加藤晃生氏の主催する南山ワークショップの呼び掛けについて
今、インターネットを通じて、翻訳家で稲城市第四次長期総計画策定市民会議の委員の一人でもある、加藤氏という方から、南山東部区画整理事業についてのワークショップの呼び掛けがされており、私たちには直接具体的なお誘いはありませんが、ネット上では「藤原議員・荒井議員にも出てきていただければ」と掲載されているそうですので、その呼びかけについて、私たちの見解を述べさせていただきます。
そもそも、南山東部土地区画整理事業は、緑につつまれた稲城の景観に重大な影響を与えるだけでなく、事業には多額の税金が投入されること。さらに、今日の地球温暖化で緑の保全や生物多様性の保護が強く求められ、かつ、人口減少・住宅の供給過剰化という時代に、本当に必要な事業なのかが問われます。まして、この事業に採用される高盛土造成工事には、専門家からも疑問の声が上がっています。
私たちを含む五人の議員が、そうした問題点を市民に明らかにすべく呼びかけた集会に参加されて、計画の実態を初めて知った多くの市民が「南山問題市民連絡会」を結成されて、<事業着工前に市民的論議を>と求め、要請署名行動を展開し、短期間にもかかわらず二万名を超える署名を集めて、昨年八月、市長に提出しました。このことは、稲城における市民自治のあり方として当然のことで、健全な市民運動です。
ところが、市と組合は、それを全面的に拒否してしまったのです。
連絡会は、やむなく、稲城市における最高議決機関である稲城市議会に「計画見直しを求める請願署名」を展開して、今日にいたっているというのが、昨今の南山問題に関する経過です。
「南山市民問題連絡会」では、現在<南山開発の見直し>を求めていますが、この土地が民有地であり、地権者の土地であることを前提にしており、ただ単に地権者の負担で、この緑を保全させようと考えているのではありません。もちろん、地権者の方たちの理解と協力は必要ですが、市民と市・都・国の力を合わせて、バブル時代に想定したような開発計画から、より多くの緑や土の香り・農業が残されるまちに軌道修正できれば、と願っています。
今回、そのような状況下での加藤氏のワークショップの提案ですが、私たちからすれば、加藤氏が、本当に南山開発に市民の声を反映させたいと願われるなら、まず、加藤氏自身が南山問題市民連絡会に参加し、市や組合の姿勢を変えることに全力を挙げるべきだと考えます。
ところで、聞くところによれば、加藤氏は市の長期計画の市民会議の中で、南山について、東部地区は終わったから、西部地区に里山公園をつくると主張された「南山西部里山公園構想」なるものを提案され、なおかつ、そのことに批判的意見が寄せられていることに関して、特定政党の運動などと発言しているとのことですが、もし事実とすれば、自分の意見に異論を唱える人を、すぐそのように決めつける方が、果たして、ワークショップを開催してみんなの意見を民主的にまとめることができるのか、という素朴な疑問も感じます。
私たちには、加藤氏の主張と行動が、市と組合の主張と重なっているように思えるのですが、私たちの思いすごしであれば幸いだと思います。私たちは議員ですので、呼ばれれば不合理なことがない限り、どこへでも出かけて参りますが、今回のワークショップには、以上の理由から参加しない方針です。
稲城市議会「市民自治を前進させる会」
荒井 健
藤原 愛子
今、インターネットを通じて、翻訳家で稲城市第四次長期総計画策定市民会議の委員の一人でもある、加藤氏という方から、南山東部区画整理事業についてのワークショップの呼び掛けがされており、私たちには直接具体的なお誘いはありませんが、ネット上では「藤原議員・荒井議員にも出てきていただければ」と掲載されているそうですので、その呼びかけについて、私たちの見解を述べさせていただきます。
そもそも、南山東部土地区画整理事業は、緑につつまれた稲城の景観に重大な影響を与えるだけでなく、事業には多額の税金が投入されること。さらに、今日の地球温暖化で緑の保全や生物多様性の保護が強く求められ、かつ、人口減少・住宅の供給過剰化という時代に、本当に必要な事業なのかが問われます。まして、この事業に採用される高盛土造成工事には、専門家からも疑問の声が上がっています。
私たちを含む五人の議員が、そうした問題点を市民に明らかにすべく呼びかけた集会に参加されて、計画の実態を初めて知った多くの市民が「南山問題市民連絡会」を結成されて、<事業着工前に市民的論議を>と求め、要請署名行動を展開し、短期間にもかかわらず二万名を超える署名を集めて、昨年八月、市長に提出しました。このことは、稲城における市民自治のあり方として当然のことで、健全な市民運動です。
ところが、市と組合は、それを全面的に拒否してしまったのです。
連絡会は、やむなく、稲城市における最高議決機関である稲城市議会に「計画見直しを求める請願署名」を展開して、今日にいたっているというのが、昨今の南山問題に関する経過です。
「南山市民問題連絡会」では、現在<南山開発の見直し>を求めていますが、この土地が民有地であり、地権者の土地であることを前提にしており、ただ単に地権者の負担で、この緑を保全させようと考えているのではありません。もちろん、地権者の方たちの理解と協力は必要ですが、市民と市・都・国の力を合わせて、バブル時代に想定したような開発計画から、より多くの緑や土の香り・農業が残されるまちに軌道修正できれば、と願っています。
今回、そのような状況下での加藤氏のワークショップの提案ですが、私たちからすれば、加藤氏が、本当に南山開発に市民の声を反映させたいと願われるなら、まず、加藤氏自身が南山問題市民連絡会に参加し、市や組合の姿勢を変えることに全力を挙げるべきだと考えます。
ところで、聞くところによれば、加藤氏は市の長期計画の市民会議の中で、南山について、東部地区は終わったから、西部地区に里山公園をつくると主張された「南山西部里山公園構想」なるものを提案され、なおかつ、そのことに批判的意見が寄せられていることに関して、特定政党の運動などと発言しているとのことですが、もし事実とすれば、自分の意見に異論を唱える人を、すぐそのように決めつける方が、果たして、ワークショップを開催してみんなの意見を民主的にまとめることができるのか、という素朴な疑問も感じます。
私たちには、加藤氏の主張と行動が、市と組合の主張と重なっているように思えるのですが、私たちの思いすごしであれば幸いだと思います。私たちは議員ですので、呼ばれれば不合理なことがない限り、どこへでも出かけて参りますが、今回のワークショップには、以上の理由から参加しない方針です。
稲城市議会「市民自治を前進させる会」
荒井 健
藤原 愛子
私自身は実際のところ、南山が開発されるもよし、されないもよし、地権者が納得して決めるならどちらでも良いという立場ですので、市や組合に開発方針を改めるよう要求するということは考えておりません。
しかしながら、市や組合と藤原さんたちの運動が平行線を辿っていることに起因する悪影響、それは要するに市民の間に相互不信が広がっているということですが、それを収拾するために、組合にお願いして、ともかくどんな提案でも前向きに検討しようという場を設定したわけです。
私が市民連絡会に入会しない限りワークショップにご参加いただけないというのは、失礼ですが議論のすり替えではないでしょうか? 藤原さんたちは組合が呼び掛けた市議との意見交換会も色々な理由を付けて欠席されましたし、今回のご提案も主催者の立場に疑問があるとのことで欠席される由。せっかくの対話の機会を片っ端から拒否されてしまうのはもったいないように思いますが。
>なおかつ、そのことに批判的意見が寄せられていることに関して、特定政党の運動などと発言している
実際にその政党の組織名を明示された文書が市民会議に届いておりますので、藤原さんのご指摘は当たらないかと思います。
>私たちには、加藤氏の主張と行動が、市と組合の主張と重なっているように思えるのですが、私たちの思いすごしであれば幸いだと思います。
たしかにどちらかと言えば、藤原さんの活動には共感出来る部分は個人的には少ないのですが、このワークショップはきちんとした議論のルールに従って行われるものですから、私個人の考えがどうであろうと、藤原さんの主張や論理展開に問題が無ければ、それはそういうものとしてきちんと評価されるはずですよ。
このワークショップの根底にあるのは、我々研究者が学会で行う議論と同じルール、つまり事実と論理の前には誰も逆らえないという大前提です。異なった考えや意見を持つ研究者たちが学会という場で建設的な議論を行えるのは、このルールが共有されているからです。
ともあれ、藤原さんの考えは了解いたしました。幸いにといいましょうか、現在の開発計画を大きく変更するようなプランをご発表いただけるという申し出をいただいておりますので、まずはそのプランについてフィージビリティを精密に検討し、検討プロセスと結論を公開しようと思います。
ワークショップの内実については、そちらを見てもう一度ご判断ください。
市民会議担当課の方にもこの部分について相談したいと思いますが、藤原さんご自身の見解もお教えいただけますか?
藤原さんの書かれた中の、「加藤さんが市民連絡会に参加すべき」という部分は、加藤さんなりのプランの作り方も尊重すべきで、ちょっと行き過ぎだと思います。
一方、加藤さんのホームページに書いてあるワークショップ提案では、計画を市民が望む方向に近づけ、納得できるものにしよう という意思が感じられないのが残念です。議員である藤原さんにとっては、その点は最も重要なことであり、その点でスタンスが違う方がまとめるワークショップに出席しても話がかみあわない可能性が高いと思います。
加藤さんは短期間で多くのことを調べられ、実際に活動し、このようなワークショップまで立ち上げようとされており、知識も行動力もある方のようにお見受けします。その素晴らしい「力」を使う方向をぜひ、もう少し一般市民寄りに近づけていただけないでしょうか。
このワークショップでは、「市民の声を反映させる」という要素も入れて、一般市民にわかりやすく、受け入れやすい提案を出していただけないかと思います。
そうしないと、どんなに論理的・現実的・具体的 に提案をしたとしても、一般市民には、魅力のないものに見えると思います。議論を重ねた結果の「できるだけ・精一杯」の案だったとしても、それが理解されず、支持されず、となる恐れが高くなります。「里山コモンズ案」にも、今までそのような面がなかったでしょうか。
加藤さんのワークショップで作られる案が「市民連絡会」からも多数の支持を得られるような案であって、藤原さんもいっしょに実現に向けて力をあわせることができたら、それが理想的だと思います。
もし事実とすれば
素朴な疑問
思えるのですが
思いすごし
・・・・・
一度お会いしてみてはいかがでしょうか?