アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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メアこそが「ごまかしとゆすりの名人」だ

2011年03月12日 01時08分44秒 | 戦争・改憲よりも平和・人権
ねがい-Negai(Our Wish)-初音ミク(Miku Hatsune)


●メア日本部長発言録全文(日本語)(沖縄タイムス記事より)

 沖縄の米軍基地は地域の安全保障のために存在する。基地のために土地を提供するのが日米安保条約に基づく日本の責務だ。日米安全保障条約に基づく日米関係は非対称で、日本は米国の犠牲によって利益を得る。米国が攻撃されても日本は米国を守る責務はないが、米国は日本を守らなければならず、日本の人々と財産を保護する。
 集団的自衛権は憲法問題ではなく、政治問題だ。
 1万8千人の米海兵隊と航空部隊が沖縄に駐留している。米国が沖縄に基地を必要とする理由は二つある。既にそこに基地があることと、沖縄は地理的に重要な位置にあることだ。(東アジアの地図を見せながら)、在日米軍の本部は東京にあり、そこは危機において、補給と部隊を調整する兵たん上の中心に位置する。冷戦時に重要な基地だった三沢はロシアに最も近い米軍基地であり、岩国基地は朝鮮半島からわずか30分だ。さらに、沖縄の地理的位置は地域の安全保障にとって重要だ。
 沖縄は中国に朝貢していたが、独立した王国だった。中国の一部になったことはない。米国は1972年まで沖縄を占領した。
 沖縄の人々の怒りや失望は米国でなく日本に向けられている。日本の民主党政権は沖縄を理解していない。日本政府は沖縄とのコミュニケーションのパイプを持っていない。私が沖縄の人と接触しようと提案すると、民主党の関係者は「はい!はい、お願いします」という。自民党の方が現在の民主党政権よりも、沖縄と通じ合い、沖縄の関心を理解している。
 3分の1の人は軍隊がない方が世界はもっと平和になると思っているが、そんな人たちと話し合うのは不可能だ。
 09年の選挙が民主党に政権をもたらした。これは日本では初の政権交代だ。鳩山首相は左派の政治家だ。民主党政権下で、しかも鳩山首相だったにもかかわらず、米国と日本は2+2(外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会)の声明を(昨年)5月に発表することができた。
 〈メア氏は部屋を退出し、彼の2人の同僚が日米の経済関係について講義。メア氏が戻ってきて講義を再開すると、2人の同僚は部屋を出た〉
 米国は普天間飛行場から海兵隊8千人をグアムに移し、米軍の存在感を減らすが、軍事的プレゼンス(存在)は維持し、地域の安全を保障、抑止力を提供する。
 (米軍再編の)ロードマップのもとで日本は移転費を払う。これは日本による実体的な努力のしるしだ。日本の民主党政権は実施を遅らせているが、私は現行案が実施されると確信している。日本政府は沖縄の知事に対して「もしお金が欲しいならサインしろ」と言う必要がある。ほかに海兵隊を持っていく場所はない。日本の民主党は日本本土への施設移設も言ってきているが、日本本土には米軍のための場所はない。
 日本の文化は合意に基づく和の文化だ。合意形成は日本文化において重要だ。
 しかし、彼らは合意と言うが、ここで言う合意とはゆすりで、日本人は合意文化をゆすりの手段に使う。合意を追い求めるふりをし、できるだけ多くの金を得ようとする。沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ。
 沖縄の主産業は観光だ。農業もあるが、主産業は観光だ。沖縄ではゴーヤー(ニガウリ)も栽培しているが、他県の栽培量の方が多い。沖縄の人は怠惰で栽培できないからだ。
 沖縄は離婚率、出生率、特に婚外子の出生率、飲酒運転率が最も高い。飲酒運転はアルコール度の高い酒を飲む文化に由来する。
 日本に行ったら本音と建前について気を付けるように。言葉と本当の考えが違うということだ。私が沖縄にいたとき、「普天間飛行場は特別に危険ではない」と言ったところ、沖縄の人は私のオフィスの前で抗議をした。
 沖縄の人はいつも普天間飛行場は世界で最も危険な基地だと言うが、彼らは、それが本当でないと知っている。(住宅地に近い)福岡空港や伊丹空港だって同じように危険だ。
 日本の政治家はいつも本音と建前を使う。沖縄の政治家は日本政府との交渉では合意しても沖縄に帰ると合意していないと言う。日本文化はあまりにも本音と建前を重視するので、駐日米国大使や担当者は真実を言うことによって批判され続けている。
 米軍と日本の自衛隊は違った考え方を持っている。米軍はありうる実戦展開に備えて訓練しているが、自衛隊は実際の展開に備えることなく訓練をしている。
 日本人は米軍による夜間訓練に反対しているが、現代の戦争はしばしば夜間に行われるので夜間訓練は必要だ。夜間訓練は抑止力維持に欠くことができない。
 私は日本国憲法9条を変える必要はないと思っている。憲法9条が変わるとは思えない。日本の憲法が変わると日本は米軍を必要としなくなってしまうので、米国にとってはよくない。もし日本の憲法が変わると、米国は国益を増進するために日本の土地を使うことができなくなってしまう。日本政府が現在払っている高額の米軍駐留経費負担(おもいやり予算)は米国に利益をもたらしている。米国は日本で非常に得な取り引きをしている。(以上)
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 米国務省ケビン・メア日本部長が昨年12月に米国の大学で行った上記講演内容について。日本政府も本土の商業マスコミも、前原在日献金問題や土肥議員の竹島問題発言については針小棒大に取り上げながら、何故この問題については追及が及び腰なのか?少なくとも在日献金問題については賄賂性はなく、竹島も所詮は無人島の領有権争いにしか過ぎない。それに引き換え沖縄では、今も県民は土地を米軍に強奪され、騒音・墜落事故・基地犯罪の危険に晒され続けているのだ。「国益」や「国家主権」や「国民の安全」を言うのであれば、寧ろこちらの問題こそ優先的に取り上げるべきではないのか。

 メア失言のトンデモさについては、今さら言うまでも無い。
 メアが言う「沖縄に基地が必要な二つの理由」の一つ「既にそこに基地があるから」は、既得権に胡坐をかいた植民地占領意識の表れであり、もう一つの「地理的重要性」も、「金ヅル」の東京や日本を奪われたくないという米国側の身勝手な言い分だ。
 「自民党の方が現在の民主党政権よりも沖縄と通じ合い」云々も、「より長期にわたって政権与党として君臨してきた自民党の方が、アメとムチの使い分けに秀で、ずる賢く立ち回ってきた」という事の裏返しでしかない。
 保守本流ブルジョア「鳩山一族」の一員で、しかも右翼改憲議連メンバーの一人でもある「鳩山が左派」なんてチャンチャラ可笑しいし、航空法で規制されている本土の民間空港と事実上治外法権下にある米軍飛行場を同列視するトンデモさも、今さら言うまでも無い。
 恩着せがましく述べ立てている「普天間からグアムへの海兵隊8千人移転」も、実際に移転するのは僅か2千人かそこら。老朽化した普天間基地を、最新鋭の辺野古・グアムでの新基地に置き換える「火事場の焼け太り」が、真の狙いだ。
 沖縄県民のゴーヤ栽培数や離婚率・飲酒運転率の大小と、米軍駐留の必然性との間には、何の因果関係もない。全然無関係な事柄を持ち出して、ただ難癖を付けているだけにしか過ぎない。
 「ごまかしとゆすりの名人」との物言いも、米国にそっくりそのままお返ししたい。「大量破壊兵器の嘘」で国際世論を欺きイラク戦争をおっ始め、チュニジア・エジプト・サウジアラビア・バーレーン・イエメンの親米独裁政権を陰で支えてきた「ごまかしとゆすりの本家本元」に、他国の事をとやかく言う資格はない。

 ただ、「憲法9条を変えれば、米国の利益のために日本の土地を使用できなくなる」との部分については、「上辺だけは」当たっている。「日本が軍隊を持たない代わりに、米国が日本を守ってやっている」との口実で、日本を軍事的にも政治的にも経済的にも好き勝手に支配出来るからな。但し、「日本の為」なぞではなく、あくまでも「米国の為」だが。
 しかし、そういう形で「憲法9条」の理念を歪めたのが、他ならぬ米国だ。本来、憲法9条の理想は、単に「自国だけが平和でさえあれば良い(一国平和主義)」なぞというエゴイスティックなものではなかった。それは、「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有する事を確認する。」との憲法前文の一節からも明らかだ。
 平和憲法制定当時の国民が目指したのは、あくまでも、国際紛争の調停役として今も国連で重要な役割を果たしている、北欧諸国の様な国家だったのだ。その「積極的平和主義」の理想は、今の日米安保・日米同盟体制の下での、「属米・売国」の代償としての「一国平和主義」とは、全く異質なものだ。

 その当初の「積極的平和主義」が、何故「属米・一国平和主義」に堕してしまったのか。偏に、当の米国自身がそれを許さなかったからだろうが。その為に、「憲法9条」が本来有する「積極的平和主義」とは全く相容れない「日米安保・日米同盟」体制を、1952年の対日講和条約発効と抱き合わせて日本に無理やり押し付け、長期保守政権の下で既成事実化を図ってきたのだろうが。
 勿論、それを受け入れてきた日本の歴代保守政権の責任や、それに抗し切れなかった国民の力量不足の問題も当然ある。それでも、あくまで主犯は米国である事には変わりない。その主犯格たる米国が、自分のやって来た事を棚に上げて、徒に日本の政府や国民に、その責任を擦り付ける事は認められない。
 本来ならば今の北欧諸国の様な「積極的平和国家」として再生する筈だった戦後日本の進路を、「属米・一国平和主義」の方向に捻じ曲げられた為に、さも「上辺だけは」当たっているようになってしまったのだ。歪めたのは米国だ。その歪めた当の米国政府当局者の一員たるメイが、さも自国の手柄の様に自慢しているのだ。恰もレイプ犯がレイプを自慢する様に!「盗人猛々しい」とは正にこの事だ。流石は「ごまかしとゆすりの名人」だけの事はある。

(参考記事)
・メア氏差別発言 解任し米の認識改めよ ゆがんだ沖縄観を投影(琉球新報・社説)
 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-174331-storytopic-11.html
・[メア氏更迭]一件落着にはならない(沖縄タイムス・社説)
 http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-03-11_15286/
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2 コメント

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メア氏の昇格 (noga)
2011-03-12 05:15:14
>日本の政治家はいつも本音と建前を使う。
>沖縄の政治家は日本政府との交渉では合意しても沖縄に帰ると合意していないと言う。
>日本文化はあまりにも本音と建前を重視するので、駐日米国大使や担当者は真実を言うことによって批判され続けている。

日本人は、「本音と建前」が詭弁であることを知らない。我々は、そのように教育されてはいない。
「沖縄の政治家は日本政府との交渉では合意しても沖縄に帰ると合意していないと言う。」は、当人たちは嘘をついているということである。
このような態度では、我々は統一ある世界に近づくことはできない。

日本人の判断基準は、「世の中は、、、、」(現実の内容) ということ。
英米人の判断基準は、自分の考えの内容 (非現実の内容) である。
本音も建前も現実の中にある。だが、理想は現実の外にある。
だから、日米間では話は合わない。不信感は募るばかりである。

日本人には、問題を解決する能力がない。だが、事態を台無しにする力を持っている。だから、厄介である。
この厄介が閉塞感の原因になっているのかもしれない。


http://d.hatena.ne.jp/takashi1982/20110307/1299426703

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メア氏の発言は (あるみさん)
2011-03-12 20:55:10
以前から沖縄を軽視した「上から目線」のものが多かったので、今度も「ああまたか」とおもってしまいました。しかし、アメリカが「銃剣とブルドーザー」で土地を強制的に取り上げて基地を強化してきたことを全く無視したこの発言は本当に許せないものです。
そしてアメリカの軍事植民地行政を、今、日本政府がアメとムチで肩代わりしてやっている。この構造をぶっこわさないといかんと思います。
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