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「七味唐辛子」 口上

2012年12月02日 00時32分09秒 | 大道芸
 「七味唐辛子」 口上

 みなさま おなじみの「薬研堀り七色唐辛子」でございます。
 薬研堀り七色唐辛子は、今を去ること 三百六十有余年、徳川の名君とうたわれました
三代将軍 家光公の時代、寛永三年 菊の宴に際し、初代 からしや徳上衛門は、
謹んで これを将軍家へ調味料として献上いたしますれば、
「おお、これはよきかな、珍味じゃ」と、ことのほか御意に召し、その褒章として、
徳川の徳の一文字を賜り、それ以来、山徳の商標を以って、
九代目現当主(徳一郎)に至るまで、秘伝の製法に研究を重ね、ご愛顧をいただき、
ために「薬研堀り七味唐辛子」が代名詞となりました。

 さぁ、これから、みなさまの目の前で、この七色を調合してご覧に入れます。
名にしおう 江戸 薬研堀り七味唐辛子、家伝で合わせます 元祖のさじ加減。
さぁ、ようくご覧くださいませ。

 ね、胡麻というのは、たいへん身体にいい。植物のバターと言われるほど栄養価の高いもの。
みかんの皮。これ、江戸時代は風邪薬ね。ああ、いい香りはするしね、ビタミンCがいっぱいだ。
で、これ、唐辛子、唐辛子というのはカプサイシンがいっぱいで血の流れをよくしてくれる。
山椒の粉、脳の活性にいい。内臓にたいへんよろしいものでございます。
全部身体にいいものばかり。
これは、あんパンの上にちょろちょろとかけるやつ。ケシの実ね。
これは細かいけれど、これはね、めまい、動悸、息切れをとってくれるという、全部漢方薬。
 
 じゃ、どうやって合わせるかというと、
まず、最初に入れますのは、武州、川越の名産、黒胡麻をこのように二杯入れます。
続いて、紀州、有田の名産、ミカンの皮の粉。
その次が、江戸は内藤 新宿 八つ房の焼き唐辛子。
それから入れますのは、東海道 静岡、朝倉の粉山椒。
さて、その次が、四国讃岐、高松の名産、唐辛子の粉。
それから、大和の国のケシの実。
そして最後が野州日光、麻の実。

 これにて七色が揃いましてございます。
 大辛、中辛、小辛、辛し抜き。
辛い辛くないは お好みに応じて いかようにも 調合いたします。
さあ、さあ、いかがですか、いかがですか。

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