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登山入門

2009-10-02 06:51:20 | 旅行
 昨日は、昔の同僚の友人の誘いを受けて、高尾山に出かけた。
 前日閉店間近なアウトドア専門店に入り、靴や帽子などを買った。靴だけはよいものを、といわれたので足のサイズの関係もあり高額のものになった。にわか登山者であり、その道への「はじめの一歩」でもある。前日には、子ども時代の遠足のような気持ちが高揚感があった。

 さいわいに前日の雨が上がり、家を8時に出かける。
 高尾山は都心から西に1時間余りに位置し、昔からの山岳信仰の山で、中腹に薬王院という寺院と付随した建物がある。そこまではケーブルでもいけるが、それを使わず登りは、比較的平坦なコースを選んだ。
 途中で行くかのほこらなどに小さな仏像があり、滝に打たれる修行の場もあった。それに水脈から湧き出たであろうきれいな水が流れがいくつもあった。うっそうとした巨木の自然林は、深山の静寂と未知の世界に分け入る雰囲気を味わうに十分であった。友人は登山のベテランなので、一定の速度でたんたんと歩く。その後について行ったが、雨を含んだ道がいっそう歩くことを自覚させ、その心地よさを感じた。
 90分で頂上に着いたが、この時間は案内パンフレットにある時間であった。その地域の小学生の遠足地であり、登山というほどではないが、599メートルの高さから眺める四方の景色を見ては、上り詰めた達成感を味わったのだった。眺望は、丹沢などの稜線が見えて山のつながりを確認できたが、目を別方向に転じれば巨大な都市の風景であった。
 昼食時は、友人はお湯を沸かして味噌汁とコーヒーを用意した。山登りを生活に取り込んでいる人ならではの、計らいである。
 平日なのに人は多かった。「ミィシュラン」に掲載されたことから、外国人のグループがいくつか出会った。
 下山は、薬王院を通過する道を選んだ。巨大な寺院と宿坊などがあった。寺院でありながら、鳥居があるという山岳信仰の場ならでの様式である。杉の巨木は直径1mをこえるほどで、500年から千年の自然林がたくさんあった。それにケーブルで来たと思われる人も多かった。 そこから急なくだりが続く道を選んだので、足の負担を感じた。下山した時は、とにかく靴を脱ぎたいという思いが募ったのだった。 
 売店や食堂など、いわゆる観光の家並みのようでなく、山岳信仰の場にふさわしい落ち着いた印象だった。登山口のケーブル付近の空間には、フランス人のいくつかのグループの人たちがいた。高尾山は外国人観光客のコースになっていることが分かった。都心から交通便がよく、日本の自然の山、水、そして山岳信仰の寺院という、日本の文化に出会える場所として評価をされているのだろう。
 2人でビールを飲み交わして歓談するところだが、靴を脱ぎたい気持ちで心のゆとりがなく、わたしはすぐ帰路に着いた。 こうしてわたしの登山入門は、友人のレッスンつきで始まったのだ。


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