信玄が金山発掘の際、怪我人の治療に利用したと伝えられる、いわゆる”信玄の隠し湯”のひとつです。
”毒沢”とはなんともおそろしげな名前です。
読みは古いガイドで”ぶすざわ”と紹介されていた記憶がありますが、最近ではほとんど”どくさわ”が使われています。

「神乃湯」、「宮乃湯」、国民宿舎「沢乃湯」の3軒の宿があって、「神乃湯」が最奥になります。


【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 落ちついた雰囲気の館内

以前はかなり鄙び入った鉱泉宿だったようですが、2001年に新築・改装され、和風情緒あふれる落ちついた宿になっています。
細かなところまで意匠が凝らされたいわゆるデザイナーズ旅館系で、木と白壁の質感を活かした館内は暖かみが感じられ、泊まりたい衝動に駆られました。
これからはこのような感性の宿が主流となっていくのでは?


【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 脱衣場

別棟の総木造の浴室は男女別でこぶりなもの。
窓の外に緑濃い沢筋を見下ろすなんとも風情あふれる浴室で、木づくりの加熱浴槽(4-5人)と源泉槽(1人)がとなり合っています。


【写真 上(左)】 趣ある湯屋
【写真 下(右)】 浴場からの景色

浴槽はリニューアル前と同じ規模のようで、むやみに浴槽を大きくしたり、露天を造ったりしない姿勢にお湯に対するお宿の見識を感じます。
カラン4、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。連休13時で4人~独占。


【写真 上(左)】 シックな浴室
【写真 下(右)】 洗い場

加熱槽は、木の湯口からうす赤くにごった熱湯を投入し、底面吸湯ありでオーバーフローなし。
源泉槽は、飲泉用の湯(水)だめからごく少量を流し込み、オーバーフローはなく、ごく軽い底面吸湯か自然流下。


【写真 上(左)】 源泉槽の湯口
【写真 下(右)】 源泉槽の湯口 (2004-07)

注がれる源泉は2℃というほど冷たい感じはなく、浴槽はおそらく20℃弱くらいでさほど抵抗なく入れました。
断言はできませんが、源泉槽の源泉を底面から回収、加熱して加温槽で使っているのでは?


【写真 上(左)】 加熱槽
【写真 下(右)】 加熱槽 (2004-07)

お湯の感じは加熱槽と源泉槽でかなりちがいます。
かなり熱めの加熱槽は、まったりとした暗いオレンジ色で透明度1cmの濃いにごり湯に赤茶の浮遊物が舞っています。


【写真 上(左)】 源泉槽
【写真 下(右)】 源泉槽 (2004-07)

源泉槽は、うすこげ茶色ささにごりで茶色の浮遊物がたくさんただよいます。
金気をベースにして、焦げ臭とドクダミ臭がまじる複雑な温泉臭ですが、さほど強いものではありません。
酸性泉らしいレモン味に微甘味と渋味と微炭酸味をミックスした複雑な味は、美味しくはないですが、なぜかクセになりそう。
pH2.5の酸性泉ながら肌にピリピリくる感触はなく、キシキシと肌に染み入る奥ぶかい浴感。


【写真 上(左)】 源泉槽-2
【写真 下(右)】 内湯の湯口

加熱槽はかなり熱いですが、温まるというよりは身体に染み込んでくるようなイメージの独特の浴感。
焦げ臭とドクダミ臭が肌に残ってキトキトとする浴後感は、かなり好き嫌いのわかれる個性的なものかと思います。


【写真 上(左)】 掲示
【写真 下(右)】 湯色&湯色

茶色の濃い濁り湯とインパクトのある味から、”成分濃厚なお湯”のイメージがありますが、成分濃度自体はそれほど濃いものではありません。
特徴のある泉質の成因は、「硫化鉱物の酸化溶解」+「有機的メカニズム」による低温酸性泉(やませみさんの「温泉の科学」参照)かと思われます。


【写真 上(左)】 加熱槽から源泉槽
【写真 下(右)】 加熱槽から源泉槽 (2004-07)

このタイプの明礬・緑礬泉系は低温で湧出量が少ないのがふつうなので、なかなか非加熱源泉には入れませんが、ここで入浴できたのは嬉しいです。

こんどは泊まりで訪れて、じっくりと冷温交互浴を楽しみたいと思いました。
なお、週末の日帰り入浴は14時くらいで〆切とするようなので要注意です。(2004年時点)

含鉄(Ⅱ)-Al-硫酸塩冷鉱泉((Al)-SO4型) 2.0℃、pH=2.5、陽・陰イオン計=1509.2mg/kg、H^+=2.5、Na^+=5.0mg/kg (0.91mval%)、Mg^2+=31.7 (10.81)、Al^3+=120.0 (55.27)、Fe^2+=132.4 (19.64)、Fe^3+=5.6、Cl^-=1.5 (0.17)、HSO_4^-=92.7 (3.98)、SO_4^2-=1107 (95.59)、陽イオン計=307.2 (24.14mval)、陰イオン計=1202 (24.11mval) <H10.1.5分析> (源泉名:毒沢鉱泉)

「沢乃湯」に正式な分析書が掲示されていました。
分析申請者が「毒沢鉱泉 湯元会 宮乃湯、(有)神の湯、沢乃湯」とあるので、三軒の共有泉なのかもしれません。
しかし、湧出量わずか7.5L/minの源泉を3軒で分湯して、よくぞここまでのお湯をキープしているものです(「沢乃湯」のお湯もよい。)
逆にみると、7.5L/minの湯量で3軒の湯宿を成り立たせているのですから、この源泉がいかに優れたものかということがうかがい知れます。

含鉄(Ⅱ)-Al-硫酸塩冷鉱泉 2.0℃、pH=2.6、7.5L/min自然湧出、成分総計=2273mg/kg、H^+=2.5 (10.27)、Na^+=5.0mg/kg (0.91mval%)、Mg^2+=31.7 (10.81)、Ca^2+=7.4、Al^3+=120.0 (55.27)、Fe^2+=132.4 (19.64)、Fe^3+=5.6、Cl^-=1.5 (0.17)、HSO_4^-=92.7、SO_4^2-=1107 (95.59)、陽イオン計=307.2 (24.14mval)、陰イオン計=1202 (24.11mval)、メタけい酸=96.3、遊離炭酸=666.6 <H10.1.5分析> (源泉名:毒沢鉱泉)

〔 脱衣所掲示 〕
信玄のかくし湯 神乃湯
毒沢鉱泉の歴史は古く四五○年前の永禄年間に武田信玄が金発掘の際、怪我人の治療に利用したと伝えられている。昭和九年医者に見放された幼少の先代館主が鉱泉によって救われて以来よりいっそう評判が高まり、各地から湯治に訪れる人々でにぎわうようになった。
三年後の昭和十二年には日本の自然湧出鉱泉中初の売薬許可(第一六五六九号)を受け、その効能の確かさはゆるぎないものになった。

一郷一会100名湯

○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でもご紹介いただいています。

■ブランドグルメ
〔 諏訪湖のかりん 〕
諏訪湖畔に植えられている、かりん(マルメロ)は市木となっていて、市のマスコットキャラクターや路線バスの名前にも使われています。さらに、毎年、かりん祭が催されるなど、諏訪市のシンボルになっています。(諏訪市HPより)
かりん並木の延長はじつに1.2kmにおよび、かりん収穫量は約2.1トンを数えます。
かりんは、ふつう生では食べられないので、砂糖漬け、果実酒、ジャム、かりん液、飴、菓子などに加工し、現地で販売されています。
諏訪湖周辺で栽培されているものは正確には「マルメロ」ですが、江戸時代に導入されたときから「かりん」と呼ばれて定着しているため、いまも「かりん」とよばれているそうです。
(諏訪市HPなどを参考)

〔 2010/01/19UP (2004/07/26レポ (2004/06入湯)) 〕

※ このレポは2004/06入湯時のものです。
ここは、2007/08にも再訪していて、上の画像で日付のないものはそのときのもの。
2007/08入湯時の印象は後日追記します。


http://map.goo.ne.jp/blogparts/map.php?MAP=E138.5.7.550N36.5.30.980&ZM=9
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