世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

世論操作の実態とは?朝日の記事

2009年05月10日 | 日記
どうも最近の朝日新聞の政治記事、特に民主党及び小沢代表に対する記事の内容にネガティブ・キャンペーン的臭気が漂っている。
他紙が触れてもいない民主党の内部崩壊の兆しを必死にリーク情報のごとく書きまくっているようだ。小沢の政治資金規正法虚偽記載の容疑で秘書逮捕の検察リークをいち早く、垂れ流した状況に似ている。
読売、産経が自民党寄りの新聞であることは周知の事実だが、朝日に関してはどちらかと云うとリベラル乃至は若干左に寄った新聞と云う印象があったのだがどうも最近は違ってきたようだ。
この分析を一読者の筆者がいくら頑張っても無駄なことなので特にしないが、何かが狂いだしているようだ。ただ事実として、小沢を代表辞任に追い込むまで「小沢・民主党ネガティブ・キャンペーン」は絶対に止めない決意が漲っている。
それでは与党寄りに方向転換したのかと云うとそうでもない。いまだ民主党に顔は向いている。つまり小沢だけは許せんというだけの方向性が明確なようだ。検察の動きを最初にすっぱ抜いたのも朝日だし、その後の検察リーク情報の質量で他紙を凌駕していた。(そもそも、検察に小沢情報をたれ込んだのは朝日だと噂されている遠因)
朝日の本音ははっきりしないが、民主党寄りだが小沢は辞めさせると云う「新聞人事」に近い状況を作ろうとしているようだ。(現実、小沢が率いていない民主党、想像しただけでも貧弱だ!笑)
実は色々仕事上の都合もあって、個人的に西松事件と小沢の進退の聞き取りをしたことがある(4月)小沢の辞任は当然30%、どちらとも言えない20%、続けるべき40%、分からん10%だった。しかし、各紙世論調査の数字は「小沢辞めるべし」が65%前後になっている。
しかし、某テレビ番組で郷原弁護士の話を聞いた後でアンケートを取ったら、たしか65%近くが「辞める必要なし」と答えていた(笑)
つまり、世論調査と云うもの、回答者は直近にインプットされた情報をもとに答える傾向が強いので、新聞各社が「小沢がゼネコンから金を貰っていた」それで秘書が逮捕された関連の情報を読み聞きした後に、「さぁアナタは小沢の説明に納得したか?」と聞かれれば「いいえ」「ケシカラン辞めろ」と答えるのは当然。しかし、郷原弁護士の話を聞いた後には「辞める必要なし」と異なる結果が出ている。
世論調査と云うものの怖さと云うことか?調査結果のねつ造はないだろうが、アンケートにどのように答えるか方向づけ(誘導)は可能である。
特にここ数日の朝日新聞の小沢ネガティブ記事は目を覆うばかりだ。多分今週末に世論調査を実施するのかもしれない(笑)
直近9日の朝日の記事では
≪ 民主党の前原誠司副代表は9日、京都市で講演し、世論調査では違法献金事件を巡る小沢代表の説明に納得していないとの回答が多いことをふまえ「このまま選挙に突っ込んだら政権交代はない」と指摘。「選挙に臨める形にしていかなくてはいけない。(小沢氏が)仮に辞めた場合は(代表)選挙をやった方がいい」と述べた。代表選での自身の対応については「今回は出るつもりはない」と語った。  仙谷由人元政調会長も堺市での講演で「公共事業の適正化を言ってきた民主党(の代表)が、なぜ西松(建設)からお金をいただいていたかが問われている」と指摘した。  一方、鳩山由紀夫幹事長は記者会見で「代表にはベストを尽くすよう申し上げている。説明責任を果たしていると国民が感じることで、代表の下で十分に政権交代をなし得る」と強調した。≫ となっている。
この記事、相当長いこと「asahi.com」のトップページに貼られていた。他紙は鳩山、菅のコメント中心での扱いになっているのだが(笑)面白い。どうも、小沢嫌いの前原、仙石のコメントを重用、世論操作に躍起なのかもしれない。
朝日新聞の意図が何なのか?皆様もダビンチ・コードの謎解きに挑戦してみてください。

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ウォッチング1「14兆の09年度補正予算」

2009年05月09日 | 日記
連休明け、国会では14兆円の09年度景気対策目的の「補正予算案」の審議が始まった。ちらりと国会中継を見たが野党の舌鋒がまったく鋭さを欠いている。政府側では麻生首相のうすら笑いばかり目立っていた。
各テレビ局のニュース番組(全部は勿論観ていないが)で、この14兆もの国民の金の使われ方の報道は2,3番手に追いやられている。各新聞社のネットニュースにも、補正予算審議に関する記事は探さないと見つからない(笑)
たしかに、3面記事的面白味がないのも事実だが、14兆という数字に国民の金銭感覚が働かないフリーズ状態だということも言えるようだ。つまり視聴者は、雲を掴むようで訳がわからんからニュースバリューがないという判断もあるのだろう。 1人12,000円の給付金には反応した国民も14兆円には反応せずということかもしれない。
しかし、マスコミと云うもの、その14兆円と云う予算を細分化して、国民にこういう風に使われる、こういう点に問題ありと云う情報を解説する義務があるのではないのだろうか?10兆円近くが借金なのだから、近々消費税を上げるので賄えるからOKという問題ではないのだと思う。
政府与党の側に立つもよし、民主等の野党側に立つもよし、問題点乃至は注目点程度はまとめて伝えるのがマスコミの努めかと考える。国民に自分で整理整頓、自分でレポートを作れでは「大衆の目となり耳となるべきマスコミ」の姿だとは到底思えない。
だからというわけではないのだが、マスコミの代わりが出来るわけでもないが、拙ブログとしては、注目すべき予算の論点を書き出し羅列したり、ウォッチングしてみようと思った。
*今回の補正予算の目的は徹底的に景気刺激対策と政府は前もって断りを入れている。つまり、実は内容は乏しいのだけど、苦しんでいる所に金をバラまくから見逃してくれよといっているようなものなのだ。まぁそれも悪いとは言い切れない、上手な逃げ口上である(笑)1.9%のGDPを底上げできるんだからイイでしょうと云うことだ。

*エコカー、エコポイントという補助金は明らかに産業支援なのだが、結果内需の先食いであり、外需頼りの構造改革を遅らせる結果に繋がるのではないか?(エコポイントの詳細は具体的に未だ見えていない)

*公共事業、社会保障、農業分野への予算は本予算から洩れた予算を加えただけで、各省庁と族議員をほくそ笑ましたに過ぎないのではないか?この3分野への予算は具体的事業予算を組む時間がなかった所為のようだ。一旦膨らました社会保障を誰が何時縮めるというのだろうか?延びはじめた無用の高速道路を誰が止めるのだろう?

*臨時異例の今年度限りの予算だというのに子供への補助金(1人当たり36,000円)が1年限り出して少子化対策と云うのはあまりに酷い。

*減税は贈与税の非課税枠拡大、中小企業向減税(時限なので今年度限りは当然)はあるが中堅所得層以下への減税はほとんどない。

*太陽光発電の普及や医療・介護改革などに三年間で最大六十兆円の需要創出を目指すと言っておきながらその将来の産業分野投資は見当たらない。

*いわゆる埋蔵金を掘り出して金を作る部分もあるが、あらゆるわけのわからん基金を新設、またもや埋蔵金を隠そうと画策している。これなどは役人への報償のようなもので、GDPを押し上げるための効果は完璧にゼロ予算になっている。

*矢鱈目ったら所謂“箱物”(土地取得費含む)予算が目立つ。施策を必要とする予算は時間的に積み上げられなかったようだ。兎に角、金が動くことが大切だったのなら、国民一人一人に10万円くらい現金ばら撒いた方が効果があるのかもしれない?少なくとも愚策はせずに済む。政策にするからおかしくなる(笑)
今夜は乱暴に書きなぐったので纏まり悪いのは見逃してください(笑)そもそも20兆の需要が不足するので、半分の10兆を補正で補おうという発想から生まれた「泥縄予算」突けば突くだけボロが出るのだが、野党もボロを指摘するパワー不足。マスコミは国会審議の流れを見てから書きだすつもりのようだ。
それより、見ものは13日の党首討論、小沢を麻生が何処まで追い詰めるか、小沢がキレれて辞任を口にするのではないなどと、芸能レポーター並みの感覚で推移を見守っているのかもしれない?

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麻生太郎は神の子か?

2009年05月08日 | 日記
もしかすると麻生政権が沈没寸前の老朽船・自民党丸を救い出す救世主になる可能性が出てきた。
これはひとえに麻生太郎と云う一人の首相の貢献である。漢字が読めない首相から中川前財務大臣の酩酊会見でひと桁台の支持率を数ヶ月で20%後半まで引き上げたのだから、凄いの一言だ。
敬虔なクリスチャンらしいが、神の子と言っても良いほどの辣腕ぶりである。これがすべて彼の政策や発言からの辣腕ぶりなら、これは日本の行く末も安泰と云うことになる。そうであることを祈るべきだろうが、世相を斬る立場としてはそうも行かない(笑)
そこでだ、なぜ“神の子でもない”“碌な政策も打っていない”のに支持率が急回復しているのか、分析するしかないのだろう。支持率急回復のきっかけは、ご存じのように民主党小沢代表の秘書逮捕である。この件は既に拙記事「麻生政権支持率うなぎ昇り」で触れたので多くは語らないが漆間という超クールな官僚中の官僚の存在が大きいのだろう?
麻生太郎と云う人物、「本当は東大にも入れたけど、役人になるわけじゃないので学習院に行った」とかスタンフード大学留学、ロンドン大学留学などの経歴があるようだが全て中退、学位の取得は確認できない。当時のことを「遊んでばかりいたので修了できなかった」と言っているそうである。
“本当は東大入れた”“遊ばなければ両名門大学院修了できた”といった発言の端々から、自己顕示欲の塊だということが推察される。逆に落ちこぼれでも、運さえ向けば一国の首相になれると云う意味では、大変教育上貴重な人物でもある。運さえ向けば、最低の支持率だって急回復、国民の信頼を得られると云う見本のような人物である。
小沢の一件で勢いづいた上に彼の周りでは、その勢いを後押しするような事件や状況が勃発、飛ぶ鳥を落とさんかなという顔つきになっているのだ。まさに時の人状態だ。
最後になったが、その後の応援歌のようになった事件と状況が何であったか、そしてそれをどのように利用したのか、列挙しておくことにする。
① 「百年に一度」の未曽有の米国発サブプライム金融危機が発生:
棚からぼた餅の経済危機で首相就任後の解散総選挙を先送りの口実を得た。その上「政局より政策」と云う尤もらしい言葉を連発出来たこと。景気浮揚対策と称して自民党の票の掘り起こしに繋がる予算を正義の味方月光仮面となって、堂々とばら撒けたこと。
② 神風のごとく藪から棒に東京地検が政敵中の政敵民主党小沢代表秘書の逮捕劇が起きたこと:
この逮捕劇に「政治は司法に中立」「敵失ではしゃいではいけない」等と素知らぬ顔をしながらほくそ笑み、支持率回復を期待。一時は仕掛け人などと怪しまれた漆間官房副長官の失言で冷や汗を掻いたが、マスコミの探求力不足に救われ、案の定支持率回復。
③ ソマリア海賊の頻発に自衛隊の派遣を決定:
武器使用も可能な海上自衛隊の海外派遣に道を開き、タカ派を印象付けるはずだったが、国際貢献という蓑を上手に被った。
④ 北朝鮮テポドンミサイルの発射問題が発生:
威勢の良い掛け声をかけるきっかけを掴み、PAC3を国民の目に晒し、一大イベントのようなパレードを見せつけ、国防の麻生を印象付け国威を向上させた。安保理事会の北朝鮮非難決議を率先提案、議長声明で終わったが「過去に類を見ない厳しい議長声明」だったと自画自賛することが出来た。
⑤ メキシコ発「豚インフルエンザ」(後に新型インフルエンザ)の発生:
各国には見られない仰々しいほどの徹底した防疫体制を見せつけ、インフルエンザ対策の万全を国民に知らせている。厚労省の年金問題などを忘れさせるほど徹底した対策を講じることで、国民の健康を何よりも大切にする政府・厚労省を印象付けている。
⑥ 評判の悪かった給付金や高速道路1000円対策の実施:
現実に現金を手に入れることで、国民に「ありがたや気分」を味あわせ、例年の倍の混雑を高速道路にもたらした。しかし時間よりも現金に敏感な国民感情を上手に操作したといえるようだ。これからエコポイント、エコカー補助などオマケに群がる群集心理は支持率を後押しする可能性を秘めている。
②と⑥を除くと、これらは麻生太郎の運である。しかしほっておけば只の災難を我が物にする才覚は見事である。「禍転じて福となす」典型のような話なのだが、どこか胡散臭い(笑)
麻生太郎と云う人物像からは考えられない策があり過ぎる。そこが胡散臭い(笑)このあまりにも上手な演出、予算の三段、いや今や四段ロケットの策、果たして誰が考えたのだろう?筆者には多くの官僚たちの顔しか浮かんでこない。しかし、その策を採用したのは麻生太郎なのだから、やはり彼は「神の子」なのである(笑)

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食糧自給率39%、役人の陰謀

2009年05月07日 | 日記
(独白)『マスコミが新型インフルエンザ報道に血道を上げているのに腹を立てている(笑)「疑い例」程度でトップニュースにするなよ!「新型インフルエンザ」の感染者が国内で見つかった場合がニュースなんだよ!
彼らは自分の脳みそでニュース作っているのだろうか?俺は人さまが「ソ連型インフルエンザ」にかかったことニュースを読む暇はないんだよ!
だから“心無い知識もない糞ガキ”に“マスゴミ”などと揶揄されるのだ』などと今夜は怒っていたのだが、ふとマスコミが一時大騒ぎしていた「食糧自給率39%!これは食の危機だ」と言っていたのを思い出した。
あの農水省のチョットだけクールな役人たちが編み出した「カロリーベース・食糧自給率」が39%になったわけだが、賢明な方々はご存じのように、上記食糧自給率の算出法は意図的なものである。乱暴に言えば騙し、陰謀のたぐいなのだ。
何故か?細かく言うと厄介なのだが、下の数値を見れば「カロリーベース・食糧自給率」はたしかに変な計算だと思う。
鶏の卵(鶏卵)はほぼ100%日本の鶏が産んでくれている。ところがこの鶏の卵の自給率はカロリー自給率で計算すると、たったの9%になってしまう。鶏の餌を輸入している為にそういう数字になる。しかしですよ、輸入の飼料が止まったら、古古米や糠、オカラ、野辺の草食べても鶏はそこそこ卵を産む。効率は落ちるだろうが、9%まで落ちるわけがない。
この調子で、鶏肉、豚肉、牛肉、牛乳等などが軒並み自給率を大幅に落とす計算方式になっている。これは明らかにマヤカシの数字だ。
そもそも、このような「カロリーベース自給率算出法」を考え出した1987年は農産物の市場開放で海外から政府がやんやと責められていた時と一致する。この自給率を示すことで、輸入関税を高く設定出来るし、いま話題の各地の農政局の仕事も増えるし、自給率39%は危機的状況だと叫ぶことで食糧自給率アップの為の予算も取りやすくなるし、仕事も増え、権限も拡大する。
つまりは危機を煽れば煽ぐほど、役人と族議員の存在価値が上がると仕組みになっている。それを殆どのマスコミは寸借もなく「食糧自給率40%割れ!」という情報を垂れ流して良いのだろうか?
だいたい人間の生命維持に必要な一日の摂取カロリーは1500カロリーと言われている。これも実は怪しい話で江戸時代の日本人は950カロリーだったそうだ。少なくとも生命維持の観点だけから言えば、1000カロリーで良いのだろう。まさか現代にそれを当てはめるのは無謀だとしても、農水省公表の準国産品の国民一人当たりの一日のカロリーは2000カロリーあるので餓死する心配はないのである(笑)
そもそも、純国産の野菜やイモ類などは、この「カロリーベース・食糧自給率」の計算方法において、カロリーが非常に少ないので自給率を下げる要因にもなっている。笑い話だが、この計算方式だと飼料が海外から一切来なくなり、国民が餓死寸前になると自給率は100%になる、これは笑える。
皆さん心配しなくて良いですよ、食糧や飼料を輸出しなければ生きていけない国は沢山ありますから無くなりません。そして工夫が得意な日本人は農水省の心配・脅しに関わらず、いざとなれば創意工夫に全力をあげ、輸入飼料に頼らない肉も卵も生産します。勿論野菜、イモ類も。
それより二重行政の各地の農政局なくしなさいよ農水省!(笑)石破大臣ひとりで頑張っていますが、苦しそう。
まぁ、日本の豊な食文化、世界に類を見ない多彩な食生活、日本食、中華、韓国料理、ステーキ、イタリアン、フレンチ…何でもある、しかも美味い。挙句にコンビニ弁当、総菜屋、デパチカとなんでもござれで大変ありがたい話です。
しかし、これら豊かな食文化には裏面がある。輸入量と廃棄量の問題、そして、厚労省が叫ぶメタボの問題だ。ここに縦割り行政の姿まで見える。すべてが利権に覆われている。勉強不足か大企業にへつらうマスコミの姿までも見えると云うのは言い過ぎであれば良いのだが、さて真実はどちらなのだろう?

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検察官を監視するのは誰?

2009年05月06日 | 日記
西松事件が国策捜査なのかどうか、今日はその辺の事はさておいて検察官の権限と云うものについて考えてみることにする。
「検察官とは、日本法上、検察、すなわち、刑事訴訟における捜査及び訴追、裁判の執行の監督などをその職分とする独任制の官庁、又はその刑事訴訟法上の地位をいう」となっている。
なんだが読んでもピンとこない(笑)じっくり読むと、刑事事件の捜査と裁判所にその被告人を起訴して、裁判を維持する(公判維持)役目の役人と云うことだ。その身分は建前上、一人ひとりが独立した検察官としての身分を持つ独任となっている。独任性というのは知事や市長などと同じで、自ら完結した仕事が出来る身分をいう。会社でいうなら監査役の立場と似ている。
しかし、それは建前であって、現実は検事総長を頂点とする強固な組織に所属しているので、他の行政機関と殆ど変らない、いや最も官僚的組織だと言える。準司法機関とも言われ、公訴権が一極集中する。検事総長の地位は給料で言えば法務大臣と同額に位置している。行政の事務方の最高地位事務次官より給料的に上、庶民から見ると凄く偉いのである(笑)
最高検察庁の検事総長(国務大臣級待遇)・次長検事(大臣政務官級待遇)、各高等検察庁の検事長(準副大臣・大臣政務官級待遇)は認証官とされ、その内閣による任免は天皇から認証される。つまり、内閣が任免し、天皇からの認証が必要なほど地位が高いのだ。
極端な言い方をすると、ちょっとした罪でも、検察官の酌量如何で逮捕・拘留・起訴が出来る、時には起訴猶予が出来ると云うことになる。(極端な言い方だが胸一つで、起訴・不起訴が決められる)
司法試験に合格して、裁判官、検察官、弁護士などの選択肢は各個人にあるが、裁判官には弾劾裁判という制度があり、その行状をチェックする機能がある。弁護士の場合、所属弁護士会の懲罰委員会がありチェック機能を有している。ところがこの絶対的権力を握る検察官及びその行政組織なのに準司法機関・検察庁へのチェック機能と云うものがない。
これは恐ろしい話だと言えるのだろう。検察審査会というものはあるが、これは起訴猶予や不起訴の事案を審査するものであり、検察官をチェックするものではない。
一般的な国民の感覚として警察または検察に逮捕されたということは、イコール「あいつは悪い事をした」ということになる。逮捕・起訴と裁判における有罪無罪は別のもであり、「悪い事をした」は裁判で有罪になって初めて犯罪者になるのだが、一般の感覚は逮捕の時点で悪者なのである(笑)
わが国の最近の傾向を見ると、検察に起訴され裁判で無罪となる確率は0.15%になっている。もうこれは逮捕起訴イコール有罪という現実があると云うことだ。個人的に言うなら裁判所並みの権力と実力を持った組織だとも言える。
それだけに、この権利の行使は国民感情を害さないように気は配られているようだ。仮に政治的な偏りなどが歴然としてくると国民の信頼を失うからである。しかし、あくまでも世論への配慮であり、偏りや不正を正すチェック機能ではない。検察のマスコミへのリーク情報などは、この世論への配慮の一環だが、逆に世論操作としても駆使されると云うことになる。
法務省の行政の組織の一部である以上、法務大臣の指揮権はある。過去に一度だけ、その法務大臣の指揮権が行使されたことがある。それが何とも面白いのだが、吉田茂(麻生首相の祖父)内閣に於いてである。
1954年法務大臣犬養健が造船疑獄事件で自由党幹事長佐藤栄作の逮捕を国会会期終了まで延期させたという指揮権発動だった。その後、何故か佐藤栄作幹事長の逮捕は見送られた。
法務大臣の指揮権には「捜査しろ」「捜査するな」の二通りがある。ただし個々の検察官への指揮ではなく、検事総長に対してのみ行える。この点も重視すべきだ。その所為で、民主党の中で検事総長の国会喚問の話題が出ているようだ。
現時点で行える唯一のチェック機能は検察官に刑法194条「裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者がその職権を濫用して、人を逮捕し、又は監禁したときは、6か月以上10年以下の懲役又は禁錮に処せられる。」の特別公務員職権乱用罪があるのみである。
しかし、この刑法規定を用いて検察へのチェック機能とするにはハードルが高すぎるようだ。7年で時効になる点も注目されている。
多少調べて判ったことだが、検察の独立性(閉鎖性ともいえる)は民主主義の前提ではあるのだが、行政の一部であると云う極めて曖昧な性格を持つ官庁組織であることも判った。
少なくとも、我々はそういう国に生きていると云う事実を知っておくことも必要なのだろう。
それで初めて気づいたのだがアメリカの州の検察官が州民の選挙で選ばれ、数年程度のキャリアと思われている点に合点がいった。検察による起訴独占主義の弊害や行政との癒着をなくそうと考えた米国流民主主義の工夫かもしれない?

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雑感・忘れかけていること

2009年05月04日 | 日記

世間は新型インフルエンザと連休特集状態です。それはそれで大切だろうけど、一々感染かも感染かもの情報垂れ流し、もう少し記者クラブ発表に頼らぬニュースや記事の配信は出来ないものだろうか?
まぁ文句はこの位にして、それなら問題を棚上げしたような格好で、人の噂も75日状態になっている重大案件を拾い出してみようと考えた。

*第一に消えた年金問題・社会保険庁だ。その後もこれでもかと云う程の不祥事、ミスを繰り返しながらウヤムヤになり、来年1月にはめでたく「日本年金機構」なんて名前で化粧直し、出直すことになっている。
しかし、人様の年金をあそこまでぞんざいに扱っておきながら、組織を新たにし、名前を変えただけで何が解決出来るのか、問題は解決したのか、まったく総括もなく時間が過ぎて行きそうである。
これは年金問題へのテレビの執拗な追求報道に奥田元経団連会長が難癖をつけたことで影をひそめ、手を触れる報道機関さえ見当たらなくなった。

*第二が公務員制度改革だ。2万数1千人が天下り、公務員の人生設計を裏打ちしている「天下り」をなくすと云うのがおそらく民意だろう。12兆円の無駄が出ているこの「天下り」廃止の公務員制度改革は迷路のような規定を盛りだくさんにして、クールな役人しか理解不可能な制度改革が麻生首相により閣議決定した。
この内容は一言で天下りはなくならない、渡り鳥天下りも継続するいう改革でもなんでもなくなった(笑)もうこの話題もマスコミからは消えた。

*第三が西松事件の検察のその後の推移と捜査状況だ。あれほど小沢公設秘書の時に検察からリークがあったのに、今やなしの礫。あの問題はどうなったのだ?何処に行ったのだ?
小沢を宙に浮かせる事が有利になる人々が居るとしか思えない。宙に浮かせておくことで、小沢の身柄を確保したも同然と考えているクールな人々がいるようだ。検察もその思惑に組みしていると誤解されるのは将来の検察への信頼という面で問題を残すことになるような気がする。

第四以下もごちゃごちゃある。毒ぎょうざ事件、食品偽装、裁判員制度、温暖化対策、少子化問題、高齢化と介護、財政健全化の放棄、消費税、憲法改正等などだが、国民がいま欲しがる情報を流すのがマスコミだろうが、問題をあらためて提起するマスコミの行動も重要なのだと思う。
最近、マスコミは異常にピリピリした状況で番組を作っている感じがして仕方ない。これが単にスポンサー、広告収入の枠内の話であれば良いのだが、その枠からはみ出すほどに自己規制されているように見える。筆者の考え過ぎなら、それはそれで大いに結構。

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SMAP草なぎ事件で教えられたこと

2009年05月02日 | 日記
東京都港区の公園で全裸になったとして、公然わいせつ容疑で逮捕され釈放された「SMAP」の草なぎ剛さんが起訴猶予処分となった。
起訴猶予というのは不起訴処分のひとつだが、「嫌疑なし」や「嫌疑不十分」に比べ犯罪の疑いはあるのだが許してやるというお目こぼしだぞ!という意味合いがある。東京区検は「事実関係を認めて反省し、広く報道されるなど社会的制裁を受けている」と判断したとなっている。
それにしても「公然わいせつ容疑」ということで逮捕されたのだが、本当に「公然わいせつ」だったのかどうかを考えてみる必要がある。
「公然わいせつ罪」とは不特定多数の人が認識できる状態の場所などで、わいせつな行為をした罪。刑法174条に規定され、罰則は6カ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留、科料。
わいせつとは「普通の人の性的羞恥(しゅうち)心を害し、善良な道義観念に反する程度に興奮、刺激させる行為や物」(最高裁判例)とされる。*わいせつとは社会通念に照らして性的に逸脱した状態のことをいう。
筆者の知る限り、彼は草木も眠る丑三つ時に、公園で(不特定多数の人が認識できるとは思えない場所と時間)泥酔した挙句、着衣を脱ぎ丁寧にたたみ、大声で騒いでいたと云うことのようだ。性器や尻の穴、乳首はわいせつ物らしいが、泥酔して誰も居ない公園で深夜全裸になったからといって、その行為が「性的」であると即断することは出来ないのではないか?
彼は警察官の制止を無視したらしいし、若干酔っ払いの勢いで抵抗したのだとすれば、迷惑防止条例とか公務執行妨害で逮捕した方が筋は良い。検察の起訴猶予も威張り腐っている「嫌疑不十分」というのが妥当な線である。おそらく起訴しても、無罪になることは上記の筆者の素人判断でも明白だ(笑)
まぁそこは人気商売のタレントにとっては、早期の決着が望ましかったのだろうから、今さら問題視しても仕方がないのだろう。
さて、問題はその「SMAP・草なぎ、公然わいせつ容疑で逮捕」のテレビの報道合戦が目を引いた。目茶苦茶なフィーバー振りで、ほとんど喜んでいる節さえ見えたことだ。今や新聞を読まない人種がテレビとネットで事を片づける傾向さえでているのでテレビの影響は新聞以上に大きい。
ところがこのテレビと云う代物、極めて危険な代物でもある。新聞の場合、購読料という収入源があるがテレビはスポンサーからの広告収入だけで生きている。スポンサーがつくか着かないか、これは「恐怖の視聴率」という虚しい数値に命運をかけている。視聴率を稼げるタレントやそのプロダクションとの関係が順調であることは、重大な問題となっている。或る意味、腫れものに触るくらい気を使っていると云うことだ。
そういう状況であっても犯罪は別モノ、遠慮はいらないというのがテレビ界の常識でもある。一旦逮捕となれば、もう日々の憂さの晴らし所だ。徹底的にやらせて貰うことになる。
しかし、世論の動きをみると、こりゃまずい、多くの人々が草なぎさん擁護論に傾いている。こうなると、テレビは掌を返し、コメンテータを通じて、逮捕はオカシイと声だかに語らせる。
どうも何を信じて良いのか判らない世の中になっている。いや昔はもっと酷かったのだから、マシになったとも言える。結局、己の眼で見聞き判断することになるのだが、そうそうすべての出来事を己の目で真贋たしかめるのも難しい。筆者などは、最後は自分の第6感に頼ることにしている(笑)

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豚インフルエンザと総選挙

2009年05月01日 | 日記
舛添厚生労働相が1日未明、カナダから帰国した男子高校生から豚インフルエンザ(新型インフルエンザ)の感染した疑いがあると発表した。
現状は確定診断にまで至っておらず季節性インフルエンザAソ連型の可能性も残っているということだ。この件の確定診断は米疾病対策センターからウィルス株を入手してからになるので早くても数日かかるものと思われる。
WHOは警戒レベルを矢継ぎ早に引き上げ、フェーズ5を宣言した。流れとしては最大級の警戒レベル6も視野に入っているという。ただし、このフェーズ6、パンデミック(世界的大流行)と言っても、新型インフルエンザの感染が世界中で流行すると云う事で、感染したらスペイン風邪やペストのような惨状になると云う意味ではない。(強毒性と弱毒性)
つまり、現代医学では治療が可能であり、薬(タミフル等)もあると云うことであり、ワクチンの製造も可能なので医療事情に問題がない限りパニックになるものではないと考える。
そこまで考えて思ったのだが、仮にこの豚インフルエンザ(新型インフルエンザ)がパンデミック(フェーズ6)となり、わが国でも相当数の感染者が出てしまった場合どうなるのだろうと考えた。
政府の「新型インフルエンザ対策ガイドライン」によると、国内感染が発生した場合にはパンデミック以前でも「人が多く集まる集会や催し物は可能な限り延期することが必要」としている。
つまり衆議院解散総選挙などという事は出来なくなるのである。もしかすると、7月の都議選も出来なくなるかもしれない。
まぁ世界的にパンデミックになっても水際作戦でSARS(サーズ・鳥インフルエンザ)も食いとめた日本政府のことであるから、弱毒性の豚インフルくらい食い止めるのは朝飯前だと思うのだが、万が一ってこともある。
仮にだ、予定通り衆議院任期満了(4年)ギリギリの解散総選挙と国内パンデミックが重なった場合どうなるのだろうか?それを考えてみた。
公職選挙法によると「天災その他避けることのできない事故」がある場合には「繰延(くりのべ)投票」が出来るとなっている。しかし、衆議院議員の任期4年は憲法の規定なので公選法の上位規定である憲法が適用されるので、議員の資格は4年で消えるはずである(法律論として完璧かどうか判らん)
となると、選挙の実施は繰り延べ出来るが衆議院議員の任期は切れるので、一時我が国から衆議院議員が消えるという事態になる。
え~っ国会がなくなるのか~?という問題だが、それは大丈夫、参議院があるではないか(笑)ただし民主党中心の野党が過半数を握る参議院が唯一の国会議決機関となるわけだ。これを自民党が現実にするとは思えない。しかし仮に我が国でパンデミックが現実のものとなった場合、こういうことも想定内だと云う危機管理能力は必要なのだろう?
今夜は雲を掴むような空想の世界を愉しんだが、豚インフル君が弱毒性のまま、鎮まってくれることを祈るしかない。

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