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■ パープル・レイン ~ 1980年代洋楽の底力 ~ 

「DISOC TV 2024!年越しスペシャル!」録画したやつ視てたら、思うところがあったので、リンクつなぎなおしてリニューアルUPします。

■ DJ OSSHY 2021年ディスコの日 Special Mix


■ ABBA - Dancing Queen(1976年)

1970年代中盤にはこういうヒット曲があった。
洋楽どころか音楽になじみのうすい人にも、聴き流しさせない圧倒的なメロディ&アレンジ力。
こういう優れた曲たちが1980年代に向けてのレールを敷いた。

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2023/02/16 UP

このところ、仕事で車をつかうときにFMを流していることが多いのだが、
今日、J-WAVE で流れていたこの曲、圧倒的なインパクトがあった。

大袈裟かもしれないが、イントロが流れた瞬間、車内の空気もフロントを流れる首都高の景色も一変した。
これが音楽のもつ力だと思う。

■ Prince - Purple Rain (Official Video)

これは1984年のPrinceのヒット曲。
正直なところ、1984年のリアルタイムではPrinceの本当の凄さは理解していなかった。
39年後のいま、改めて聴き直し、あまりのクオリティに悶絶(笑)

1984年といえば ↓ こんなヒット曲も・・・。

■ Chaka Khan - I Feel For You


■ The Go-Go's - Head Over Heels


■ Madonna - Material Girl (Official Video) [HD]


■ Don Henley - The Boys of Summer (Official Music Video)


■ John Waite - Missing You


■ Pat Benatar - We Belong



個人的には洋楽が劇的に変化したのは1983年から1984年にかけてと思っていて、↑の曲と1983年の洋楽ヒット曲を聴き比べてみるとその質感の違いがよくわかる。
(リズムがグルーヴを喪失し、音の密度が濃くなっている。)

それでも1984年あたりでは、まだまだオリジナリティあふれる名曲が送り出されていた。

■ George Clinton - Atomic Dog(1983年)

↑ のちのHip hopに影響を与えたとされるP-Funk(Pファンク)も、1983年の段階ではまだFunk的なグルーヴを残していた。


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1970年代中盤から加速したポップミュージックのジャンル融合(クロスオーバー)は、曲調に洗練性とグルーヴをもたらし、個人的にはこの流れがピークを迎えたのが1983年だと思っている。
【 洋楽1983年ピーク説 】

具体的にはヴォーカル、コーラス、インストのアンサンブルと”音の隙間”のバランスがベストとなった時代。
これは、人間の耳にとって、ある意味もっとも心地よく響く音色だったのかもしれない。
(いま、再評価されているシティ・ポップがこの音色。)

● クロスオーバーの典型例-1
マイナー・メジャーの循環コード使用のヴォーカル・フュージョン 
■ Grover Washington Jr. - Just the Two of Us (feat. Bill Withers)(1981年)


● クロスオーバーの典型例-2
ユーロテイストのBCM(ブラック・コンテンポラリー
■ Change - The Very Best In You(1982年)


● クロスオーバーの典型例-3
カントリーのAOR化
■ Larry Lee - Don't Talk



クロスオーバーの限界が顕在化したのも1983年あたり。
もう、やるべきことはすべてやった感があった。

■ 4つ打ちとグルーヴ (音のスキマ論-0)


リンドラムなどのドラムマシンやシモンズなどの電子ドラムの一般化が、リズムセクションの音色を大きく変えたのもこのタイミング。

そしてこれらのリズムの音色は、これから市場を席巻することになるCDの音の質感にものの見事にはまっていた。

1980年代前半の時点で、洋楽の流れはふたつに分かれたのではないか。
ルート1.
ここまで積み上げてきたクロスオーバー(洗練化)の流れを、より突き詰めていこうとするもの。

ルート2.
いままでの蓄積を突き崩して、新しい音世界を拓こうとするもの。

この2つの流れが顕在化したのが1984年の洋楽シーンだったと思う。
だからこの年のヒット曲はすこぶるバラエティに富んでいた。

こういう混沌期にはメロディのはっきりした、インパクトのある曲が売れる傾向があると思うが、この年のヒット曲はどれもメロディがはっきりしている。

そのわかりやすい旋律を歌うヴォーカルとシンセビートが前面に出て、アンサンプルやカウンターメロディを重視していた1980年代前半の曲たちとは、あきらかに曲のつくりが違っていた。

■ BERLIN - No More Words(1984年のヒット曲)


いま振り返ると、その後の洋楽のメインストリームはルート2.が制した。


■ Dead Or Alive - You Spin Me Round (Like a Record) (Official Video)(1984年)

決定的だったと思われるヒット曲。(1984年11月5日リリース)
プロデュース= SAW(Stock Aitken Waterman)。
ビートとメロ、そしてサウンド・プロダクションがいまのPop-Musicのメインストリームに通じている。


ルート1.は1990年代前半くらいまではBCMの世界で収斂し、Quiet Storm、あるいはWhitney HoustonやNatalie Coleに代表されるレディ・ソウルの成功を生むが、のちに定型・陳腐化してその魅力を失う。

とくにWhitney Houstonの成功は本人の才能もさることながら、かつてのメインストームから流れ込んだ、コンポーザー、アレンジャー、スタジオ・ミュージシャンたちの貢献も大きいと思う。

■ Whitney Houston - Didn't We Almost Have It All(1987年)

Written-By Michael Masser, Will Jennings
Producer Michael Masser
Arranged By Robbie Buchanan
Robbie Buchanan(key)、Nathan East(b)、John Robinson(ds)

■ Atlantic Starr - Secret Lovers(1985年)※ Quiet Stormの代表曲。


ルート1.はSmooth jazzの流れも生んで、一定のファンは獲得したもののシーンを席巻するほどの動きには至っていない。

■ The Rippingtons - True Companion(1994年)※ Smooth jazz曲の一例。


ルート1.の流れでもっともディールを得たのはEnyaに代表されるヒーリング・ミュージックのような気がするが、これはクロスオーバーからヒーリング成分を純化していったような音楽なので、単純にルート1.の流れとはいえないと思う。

■ Enya - Caribbean Blue(1991年)



一方、Hip hop、New jack swingやDrum'n'Bassなどはルート2.の流れで、以降ブラックミュージックのジャンルにとどまらず、ポップミュージックのメインストリームとなった。

なので、今のポップミュージックシーンを形作った分岐点はやはり1984年だったと思っている。

■【Drum'n'Bass】

32ビートの代表例。
日本のRap系でサンプリングが使い始められたのは1980年代後半で、1990年の普及期を経て、2000年代にはおそらく(少なくとも若い世代には)抵抗なく受け入れられる素地はできていたと思う。
とくに2000年代に入ってからのゲーム曲やボカロ曲には32ビート系の曲がふつうにあるから、この世代は32ビートにまったく抵抗がないと思う。


「洋楽ヒット曲 (Billboardデータから)」のまとめ記事はこれまで下記の5年分をつくっています。
1979年版
1980年版
1981年版
1982年版
1983年版

1983年版で止めようと思っていましたが、↑の理由により、1984年版もつくることにしました。
この記事に追加するかたちで随時UPしていきます。


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【 1983年を代表する名曲 】
■ 君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off You) - Boys Town Gang

リリースは1982年後半だが、日本での大ブレークは1983年初頭にかけて。
ある意味1983年の”洋楽”を象徴する曲だと思う。

信じられんほどポジティブな歌詞(笑)。そして流麗なストリングス。
コメントの多さが、この曲の根強い人気を物語っている。

■ Boys Town Gang - Can't Take My Eyes Off You (Extended Version)

レーベルはHi-NRG(ハイエナジー)の定番、MOBY DICK。
流麗なストリングスが、さらに堪能できます。
9分以上聴いても全然飽きない。
さすがに名曲、名アレンジ。
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