民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

語り手のわたしと聞き手のあなたが
一緒の時間、空間を過ごす。まさに一期一会。

「外郎売り」 新発見

2013年04月16日 15時19分13秒 | 大道芸
 今日、散歩しながら、いつものように、外郎売りの練習をしていた。
「かの頼光のひざ元去らず」というヶ所がある。
(頼光とは源頼光のこと)
あれっ、ひざ元→源(みなもと)!?
突然、ひらめいた。
もう何百回と言ってるのに。

 ついでに、これはずいぶん前に気がついたことだけど、
「胃、心、肺、肝がすこやかに成りて」というヶ所がある。
肺と肝を入れ替えれば、「虚心坦懐」になるじゃないか!?
それ以来、「胃、心、肝、肺」と言うようにしてる。

 とにかく、この外郎売りの口上は言葉遊びが満載。
江戸時代に作られた言葉だから、
その当時は常識であったことも、今は知らないこともある。
作者の謎、ひっかけを解明するのも、もうひとつの楽しみ。

「香具師の13の職業」  塩見 鮮一郎

2013年04月16日 00時03分51秒 | 大道芸
 「香具師の13の職業」   「乞胸」 江戸の辻芸人 所載 P-134  塩見 鮮一郎 著

1、居合抜き さまざまな姿勢から一瞬にして刀を抜いて斬る。
反魂丹という腹痛の薬を売る者が始め、松井源水などが有名である。

2、曲鞠(きょくまり) 曲にあわせて、まりで遊び、歯磨きなどを売る。菊川国丸などが知られている。

3、唄廻し 独楽(こま)回しである。

4、軽業(かるわざ) 綱渡りや竿のぼりなどである。

5、見世物 小屋掛けしてめずらしい物や障害者を見せる。
表で歯磨きを売るための興行だから「愛敬見世物」という。

6、覗(のぞ)き 箱の中の絵を穴からのぞかせる大道芸で、「覗きからくり」などという。
のど薬の飴も一緒に売るから香具師がやるという。

7、懐中掛香具 江戸の屋敷に行き、「におい袋」などを売る。

8、諸国弘(ひろめ)商人 大勢で江戸、京、大阪、田舎に売り歩く。

9、辻療治膏薬売 抜歯などもおこなう膏薬売で「辻医者」だと自称する。

10、蜜柑梨子砂糖漬売 みかんは風邪の薬、梨はのどの薬。それだから香具師が砂糖漬けの飴にして売る。

11、小間物売 小間物は化粧品を中心とした日常の小道具のこと。
おしろいはニキビの薬で口紅は口のなかの熱をとるから香具師が売っているという。

12、火打保口(ほくち)売 火打石で出た火をうつし取る物を火口(ホクチ)というが、
それは越前の「よもぎぐさ」が使用されている。
この「もぐさ」は脚気や足裏の豆にも効くので、香具師が売るのだという。

13、諸国妙薬取次売 富山の反魂丹、小田原のういろう、丸薬の万金丹などを売って歩く商人である。