民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

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「中高年のための文章読本」その13 梅田 卓夫 

2014年11月15日 00時01分26秒 | 文章読本(作法)
 「中高年のための文章読本」その13 梅田 卓夫 著  ちくま学芸文庫 書き下ろし 2003年

 「レトリックは技術ではない」 P-200

 レトリックを知識として学習しても、それでよい文章が書ける保証にはなりません。
レトリックの知識は、書かれた<他人の>文章を分析するときには役立つけれども、自分が文章を書くときには、ほとんど無力です。
「あのレトリックを使ってやろう」「この比喩で書いてみよう」などというものではないのです。

 重要なのは、あなたのこころのなかで動く、一見たわいもないように思われるかもしれない、かすかな発想やイメージをとらえることができるか、どうか、です。
それがなければ、あなただけの文章は書けないのです。

 創造的な文章を書くのに必要な、<ことば>のほんとうの能力とは、それができるということです。

 発想をメモとして書きとめられるかどうか。
自分の感性を信じ、こころに耳を傾け、<ことば>として書きとめる作業ができるか、どうか、です。