アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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在特会の論理と全く同じじゃないか

2010年03月03日 19時30分23秒 | 北朝鮮・中国人権問題
・【主張】朝鮮学校 無償化除外へ知恵を絞れ(産経新聞)
 4月から実施予定の高校無償化をめぐり、在日朝鮮人の子女が学ぶ朝鮮学校を対象から外すよう中井洽(ひろし)拉致問題担当相が川端達夫文部科学相に要請し、同省で検討が行われている。中井氏の狙いは、拉致問題で北朝鮮に強い姿勢を示すことにあるとみられる。担当相として当然の要請だ。(中略)
 朝鮮学校は、講堂に金正日総書記の肖像画を掲げるなどの同胞教育で知られる。万景峰号が日朝間を行き来していたころは、北への修学旅行(祖国訪問)を利用し、故金日成(元国家主席)・金正日父子への忠誠心や反米思想を植えつける教育を行っていた。
 最近、北朝鮮が過去半世紀にわたって日本の朝鮮学校に計460億円の資金を提供し、昨年も2億円の「教育援助金」を送金していた事実も明らかになった。
 しかも、北は横田めぐみさんら多くの日本人をいまだに拉致したままだ。その強い影響下にある朝鮮学校に他の各種学校と同様、就学支援金を支給するというのは、国民感情に反しよう。(後略)
 http://sankei.jp.msn.com/life/education/100223/edc1002230302000-n1.htm
・北、朝鮮学校に460億円送金 昨年も2億…高校無償化に影響(産経新聞)
 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100211/plc1002110142004-n1.htm

 上記記事の、朝鮮学校を高校無償化措置から除外する問題について、本当はもっと早くにブログに書こうと思っていたのですが、諸般の事情で今になってしまいました。遅くなりましたが、私なりに見解表明したいと思います。この問題については、日弁連や「えひめ教科書裁判を支える会」などが、抗議の見解表明を行っています。詳しくはそちらをご覧下さい。
 
 朝鮮学校の無償化除外には私も反対です。但し、先の声明のように詳しくは書けませんので、簡単に三つほど、その理由を挙げておきます。
 その第一は、実際には朝鮮籍だけでなく韓国籍の子どももいる中で、多様な個性を持つ子どもたちを、まるで「北朝鮮のスパイの子ども」であるかのように看做し、「日本人vs朝鮮人」の民族対立の枠組みでしか捉えようとしない点です。「子どもを、人間を、一体何だと思っているのか」という事です。そりゃあそうでしょう、朝鮮学校の生徒が拉致した訳ではないのだから。
 そういうと必ず帰ってくる反論が、「朝鮮学校は朝鮮総連の傘下にあり、北朝鮮からも資金援助を受け、金正日個人崇拝のイデオロギー教育を行っている」というものです。しかし、母国から資金援助を得ているのは、何も朝鮮学校だけではありません。韓国学校や台湾系の中華学校、ブラジル人学校もそうです。指導者の肖像画などにしても、台湾系の中華学校にも孫文の銅像があるように、何も朝鮮学校だけに限った事ではありません。
 確かに、それは必ずしも褒められた事ではないでしょう。往年の植民地支配の苦い記憶が、その様な過剰な民族主義に走らせるのでしょうが、いつまでもそこだけに止まっていては、その国の未来の発展は在り得ません。その中でも、特に朝鮮学校にその傾向が強く見られる事も確かです。しかし、だからといって、「そこの学校に通う子どもの学習権・教育権を踏みにじって良い」という事には絶対にならない筈です。朝鮮学校の教育内容に関する議論は、教育権の保障とはまた別個に考えるべき問題です。況してや、口先だけの言い逃ればかりで、過去の清算に実質的に踏み出そうとしない、かつての植民地宗主国たる日本が、自国の事を棚に上げて相手国ばかりを非難しても、全然説得力はありません。

 その第二は、今回の無償化措置に至る経過も禄に踏まえずに、拉致問題だけを言い募り、朝鮮学校の無償化に反対する点についてです。元々この高校無償化は、中等教育(日本では中学・高校)の無償化が国際的な流れになる中で、先進国では日本だけが有料に据え置かれた事に対して、「国際人権規約」「子どもの権利条約」締結国としての義務をきちんと果たすよう、国連から再三勧告を受けていた問題です。謂わば長年にわたる人権不作為が問題になっているのに、その様な歴史的経過も全く踏まえずに、拉致問題だけを口実にして、人権不作為を居直る理屈が、国際的に通用する筈がありません。だから、鳩山首相も平野官房長官も、「今回の無償化除外は拉致問題とは無関係」と言明せざるを得なかったのです。
 それに対して、「日本は拉致問題があるから無償化除外は当然だ」という意見が、産経新聞の社説に掲載されましたが、何をか況やです。北朝鮮人民や拉致被害者の「人権」を云々する側が、「教育を受ける権利」に対して、何故かくも鈍感になれるのか、不思議でなりません。「子どもの学習権・教育権・人権を一体何だと思っているのか」と思います。

 第三は、教育の本質論に関わる問題です。安倍政権時代に改悪される前の、まともな方の教育基本法の第1条には、こうありました。

第一条 (教育の目的) 教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたつとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

 「平和的な国家及び社会の形成者」「真理と正義を愛し~心身ともに健康な国民」、つまり「自主的で民主的な人間」を育てるのが教育の目的です。まかり間違えても、今の北朝鮮や戦前日本のような、金正日や天皇の言いなりになるような「忠誠・臣民」教育であってはならない筈です。それは民族教育であっても同じです。私が今の朝鮮学校における教育の在り方に同意しないのも、偏にこの点にあります。
 ところが、その「金正日への忠誠」教育を批判する、当の日本の「救う会」や右翼自身が、ひたすら「天皇への臣民教育」を好しとし、それに反対する人士を「非国民・売国奴」呼ばわりしているのですから、お里が知れます。

 これでは、「結局は、子どもの人格育成や人権・教育権保障なんて意識は全然無くて、拉致問題を口実に、ただひたすら北朝鮮や在日コリアンを叩きたいだけなんだろう」と思われても仕方がないでしょう。だから、朝鮮学校に通う子どもを十把一絡げに、まるで「北朝鮮のスパイの子」であるかのように看做すのではないでしょうか。しかし、それでは、「在日外国人・朝鮮人は日本から出て行け」と、カルデロンさん一家の通う学校や朝鮮学校に嫌がらせに押しかけた、「在特会」「主権回復会」「維新政党・新風」などのネオナチ集団の行状と、言っている事やっている事が、何ら変わりません。
 それに対しては、「いや違う、拉致被害者救出運動には在日コリアンや脱北者の方も大勢加わっている」との反論があるかも知れませんが、それも実は<「救う会」系運動を支持する>在日コリアン・脱北者<だけ>が対象で、それ以外の在日コリアンや在日外国人は蚊帳の外ではないでしょうか。そうでなければ、「カルデロン出て行け」なぞと呼号するネオナチや、それとつるんだ靖国右翼、二言目には「高校無償化はバラマキ福祉」なぞと揶揄する新自由主義者と、同じ立場で運動できる訳がありません。これは決して単なる「思想信条による違い」で済ませられるものではありません。人権運動としての根幹に関わる問題です。

・朝鮮学校で「スパイの子」 “抗議行動”を告訴へ
 京都朝鮮第一初級学校(京都市南区)で今月4日、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の旗を持った男性約10人が抗議行動と称して校門に押しかけ、拡声器を使って「スパイの子ども」などと騒いでいたことが18日、分かった。
 校内には近隣の朝鮮学校も含めた児童約170人がいた。学校側は、偏見や差別感情が理由の「憎悪犯罪(ヘイトクライム)」だと反発。週明けにも威力業務妨害などの容疑で京都府警に告訴する。
 集まったのは在特会関西支部メンバーら。校門前にある京都市管理の公園に学校がサッカーゴールや朝礼台などを置いていたため、在特会の桜井誠会長は「不法占拠したことへの抗議」と説明している。
 学校が撮影した映像では、数人が朝礼台を正門まで運び「門を開けろ」と要求。学校関係者が「ここは学校です」と制止すると「こんなものは学校ではない」「朝鮮学校を日本からたたき出せ」などと拡声器で叫んだ。(以上、中日新聞)
 http://www.chunichi.co.jp/s/article/2009121801001139.html

再掲:朝鮮学校をレイシストが襲撃

 「あけんか、こらっ!」「スパイの子」「キムチくさい」「日本に住まわしてやってんねんから、偉そうにせんと、大人しう隅っこ歩いとったらええねん」・・・こんな言動をする輩に、拉致被害者や北朝鮮人民の「人権」を云々する資格なぞ、在ろう筈がない。
 
 決して私は、今の朝鮮学校がそのままで良いとは思っていません。朝鮮学校の教育内容の中にある、北朝鮮美化一辺倒や金正日への個人崇拝については、改めなくてはならないと思っています。何でもかんでも国家に従うのが愛国心ではありません。国家の誤りについてはそれを指摘し糾して行くのが、真の愛国心だと思っています。これは日朝双方に言える事でもあります。
 そして、それは「日本人vs朝鮮人」といった民族対立の枠組みの中からは、絶対に生まれてきません。そこから離れ、自国・他国の状況や国際人権運動の到達点を踏まえる中から、初めて見えてくるものだと思います。それを踏まえず、靖国一辺倒や天皇個人崇拝からも抜け出せず、「カルデロン出て行け」「高校無償化はバラマキ福祉」としか言えない人たちが、自らの立場を棚上げしたまま、幾ら相手を非難した所で、全然説得力を持ち得ない事は、もはや火を見るより明らかです。 

(参考資料)

・高校無償化 『朝鮮学校除外を』対北で強硬姿勢か(東京新聞)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2010022102000070.html
・朝鮮学校の無償化 問題「拉致無関係」 首相が強調(同上・夕刊)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2010022602000222.html
・無償化から朝鮮学校除外、国連委が「懸念」(読売新聞)
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100226-OYT1T00347.htm
・これでは教育による公然たる差別になっちゃう。(高校無償化政策と朝鮮学校)(村野瀬玲奈の秘書課広報室)
 http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-1644.html
・高校無償化、朝鮮学校はだめなの?!前段(池田香代子ブログ)
 http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51352281.html
・高校無償化、朝鮮学校はだめなの?!後段(同上)
 http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51352778.html
・[CML 003118] 中井拉致問題相の(「朝鮮学校を高校無償化から排除」発言は憲法にも鳩山首相の理念にも反する
 http://list.jca.apc.org/public/cml/2010-February/003065.html
・『産経新聞』は何を「明らかに」したのか―朝鮮学校と高校「無償化」問題(日朝国交「正常化」と植民地支配責任)
 http://kscykscy.exblog.jp/12857819/
・「公的確認」の論理と教育「内容」の問題―朝鮮学校と高校「無償化」問題②(同上)
 http://kscykscy.exblog.jp/12886916/
・案の定の『朝日新聞』社説―朝鮮学校と高校「無償化」問題③(同上)
 http://kscykscy.exblog.jp/12894670/
・鳩山「国交」発言にみる狎れあいの構図―朝鮮学校と高校「無償化」問題④(同上)
 http://kscykscy.exblog.jp/12907787/
・朝鮮学校排除問題と<佐藤優現象>(私にも話させて)
 http://watashinim.exblog.jp/10804763/
・東京新聞「朝鮮中高級学校ルポ」文字起こし(vanacoralの日記)
 http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20100228
・“闇の教室”朝鮮学校の実像…無償化除外で総連が圧力(東アジア黙示録)
 http://dogma.at.webry.info/201002/article_11.html
・朝鮮学校「無償化」問題、朝鮮学校のみを見ていてもダメなんですよ(資料屋のブログ)
 http://toriaezumitekitayo.blog88.fc2.com/blog-entry-63.html
・大阪朝鮮学園HP
 http://www.koreaschool-osaka.jp/
・白頭学園建国学校(大阪の韓国学校)HP
 http://www.keonguk.ac.jp/
・大阪中華学校HP
 http://www.ocs.ed.jp/
・大阪YMCAインターナショナルハイスクールHP
 http://www.osk-ymca-intl.ed.jp/ihs/
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Unknown (えまのん)
2010-03-04 09:25:31
こんにちは。
そんなに難しく考えなくても、「朝鮮学校は法律上、「各種学校」であるから無償化対象外」で良いと思いますよ。
この各種学校には、韓国学校、中華学校、アメリカンスクールなどのインターナショナルスクールや看護学校も含まれます。
全部まとめて、今回の無償化対象外ですよね。

逆に朝鮮学校のみ無償化…というほうが逆差別でしょう。
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教育の機会均等 (まこと)
2010-03-04 12:03:28
では、各種学校に通っている子供は教育の機会均等から除外せよということなのですか?高校実質無償化法案の立法趣旨を鑑みれば、高等学校と同様の教育カリキュラムを組んでいる教育機関は実質無償の対象とすべきです。
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今、再読していて気がついたんだけど (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2010-03-07 12:46:07
>指導者への個人崇拝にしても、台湾系の中華学校にも孫文の銅像があるように、何も朝鮮学校だけに限った事ではありません。

こりゃ↑ちょっと拙いんじゃない?w
ちょっと例えが乱暴だと思うな。猛獣さんあたりから猛抗議来ちゃいますよ!wwww

孫文やカストロに対する国民感情と(乃至は国家による「偉人教育」と)スターリンや金日成・金正日親子に対する「個人崇拝の強要」とではその政治的社会的意味は全く違うと思うねんw

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民族主義と個人崇拝の境界 (プレカリアート)
2010-03-07 21:59:03
>>指導者への個人崇拝にしても、台湾系の中華学校にも孫文の銅像があるように、何も朝鮮学校だけに限った事ではありません。(当該記事)
>孫文やカストロに対する国民感情と(乃至は国家による「偉人教育」と)スターリンや金日成・金正日親子に対する「個人崇拝の強要」とではその政治的社会的意味は全く違うと思うねんw(バッジさん)

 そう言われれば確かにそうなんだけれど・・・。確かに、孫文・カストロ・ネール・ナセルに対して、その国・民族が寄せる素朴な親愛の情と、金親子やヒットラー・スターリン・ポルポトに対する個人崇拝を、同列に扱う事は出来ないという、バッジさんの意見も分かるのですが・・・。

 しかし、では両者の間の差異を、何を以って分かつのかという、量的・質的基準がはっきりしないのも事実な訳で。「前者には国民の自然な支持があるが、後者はそれが殆ど無い」という事は何となく分かるのですが。でも、前者にもそれを強制と感じる人もいれば、後者にも心底から支持している人も全然いない訳ではないので。

 多分、人権弾圧の有無や程度が、両者を分かつ基準になるのでしょうが。では、中国の毛沢東やトルコのアタチュルクの様な、功罪相半ばする場合はどうなるのか。かつては共に救国英雄とされた二人ですが、昨今はやたら毛沢東を貶める人が増えた一方で、今も英雄扱いのアタチュルクについても、アルメニア・クルドなどの少数民族弾圧にかけては、中国と似たような事もやっている訳で。そのアタチュルクに対するトルコ人の態度も、見ようによっては金親子への個人崇拝に相通じるものがあるかと。

 また、日本の天皇制についてはどうなのかと。これなぞ正に金親子への個人崇拝と紙一重だと思うのですが。しかし、その一方で、明治以後の天皇制教育による偶像化・神格化・支持強要とはまた別に、国民の素朴な敬愛感情も実際ある訳で。

 こういう議論をしていくと、朝鮮学校無償化の是非という、記事本来のテーマから逸脱しかねないので、正直言って、どう扱ってよいのか分からないのですが。その一方で、「ファシズム・ナチズムとは別の、まともな民族主義まで、個人崇拝の一語で以って捨象してしまえるのか」という、この議論も、これはこれで重要だと思うし、それを「無駄な議論」と無碍に切り捨てるのも如何なものかと。正直言って、どうまとめて良いのか、私自身、分からなくなってしまったw。
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正常な国民的尊敬と独裁体制の個人崇拝の分水嶺 (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2010-03-08 11:35:18
簡単なんじゃない?

まず、尊敬される人物の具体的業績内容。主観ではなく客観的根拠。もちろん「功罪相半ば」みたいなこともあるけど、その場合は「功罪」の度量やバランスについての判断は第三者が関与出来ない内心の自由のようなものになってしまうだろうね。

それに上でも書いたけど「強制」の有無の問題。これ決定的。
「強制」とは「尊敬しない自由」を認めないということですよ。
台湾やキューバで「オレは孫文が嫌いだ」とか「カストロを尊敬きない」と公言する自由があるかどうか。
オレは、台湾やキューバには、それが「有る」と(滞在経験者や大使館関係者から)聞いているし、北朝鮮やかつてのソ連にはそれが「無い(無かった)」と思っている。また、この主観を覆すだけの事実にはお目に掛かっていません。

ま、台湾やキューバで孫文やカストロへの批判をやってみることですねw
「真理の基準は実践」ですwwwwwww
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記事の記述を一部訂正しました (プレカリアート)
2010-03-09 09:05:50
 前記のバッジさんのコメント内容も考慮して、記事本文の記述(朝鮮学校無償化除外への反対理由の第一について述べた文節の一部)を、下記のように変更しました。尚、記事の投稿日付については、既にコメントが多数付いてしまっている中で更新すれば、却って混乱をきたすので、もうそのままにしておきます。

(訂正前)
>指導者への個人崇拝にしても、台湾系の中華学校にも孫文の銅像があるように、何も朝鮮学校だけに限った事ではありません。

(訂正後)
>指導者の肖像画などにしても、台湾系の~(以下同文)

 前後の文章との繋がりを考慮すれば、これぐらいの訂正しか出来ません。内容的には、訂正後もそう変わらない記述にならざるを得ませんが、ともかくも「個人崇拝」との評価は払拭する事が出来ました。

 確かに、「肖像画や銅像の有無」という表面的事象にとらわれて、孫文と金体制を同列視してしまったのは、間違っていたと思います。
 孫文と金体制の功績について見ても、前者が提唱・実践した三民主義(民族独立・民主共和制・民生安定)が、当時のブルジョア民族主義としての限界を持ちつつも、今でも普遍的価値を持つ内容である事と比較しても、金体制の唱えた主体思想なんて、ただの個人崇拝の強要でしかないですわね。

 今回の件については、ともすれば、「在特会」などのネオナチ・ネットウヨクの蛮行や、ネオコン・靖国右翼による所業への反発が先立つ余り、肝心の金正日体制への批判が、ともすれば弱まりがちであったと、自戒しています。
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補足:カストロ・台湾社会擁護 (バッジ@ネオ・トロツキスト)
2010-03-09 15:40:58
キューバでの長期滞在経験がある友人の話し。
①カストロはしばしば単身で公衆の面前に現れ国民と政治問題などを議論するのを好むが、その際に自分へ面と向かった批判が行われても笑いながら答えた。
②キューバではカストロの写真や肖像画の掲示を禁止している。(偶像崇拝の拒否)
③台湾に旅行した知人の経験
台北に旅行した日本人が酒席で蒋介石親子を激しく批判して現地人から反論を受たが、その際も反論はあくまで個人的なレベルのものであり、強権を伴って言論封殺するような種類のものではなかった。(蒋介石時代でさえ「北」の金王朝のように外国人に指導者崇拝を強要するようなことはなかった)
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