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〔 温泉地巡り 〕 老神温泉 (追補編)

〔老神温泉について〕

<プロフィール>
老神温泉は沼田尾瀬エリアではもっとも規模の大きい20軒弱の旅館を擁する温泉地。
片品川が川幅を狭める老神渓谷沿いにあって、紅葉でも有名なところです。R120から引き込んだところにあり通過車両が少ないので、規模のわりには静かな温泉街です。
以前は片品川をはさんで西側を老神温泉、東側を穴原温泉と呼んでいたらしく、お湯のイメージも若干違います。


【写真 上(左)】 「おいがみ温泉」です(^^;)
【写真 下(右)】 温泉街と宿の看板

ふるくから”尾瀬の玄関口”を謳い、尾瀬・丸沼方面や日本の名滝100選「吹割の滝」の観光拠点として知られてきました。
この温泉地もバブル期、団体客に照準を合わせた収容100人以上の大型旅館が多く、やはり団体客離れと投資回収に苦しんでいるようです。平成17年3月、NHKの「難問解決 ご近所の底力」に活性化策を相談し、放映されています。

露天風呂をもつ宿が多く、12の旅館の露天風呂に十二支を定め、昭和62年に始められたスタンプラリー「露天風呂十二支巡り」は長らく親しまれましたが、現在は廃止されています。(全部回ると急須と12の干支茶碗が揃いました。)
「老神伝説」にちなむ”蛇まつり”はしばしばマスコミにとりあげられ、関東一ともいわれる朝市も名物です。

イベントこそ有名ですが、観光パンフや宿のHPなどを見ても周辺の観光地の紹介が多く、老神温泉自体を活性化して売り込んでいこうという意欲があまり感じられません。
旅館のすぐ下を流れる老神渓谷も見事だし、手頃な散策コースもいくつかあるようです。なにより施設20軒弱に対して10以上もの源泉という恵まれた温泉資源を持つ温泉地なので、個人客に訴求する新たな魅力を打ち出して、活性化を図ってほしいものです。


【写真 上(左)】 赤城神社-1
【写真 下(右)】 赤城神社-2

<歴史>
〔老神伝説〕
「その昔、赤城山の神(蛇)と日光二荒山(男体山)の神(百足)が仲違いをして戦となった。油断から敵の矢に打たれた赤城の神は、赤城山のふもとまで逃げ帰ったところで、二荒山の神に追いつかれた。これまでか、と矢を地につき刺すと、あら不思議、そこから湯が湧き出した。矢傷をその湯に浸してみると、たちどころに傷が癒え、力をとりもどした赤城の神は、二荒山の神を追い返した。傷ついた神が敵を追い返す力をえたことにちなみ「追神」と呼ばれるようになり、いつしか転訛して「老神」となった。この伝説にちなんで、老神温泉では、毎年5月上旬の赤城神社例祭に張りぼての蛇をかつぎ歩く(蛇神輿の渡御)『老神温泉大蛇祭』がおこなわれている。」

有名な「老神伝説」という開湯伝承をもっています。あまりに「老神伝説」のインパクトが強いので、実史の情報がなかなかとれませんが、嘉永二年(1849)の温泉番付に「上州東老神湯」として載っているので、江戸後期からそれなりの温泉地として知られていたようです。
その後も順調に発展し、バブル期には団体客を迎え入れる大規模温泉地となりましたが、近年、個人客の時代を迎えて「田舎体験」など、新たな集客策が模索されています。


【写真 上(左)】 泉源地帯
【写真 下(右)】 温泉街の下を流れる片品川

<温泉>
takayamaさんの「群馬の温泉ページ」に掲載されている県薬務課作成の温泉統計(平成11年度温泉利用状況)によると、老神温泉で動力源泉17(内 利用源泉16)となっています。(その下にある「大楊温泉」も老神に含まれているかも。・・・「亀鶴旅館」のそばに「大楊橋」というのがある。)
また、老神温泉旅館組合のHPなどの情報や分析書を総合すると、源泉総数は15(一説に18)で、源泉利用状況は下記のとおり。

■老神1号泉 アルカリ性単純温泉(Na-SO4・Cl型) 54.2℃ pH=8.8 0.47g/kg
東秀館
■老神2号泉 単純硫黄温泉(Na・Ca-Cl・SO4型) 49.8℃ pH=8.7 0.496g/kg TS=5.1
湯元華亭
■老神4号泉 単純硫黄温泉(Na-Cl・SO4型) 50.8℃ pH=7.8 0.64g/kg TS=6.1
東明館
■老神5号泉 単純温泉(Na-Cl・SO4・Cl型) 38.6℃ pH=6.8 0.44g/kg TS=0.1
朝日ホテル/紫翠亭やまぐち/ホテル山口屋
■老神6号泉
白雲閣漏田旅館※
■老神7号泉 アルカリ性単純硫黄温泉(Na-SO4・Cl型) 59.1℃ pH=8.5 0.52g/kg TS=3.2
老神観光ホテル観山荘/伍楼閣/金龍園/亀鶴旅館/旅館石亭/若乃湯
■老神8号泉 単純温泉 47.1℃ pH=7.8 0.48g/kg (10号泉との混合泉データ)
吟松亭あわしま/山楽荘/牧水苑/上田屋旅館/金龍園/楽善荘/ハーベルハート
■老神9号泉
白雲閣漏田旅館※
■老神10号泉 単純温泉(Na-Cl・SO4型) 61.5℃ pH=- 0.55g/kg
朝日ホテル/吟松亭あわしま/老神観光ホテル観山荘/紫翠亭やまぐち/ホテル山口屋/
山楽荘/牧水苑/上田屋旅館/金龍園/楽善荘/ハーベルハート
■若乃湯1号泉
伍楼閣
■若乃湯3号泉
伍楼閣/若乃湯
■薬師の湯
山楽荘/旅館石亭
■観音薬湯 アルカリ性単純温泉 50℃ pH=8.9
老神仙郷

※なお、白雲閣漏田旅館は、2005年10月をもって閉館していましたが、その後、伊東園グループに買収され、「山楽荘本館」として復活を遂げています。

pHの高いうすめの単純温泉ないしは単純硫黄温泉がメインで、うっすらとイオウ臭香る肌ざわりのよい美人の湯。F^-(フッ素イオン)の含有量が比較的多いのは片品尾瀬方面のお湯の特徴です。浴後きりっとした爽快感が出るので、以前は夏場によく行きました。
総湧出量ははっきりしませんが、泉源数が多く、かけ流しの施設が多いように思います。自家源泉の宿もあり、ほとんど日帰り可なので、温泉マニアには攻めがいのある温泉地かもしれません。



なお、片品川東岸、「東明館」の北には硫化によると思われる急峻なガレ沢がありますが、これと硫黄泉の旧穴原温泉との関連は不明です。

〔 2006年1月21日レポ(9月24日追補) 〕
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<上野村の温泉>

<上野村の温泉>

西上州の最奥、神流川上流に位置する上野村は周囲を山々に囲まれた自然豊かなところ。以前はどこから入るにも厄介なアプローチでしたが、平成16年春に湯ノ沢トンネルが開通し、下仁田ICから約30分と便利になりました。
数々のハイクコースと滝、関東一の鍾乳洞「不二洞」など、みどころが多く、椎茸、舞茸、十石みそにプラムジャムなど特産品もたくさん。
ここらはうどん文化圏ですが、地粉の蕎麦もあり、道の駅のトイ面にある「福寿庵」の蕎麦はなかなかいけました。

上野村には4つの温泉があります。
1.塩ノ沢温泉「国民宿舎 やまびこ荘」(12:00~17:00(火金15:00~)、600円、0274-59-2027)
含鉄-二酸化炭素-Na-塩化物・炭酸水素冷鉱泉 11.6℃、pH=6.2、成分総計=10.81g/kg

2.向屋温泉「国民宿舎 ヴィラせせらぎ」(12:00~17:00(月木15:00~)、600円、0274-59-2585)
Na-塩化物冷鉱泉 15.2℃、pH=10.4、成分総計=1.70g/kg

3.野栗沢温泉「すりばち荘」(11:00~20:00 不定休、500円、0274-59-2161)
Na-塩化物冷鉱泉 21.9℃、pH=6.8、成分総計=6.87g/kg

4.浜平温泉「しおじの湯」(10:00~20:00 第2・4火休、500円/4h、0274-59-3955)
規定泉(メタけい酸)(Ca・Mg-SO4型) 11.6℃、pH=4.1、成分総計=0.52g/kg

いずれも冷鉱泉ながら、いかにも西上州らしいクセもの系のお湯です。温泉利用掲示は4軒とも、加水(1.4はなし)、加温、濾過循環、殺菌処理ありでした。
4はスペック以上の浴感がありましたが、他の3湯はスペックほどの浴感は感じられず。温泉で村おこしするなら、もう少し湯づかいを改善してほしいです。

個人的感想ですがお湯的には、
浜平 > 塩ノ沢 > 野栗沢 > 向屋 かな
ただし、野栗沢の源泉槽に入れるときは(底に少したまっていた源泉?はよさげだった)、
浜平 = 野栗沢 > 塩ノ沢 > 向屋 になるかも・・・

午後からのお湯があるので、4湯一気に制覇するにはくふうがいります。
下仁田から入り、鬼石(秩父)へ抜けるルートだと
浜平 →(昼食)→ 塩ノ沢 → 向屋 → 野栗沢 の順かな
ただ、これだと浜平-塩ノ沢の往復が余計になるのと最後にまた浜平に入りたくなる(笑)のが難点です。鬼石ルートなら、白寿の湯でとどめをさすのもいいかも(最近消毒臭強いですが・・・) ^^)
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