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■ 神川温泉 「かんなの湯」 〔 Pick Up温泉 〕



神川温泉 「かんなの湯」
住 所 :埼玉県児玉郡神川町小浜1341
電 話 :0495-77-5526
時 間 :9:30~23:00 / 第2火、2・7月の第2水・木休、8月無休
料 金 :1,200円(会員980円)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLEガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (じゃらんnet)

2001年秋、埼玉県営施設として鳴り物入りでオープンした「アカシアの湯」は、経営不振により2006年3月末に閉鎖。4月末に一般競争入札が実施され、秩父土建(株)が落札、リニューアルを経て同年9/23に「かんなの湯」として再出発しました。
お湯についてあまりいい評判を聞かなかった「アカシアの湯」。行きそびれているうちに閉鎖となり、「かんなの湯」になってからも未湯となっていましたが、先日ようやく入湯。

神流川右岸の河川敷を活用した41haの総合レクリエーション施設「神川ゆ~ゆ~ランド」内にある温泉施設。
料金内には、タオル・バスタオル・館内着レンタル&岩盤浴を含み、会員(年会費300円)になると当日から980円。
初年度年会員が無料になるクーポンが提供されているので、実質980円で利用することができます。


【写真 上(左)】 サイン
【写真 下(右)】 夜のエントランス

かなり大がかりな施設で、浴場の他、岩盤浴、酸素バー、手もみ処、エステ、あかすり、ヘアカットサロン、各種休憩所など施設充実。
2ヶ所の食事処の他、宿泊施設も併設しています。

蔵をモチーフにした「鮮菜ダイニング神蔵(かぐら)」は地場素材にこだわったメニューで、味もなかなかのうえにリーズナブル価格でおすすめ。
岩盤浴は予約制で25分毎の交替制です。


【写真 上(左)】 館内
【写真 下(右)】 こんな感じの仕上がりです

全体に木を活かしたデザイン&調度でつくり込まれていて、センター系の無機質なイメージは払拭されています。
運営は建設会社(秩父土建㈱)ですからこのあたりはお手のものか・・・?

廊下のおくに月替わり交替の「岩」「檜」の2つの浴場ととい面に2つの岩盤浴(「角閃の間」「癒温の間」)で、浴場入口あたりは廊下が狭く、ちとせせこましい感じ。
この日の男湯は手前の「岩」で、「岩」と「檜」の浴槽配置はほぼおなじです。

脱衣所は施設規模のわりには広くなく、天井が低いのでやや圧迫感があります。
カラン20(うちセパ型17)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
お盆の夜でファミリー層メインに50~20人と盛況でした。

窓が広くて天井高く、スケール感のある浴室ながらなぜかこもり気味なのは残念。
入って左に洗い場、左から時計まわりに「泡湯」(石枠平石敷15人以上、ジャグジー付、適温~ややぬる)、「薬石の湯」&「マッサージ湯」(黒みかげ石枠伊豆石貼15人以上、適温~ややぬる)、寝湯×3、水風呂、サウナと中央にかけ湯&「神川温泉の湯」(同12人位円形、熱め)。

露天は庭園づくりの雰囲気あるもの。
手前から時計まわりに「若返りの湯」(石枠平石敷10人以上、屋根付、ほぼ適温)、「絹肌エステの湯」(木樽づくり2-3人、東屋付、気泡浴で白濁、アワつきあり)、「薬湯」(石枠石敷10人位の半洞窟風呂、この日は”しょうが湯”でうすく白濁)、「歩行浴」(冷水)、「岩塩低温サウナ」と打たせ湯×2。

うち、おそらく温泉使用と思われたのは内湯の「泡湯」と露天の「若返りの湯」。
微妙なのは「神川温泉の湯」と「薬石の湯」&「マッサージ湯」でこの4槽をレポします。

A.「泡湯」
槽内の石がクリーム色の石灰華でコーティングされていてびっくり。
石灰華&赤茶に変色した石の湯口からぬるめの湯を投入&槽内熱湯注入の底面吸湯でオーバーフローなし。
うすく懸濁したお湯には白い浮遊物があり、舌のうえを上すべりするような硬水っぽい味とわずかな重曹味で塩味は感じられず。
消毒系と思われるよわめのシャープな臭いと、そのうらにわずかな西上州系のセメント臭があるかも・・・。
重曹泉系のツルすべはあるものの、本質は重炭酸土類泉的なぎしぎしと引っかかる湯ざわりで、若干のとろみも感じられる。

B.「若返りの湯」
ここも槽内の石が石灰華で見事にコーティング。
槽内注吸湯でオーバーフローなしの循環仕様。
わずかに懸濁したお湯に少量の白い浮遊物。
味不明でプール並のつよいカルキ臭。
湯ざわりは「泡湯」と同系ながらやや濃度感に欠けるような・・・。

C.「神川温泉の湯」
かけ湯から熱湯を流し込み、槽内上部スリットからの流し出し。
かけ湯には「神川温泉の源泉」との掲示があるが、濃度感はあきらかにA.Bに劣り石灰華の析出もほとんどない。
だだ、鮮度感はそれなりにあって消毒もよわめ。
ちなみに「アカシアの湯」時代はこの浴槽のみ温泉使用だったらしい。

D.「薬石の湯」&「マッサージ湯」
石の湯口から湯量湯温変動のお湯を投入&側面注入&底面吸湯でオーバーフローなし。
濃度感、鮮度感ともいまいちでカルキもつよくほとんど入らず。

濃度感は、A > B > C > D
鮮度感は、C > A > B > D の順かな?

ここでいいのは水風呂。
井水使用の水風呂は、Aをうすくしたような肌ざわりがあって、20℃くらいの絶妙な温度。
カルキも感じられないので、じっさいのところ、ここにいちばん多く入りました。

また、「絹肌エステの湯」と「薬湯」(しょうが湯)もけっこう肌なじみよく、これもおそらく井水使用かと思います。
また、洗い場カランと打たせ湯も感じからして井水使用では・・・?

おそらく、本泉と井水がイメージの近い泉質(井水は鉄分含みか?)で、しかも本泉を井水で希釈していると思われるので、ピュアな非加水源泉のイメージがつかめません。
また、お湯のキャラは西上州系の重曹泉かと思いますが、この系統で3g/kg程度の濃度の源泉は入ったことがないので(ふつうはもっと濃い)、ますます加水加減の見当がつきません。
欲をいえば非加温非加水の源泉槽がほしいところ。
ただ、Aについてはそれなりの濃度感はあったかと思います。

あたたまり感は本泉使用と思われるA.Bよりむしろ井水使用の浴槽の方がつよく、浴後はぺとぺと感がでてほてりが残る土類泉系のもの。

それにしても、センター系をここまでの施設につくり変えた営業努力には拍手。
もともと建物じたいに金がかかっているので、意匠や調度、さらに施設オペレーションによってそれらの本領が引き出されているような感じ。
また、「アカシアの湯」には(たしか)なかった宿泊施設が補完され、温泉施設が有効に活用されているのも正解のような・・・。
ここは公共施設民営化の成功例といえるのでは?

「アカシアの湯」の売却額は6億300万円。建設費は27億だったので、土地代と償却を考えなければ差し引き20億円以上の売却損を出してこの埼玉県初の県営温泉施設の後始末は終わりました。
しかし、ピーク時には40万人、2005年度でも32万人超の年間入り込みがありながら、なぜに経営不振?。
過剰投資とオペレーションコストの高さが損益分岐点を吊り上げていたのでしょうか・・・。

県営施設といえば、神流川対岸の群馬県営「桜山温泉センター・うしおの湯」が、やはり経営不振から2002年3月に閉鎖、鬼石町(現藤岡市)へ移管され同年4月末に再オープンしています。
「アカシアの湯」も当初神川町への移管を打診し、拒否されたためやむなく民間への売却となったようで、これは結果オーライだったかも・・・。

はなから期待薄で突入しましたが、西上州系らしいクセもの湯と佳品の水風呂が楽しめてそれなりに満足。
ただ、お湯そのものというよりは、多彩なメニューをゆったりと楽しむ施設のように感じました。
これだけ多彩なメニューを時間制限なしで楽しめて週末でも980円は、考えようによってはリーズナブルかもしれません。

Na-炭酸水素塩・塩化物温泉 *1 26.6℃、pH・湧出量不明(1,500m掘削揚湯)、成分総計=3053mg/kg
Na^+=883.8mg/kg (91.00mval%)、Ca^2+=45.0 (5.33)、Fe^2+=0.4、Cl^-=718.8 (47.99)、Br^-=2.4、I^-=2.1、NO^3-=5.2、SO_4^2-=68.5 (3.39)、HCO_3^-=1227 (47.62)、CO_3^2-=7.2、陽イオン計=957.9 (42.25mval)、陰イオン計=2033 (42.23mval)、メタほう酸=26.3、遊離炭酸=14.1 <H13.10.12分析> (源泉名:神川温泉 アカシアの湯)
*1) スペックからするとNa-塩化物・炭酸水素塩温泉では?

使用源泉については「新源泉を掘削し、従来から利用していた源泉と混合で利用するため湯量が増えたそうだ。」(「温泉ニュースBlog」さん記事より)という情報があります。
また、オープン直後のスペックは、「源泉26.6℃、pH8.0、溶存物質総量10810㎎/㎏のナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉ですが、湧出量が27.0L/分しかありません。」(「温泉みしゅらん掲示板」、投稿者:ガウスさん、投稿日:2001年10月12日より)とのこと。

■ブランドグルメ
〔 神川の梨 〕
明治時代から栽培されているという「神川の梨」。
品種は幸水と豊水がメインで旬の8月上旬から9月下旬にかけては町内の道路沿いに直売所が並び、「梨街道」とも呼ばれます。
(「神川町観光協会」HPなどを参考。)

〔 2010/08/17UP (2010/08入湯) 〕


E139.4.46.640N36.12.7.960
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