世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

北朝鮮の破れかぶれ暴発と日本

2009年05月30日 | 日記
「北朝鮮長距離弾道ミサイル発射準備か?」(CNN)

麻生自民党の話が多過ぎて飽き飽きしている方々の為に、とっておきの身の毛がよだつお話をしてみようと思う。
それは北朝鮮の核実験の実施と国連制裁の動きを牽制する意味で行われているであろう軍事訓練は、今まで嘗てない暴挙、破れかぶれの臭いが漂う。
外交カードとしては行き過ぎ、つまり歯止めが効いていないのだ。これは過去にない動きで、麻生降ろしなどと流暢なことを言ってはいられない事態も想定される。
筆者は軍事に関してズブの素人なので、わが国の防衛体制がどうのこうの考える積りはない。ただ、北朝鮮のここ最近の情報を総合すると金正日体制に異変が起きている可能性に行き当たる。
まず筆者の知る限りの情報を出来るだけ時系列的に並べてみることにする。それを眺めてから、あらためて北朝鮮の破れかぶれ暴発の可能性を考えてみたい。
① 昨年、金正日総書記が脳梗塞で倒れる。少なくとも症状から察するに後遺症は少なかったようだが無理の利かない健康状態となる。
② 金正日体制の後継問題が浮上したが、3兄弟の誰がなるのか憶測情報が世界を巡った。
③ この後継問題を契機に金正日総書記で一本の矢になっていた北朝鮮共産党と軍部に後継者綱引き合戦が始まった。
④ 悪の枢軸とまで言い放ったブッシュ政権から最後には「テロ支援国家」の解除を勝ち取った。(その間に禁輸措置、金融制裁で経済は破綻に瀕している模様)
⑤ タカ派の共和党から民主党オバマ政権に替わり、これで米国と二国間で話が出来ると糠喜びしていたが、クリントンもオバマも北朝鮮を見向きもしない状況に悲しみに打ちひしがれた。
⑥ 6カ国協議なんてもう戻らない。中国とは裏で話し合うし、米国とさえ話せれば良いと云う流れが北朝鮮に生まれる。
⑦ しかし“待てど暮らせど来ぬ人”を待つもどかしさ、痺れを切らした軍部を中心に強硬論が台頭。金正日総書記でも抑えきれないうねりが生じているようだった。
⑧ 人工衛星の打ち上げだと主張、大陸間弾道弾を日本の頭越しに太平洋に向け発射。麻生政権が飛びつくようにパフォーマンスに明け暮れたのは記憶に新しい。 ⑨ 国連安保理事会議長声明で北朝鮮を非難。(禁輸品目と資産凍結の対象者リストの追加作成を要請などの制裁を科した)衛星は何処にも見当たらない、あれはICBMだと米国も認識したのに、何の音沙汰もない。“そら見たことか!”と軍部の勢力が更に台頭。
⑩ この5月25日予想に反して早期に地下核実験を強行。“オバマ大統領!我が国を核保有国として追認せよ”と二国間協議の再開を催促。
⑪ 国連では北朝鮮の核実験に対し、国連安全保障理事会の新たな制裁決議案を検討中で「銀行取引禁止や融資、援助の禁止などの金融制裁」を織り込む方向で調整が行われているが、今回はロシアが議長国で制裁に前向き、中国だけが孤立気味の状況と云うことを考えると、厳しい北朝鮮制裁決議が出る可能性が高まる。一定の範囲で「北朝鮮の船舶などの貨物検査の際、必要なあらゆる手段の行使を許可するとの表現で武力行使を容認する条項が検討されている」など北朝鮮は極端に孤立の状況に追い込まれている。
⑫ 人権擁護団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)は、世界の人権状況を発表、北朝鮮の飢餓はここ10年最悪だと言いだした。
⑬ 核実験後、短距離ミサイルを5月29日現在6発発射
⑭ 29日北朝鮮は「国連安全保障理事会の制裁でこれ以上我が国を挑発するつもりなら、更なる自衛措置が不可避になる」と警告。
⑮ CNNは29日夜、北朝鮮のICBMミサイル発射の動きがあると報道。本気か見せかけか判断は保留している。
以上がざっと見た北朝鮮の状況だが、筆者が思うに、北朝鮮は充分に制御出来ないが核爆弾らしきものは保有している。米国までの大陸間弾道弾ミサイルは完璧ではないが「ノドン」クラスであれば充分「核搭載」可能と考えるのが常識だろう。
国家財政は破綻に近く、国民は飢餓寸前に追い込まれている。金正日体制に綻びが生じ、組織のタガが緩んでいる。軍部強硬派の強硬突破を金正日体制が抑えきれる保証は限りなく低くなっている。
まして、これから国連安全保障理事会の新たな制裁決議案を検討中であり、制裁内容如何では“泣きっ面にハチ”“因幡の白兎”状況に陥ることは想像できる。
その時、北朝鮮はどのような手段に出るのだろうか?それも金正日総書記の選択だけでなく、軍部や限られた共産党幹部の選択まで考慮しなければならない状況になっているような気がする。
つまり北朝鮮ウォッチングは3つの危うい権力構造の上に立っていることになりはしないのか?良くも悪くも金正日総書記の指揮命令で動く北朝鮮には、ぎりぎりの節操はあったとも解釈できる。あくまで脅しと開き直りと外交交渉である。しかし、その指揮命令系統に齟齬が生じていると思われる現況は極めて危険なのだと思う。
いたずらに危機を煽るのも問題だが、この辺は麻生政権はタカ派なのだから大丈夫だろうと思いたいところだが果たして本当に大丈夫なのだろうか?
クリントン国務長官が日韓の同盟国を守るのが当然と言った言葉に縋るしかないのかと思うと少々心もとない。
北朝鮮は300基は配備を完了していると噂されている中距離ミサイル「ノドン」はわが国に切っ先が向いているわけで、見えないから怖くないでは済まされない話なのだ。
迎撃ミサイルSM3とかPAC3(パトリオット)で迎撃可能なのか?100発一度に撃たれたらどうするの?いや考え過ぎかもしらん、こんなこと考えだしたらノイローゼになってしまう(笑)
攻撃される前に攻撃してしまいたいと思っている人々もいるだろう。いや外交だ、だから太陽政策だと言った人もいる。撃たれたらそれまで、念仏でも唱えるか、十字を切ろうかと思う人もいるだろう。この点は人それぞれの考えだ。国連安保理の毅然たる態度も必要だ!北朝鮮を調子に乗せてはイカン!も判る。
しかし、制裁の発動と同時に何かが暴発するかもしれないと云う危機管理も国家はするべきだろう。しているのだと信じたい。しかし、三権分立の国家理念すら判らない指導者に期待して良いのだろうか?市ヶ谷にパトリオットを並べたパフォーマンスが思い出される。水際作戦で防護服を着た医師たちの姿を思い出す。マスク、マスクとスポットCMも目に浮かぶ、う~ん怖い。
まぁ筆者の場合、人生の楽しみと言われる類は充分に「昇華」しているので特に文句はないのだが、まだ楽しみ満喫は不十分と思っている国民には怖い想像である。
*時系列は記憶に頼っているので間違ったらごめんなさい

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