世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

ウォッチング1「14兆の09年度補正予算」

2009年05月09日 | 日記
連休明け、国会では14兆円の09年度景気対策目的の「補正予算案」の審議が始まった。ちらりと国会中継を見たが野党の舌鋒がまったく鋭さを欠いている。政府側では麻生首相のうすら笑いばかり目立っていた。
各テレビ局のニュース番組(全部は勿論観ていないが)で、この14兆もの国民の金の使われ方の報道は2,3番手に追いやられている。各新聞社のネットニュースにも、補正予算審議に関する記事は探さないと見つからない(笑)
たしかに、3面記事的面白味がないのも事実だが、14兆という数字に国民の金銭感覚が働かないフリーズ状態だということも言えるようだ。つまり視聴者は、雲を掴むようで訳がわからんからニュースバリューがないという判断もあるのだろう。 1人12,000円の給付金には反応した国民も14兆円には反応せずということかもしれない。
しかし、マスコミと云うもの、その14兆円と云う予算を細分化して、国民にこういう風に使われる、こういう点に問題ありと云う情報を解説する義務があるのではないのだろうか?10兆円近くが借金なのだから、近々消費税を上げるので賄えるからOKという問題ではないのだと思う。
政府与党の側に立つもよし、民主等の野党側に立つもよし、問題点乃至は注目点程度はまとめて伝えるのがマスコミの努めかと考える。国民に自分で整理整頓、自分でレポートを作れでは「大衆の目となり耳となるべきマスコミ」の姿だとは到底思えない。
だからというわけではないのだが、マスコミの代わりが出来るわけでもないが、拙ブログとしては、注目すべき予算の論点を書き出し羅列したり、ウォッチングしてみようと思った。
*今回の補正予算の目的は徹底的に景気刺激対策と政府は前もって断りを入れている。つまり、実は内容は乏しいのだけど、苦しんでいる所に金をバラまくから見逃してくれよといっているようなものなのだ。まぁそれも悪いとは言い切れない、上手な逃げ口上である(笑)1.9%のGDPを底上げできるんだからイイでしょうと云うことだ。

*エコカー、エコポイントという補助金は明らかに産業支援なのだが、結果内需の先食いであり、外需頼りの構造改革を遅らせる結果に繋がるのではないか?(エコポイントの詳細は具体的に未だ見えていない)

*公共事業、社会保障、農業分野への予算は本予算から洩れた予算を加えただけで、各省庁と族議員をほくそ笑ましたに過ぎないのではないか?この3分野への予算は具体的事業予算を組む時間がなかった所為のようだ。一旦膨らました社会保障を誰が何時縮めるというのだろうか?延びはじめた無用の高速道路を誰が止めるのだろう?

*臨時異例の今年度限りの予算だというのに子供への補助金(1人当たり36,000円)が1年限り出して少子化対策と云うのはあまりに酷い。

*減税は贈与税の非課税枠拡大、中小企業向減税(時限なので今年度限りは当然)はあるが中堅所得層以下への減税はほとんどない。

*太陽光発電の普及や医療・介護改革などに三年間で最大六十兆円の需要創出を目指すと言っておきながらその将来の産業分野投資は見当たらない。

*いわゆる埋蔵金を掘り出して金を作る部分もあるが、あらゆるわけのわからん基金を新設、またもや埋蔵金を隠そうと画策している。これなどは役人への報償のようなもので、GDPを押し上げるための効果は完璧にゼロ予算になっている。

*矢鱈目ったら所謂“箱物”(土地取得費含む)予算が目立つ。施策を必要とする予算は時間的に積み上げられなかったようだ。兎に角、金が動くことが大切だったのなら、国民一人一人に10万円くらい現金ばら撒いた方が効果があるのかもしれない?少なくとも愚策はせずに済む。政策にするからおかしくなる(笑)
今夜は乱暴に書きなぐったので纏まり悪いのは見逃してください(笑)そもそも20兆の需要が不足するので、半分の10兆を補正で補おうという発想から生まれた「泥縄予算」突けば突くだけボロが出るのだが、野党もボロを指摘するパワー不足。マスコミは国会審議の流れを見てから書きだすつもりのようだ。
それより、見ものは13日の党首討論、小沢を麻生が何処まで追い詰めるか、小沢がキレれて辞任を口にするのではないなどと、芸能レポーター並みの感覚で推移を見守っているのかもしれない?

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