「本屋さんで待ちあわせ」 その10 三浦 しをん 大和書房 2012年
『植民地時代の古本屋たち』沖田信悦・著(寿郎社) P-88
日本の植民地だった場所(樺太、朝鮮半島など)に、日本人の古本屋が戦前・戦中にいかなる店を出し、どのように商いしていたかを調べた、画期的な本。
著者の着眼点が、まずすごい。そして、距離も荒波もものともしない。古本屋さんたちの情熱がものすごい。本とひとの存在するところに、古本屋は必ず出現するのである。
本土(日本列島)の古本屋も、掘り出し物を求めて、植民地に出店した同業者のもとへ積極的に買い付けに行った。当時の地図や当事者の手記が資料として載っていて、ちょっとした冒険気分を味わえる。目に新しい風景を楽しみつつ、結局最後はみんな、本を漁ることに夢中になっちゃっているのがおかしい。古本大好き人間のやることは、どの土地に赴いても、いまも昔も変わらないんだなあ、と親近感が湧いた。
本を愛し、平和に読書できる時間を愛するひとにとって、忘れてはならない記憶が記録されている。
『植民地時代の古本屋たち』沖田信悦・著(寿郎社) P-88
日本の植民地だった場所(樺太、朝鮮半島など)に、日本人の古本屋が戦前・戦中にいかなる店を出し、どのように商いしていたかを調べた、画期的な本。
著者の着眼点が、まずすごい。そして、距離も荒波もものともしない。古本屋さんたちの情熱がものすごい。本とひとの存在するところに、古本屋は必ず出現するのである。
本土(日本列島)の古本屋も、掘り出し物を求めて、植民地に出店した同業者のもとへ積極的に買い付けに行った。当時の地図や当事者の手記が資料として載っていて、ちょっとした冒険気分を味わえる。目に新しい風景を楽しみつつ、結局最後はみんな、本を漁ることに夢中になっちゃっているのがおかしい。古本大好き人間のやることは、どの土地に赴いても、いまも昔も変わらないんだなあ、と親近感が湧いた。
本を愛し、平和に読書できる時間を愛するひとにとって、忘れてはならない記憶が記録されている。