「江戸っ子はなぜこんなに遊び上手なのか」 その9 中江 克己 青春出版社 2016年
歌舞伎から生まれた流行色 その1
江戸歌舞伎には有名な役者が多い。しかも舞台衣装などに使われた「役者色」が芝居好きの江戸庶民に使われ、広く流行する、ということがあった。たとえば、初代市川団十郎は荒事の開祖であり、紅や墨を用いる顔の隈取りを創案するなど、歌舞伎に大きな功績を残した。
歌舞伎18番『暫(しばらく)』は荒事の代表作で、市川家伝統の演目となっている。主人公が「しばらく」と声をかけて登場し、悪人をこらしめるという話だが、団十郎が舞台衣装である三枡大紋の素襖(すおう)に赤茶色を使ったことから、この色は「江戸好みの粋な色」と評判になり、「団十郎茶」といわれて流行した。
歌舞伎から生まれた流行色 その1
江戸歌舞伎には有名な役者が多い。しかも舞台衣装などに使われた「役者色」が芝居好きの江戸庶民に使われ、広く流行する、ということがあった。たとえば、初代市川団十郎は荒事の開祖であり、紅や墨を用いる顔の隈取りを創案するなど、歌舞伎に大きな功績を残した。
歌舞伎18番『暫(しばらく)』は荒事の代表作で、市川家伝統の演目となっている。主人公が「しばらく」と声をかけて登場し、悪人をこらしめるという話だが、団十郎が舞台衣装である三枡大紋の素襖(すおう)に赤茶色を使ったことから、この色は「江戸好みの粋な色」と評判になり、「団十郎茶」といわれて流行した。