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オペラ椿姫

2011-08-02 18:23:50 | 音楽
 オペラが、かつてのように都心の大ホールでなくとも、オペラの任意団体主催によるものだが、郊外の市でも気軽に見られるようになっている。演奏する人が増えたのと、それに応えて鑑賞者がいるからだ。鑑賞者には、オペラのための合唱団の知人関係もおり、それがオペラの普及につながっていくだろう。

 首都圏ではクラッシック音楽を学ぼうと思えば、個人でレッスンをしている音楽家が多いので、機会に恵まれている。合唱団は希望者は誰でも歌えるに多くあり(わが市では30を超える)、アマチュアのブラスやオケも多くの市にある。このような音楽活動を可能にする指導者がいるということでもある。
 また音楽の単科大学と音楽を専攻できる大学は、ざっと数えても20ぐらい上がるほどだ。これは世界的にもめずらしい状況ではないだろうか。そのためもあって、美術等も含めた芸術関係は、大都市と地方の環境の落差がはげしい。

 市単位のオペラ協会といったものが、わが市と隣接市2つにある。わが市のシティオペラは、今年は「椿姫」を上演した。ヴェルディ作曲で多くの人に知られており、冒頭の「乾杯の歌」は「椿姫」を知らずとも口ずさめる人が多いぐらい知れ渡っている。
 わたしは例によって、30日(土)、31日(日)の2日を見た。舞台は、本来は冒頭の舞踏会などは豪華なのだが、3幕とも装置を換えない簡易なものでる。しかし小規模であるが合唱がありバレーもあり、オーケストラでの上演であった。
 主要な役はヴィオレッタ(ソプラノ)、アルフレード(テノール)、ジョルジョ(バリトン)であるが、演奏家としての実績が豊富なわけでなく、わたしはそういった人たちの取り組む様子に関心がある。
 2日目のヴィオレッタの浅野美帆子は、この役のオペラは初めてだが、声、歌唱力、演技とも満足するものであった。声を爆発的に出すタイプではないが、1幕は明るいストリーなのできれいな声で歌い、2幕目の実らぬ恋、3幕目の死期を迎える悲しさと憂いに満ちた声で歌った。役に感情移入をしているせいか、演技力も備えていた。恋人役であるアルフレードは、オペラ経験が少なく「椿姫」も初めてのせいか、緊張が伝わってくるぐらいだった。しかしわたしは、数々のアリアを歌いこなすだけでもたいしたものだと、感心して見ていたのだった。
 2幕でジェルモン(アルフレードの父)が歌うアリア「プロバンスの海と陸」は、わたしはメロデーが耳になじんでいるが、バリトンにしては高音が多く難しい。日本でこのアリアをたっぷりした声で歌える人はどのぐらいいるだろうか、といったことが頭を駆け巡ったのだった。

 1300人入るホールに、1日目はほぼ満席、2日目は70%ぐらいだったので、去年より多い観客であった。
 8月下旬には隣の市で「椿姫」があるので、ストリーが分かり、アリアもいくつか口ずさめるぐらいになっているので、じっくり鑑賞するのを楽しみにしている。

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