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東南アジアへの小さな旅(6)

2014-07-11 20:58:43 | 身辺のこと・自然
 6.楽しい夕食会

 ハノイ滞在の友人が用意してくれた夕食会は、近代的ビルのエレベーターで昇った2階だった。
 客が30人ぐらいは入るだろう広いレストランには、バイキング式で様々な食が用意されていた。ベトナム料理、様々な肉の加工品、ピザ、パスタ、さては寿司、生ガキもある。ベトナムのフルーツなどもあり、内容は豊富だた。
 久しぶりに飲むベトナムビール(333)の味が懐かしく、食も進んだ。ぼくは主としてベトナム料理と肉の燻製やハムやソーセージ類に多く箸がむいた。この分だと減量したまま維持している体重が、2キロぐらい増えそうだ、と内心つぶやくきながら。
 友人たち3人とベトナム女性2人での話が弾んだ。日本語のできる女性と会えるのは意外であった。ぼくは、長時間観察しながら歩いて緊張が続いた気持ちがやわらぎ、われわれを歓待する友人の心配りはありがたかった。

 ところで2人の女性は、日本に技能研修で3年滞在していた。その生活で得た日本語を使用する仕事をしているのである。研修では工場の生産ラインの仕事をしていたのとのこと。日本の地名などがでて、彼らの人生に影響を及ぼしていると感じた。
 一人は日本に技能研修を派遣するエィージェント(仲介業)に勤務しながら、自宅で日本語学校を経営している。学校といっても10人余りの学生であり、ハノイから少し離れたところの出身者が共同生活をしながら日本語を学んでいるとのことだ。
 もう一人の女性は、日本人旅行者のツアーガイドをしている。ツアーガイドの女性は、仕事柄話題が豊富で、会話がうまい。
 友人は本来の研究業務の合間をぬって、ボランティアで休日の土曜日に日本語学校の授業をしているのだ。あくまでも勤勉であり続ける彼の生き方は、ハノイの地ではさらに鮮明になりそれにじかに触れる思いがした。
 日本語学校を経営している人とツアーガイドの人は、大学の教員による夜間の日本語の授業を一緒に受けている知り合いとのことだ。2人とも小中学生の子どもがいて、仕事に意欲的な年代で次々と話が弾んで楽しい時間となった。
 技能研修制度について、ぼくは主として制度のあり方や受け入れ実態の問題(例えば労基法違反が20%とのこと)、いわば陰の部分の認識をしていたので、そのとらえ方だけでは一面的ということが分かった。
 技能研修から帰国した人が、日本で修得した技能ではなく日本語を使った仕事をしているという光の部分を見る思いがした。このようなベトナムの方の多様な営みによって、市民レベルで交流が続くことが友好を作り上げていくのだと実感したのだった。
 旅の初日の楽しい気持ちを惜しみながら、タクシーでホテルに帰った。



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