アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

杉田水脈やネトウヨと同じレベルに堕してしまってはならない

2020年09月04日 22時32分33秒 | 新型コロナ・アベノマスク

昨日書いたブログ記事「本当の事を言って何が悪い」の内容を取り消します。

まず、記事の背景として、安倍総理の突然の辞任に触発され(または同じタイミングで)、次の様な事が相次いで起こりました。

①立憲民主党の枝野代表が、受動喫煙対策として喫煙が禁止されている議員会館の自室で喫煙していた事が明らかになった(新聞記事参照)。

②同じく立憲民主党の石垣のり子・参院議員が、ツイッターで、安倍首相の事を「大事な時に体を壊す癖がある」と揶揄した(左のツイート参照)。

③京都精華大学の白井聡・講師が、安倍首相の辞任会見を見て「切なくて泣いた」と呟いたユーミン(松任谷由美氏)に対して、「夭折(ようせつ)せよ=早よ死んでしまえ」とフェイスブックで呟いた(右の投稿参照)。

この3つの事例に対して、いずれも強い批判がネット上で広がりました。

①については、与党の不正を糾すべき野党の指導者が法律違反(改正健康増進法違反)を犯している、と。

②については、誰しも病魔には勝てないのに、安倍首相の時だけ非難するのは如何なものか、と。

③については、誰がどの政治家を応援しようが個人の自由なのに、それを表明しただけで「死ね」呼ばわりするのは言論封殺に他ならない。安倍政権の言論抑圧を非難する資格なし、と。

それに対して私は、「安倍は、森友問題の公文書改ざん強要で公務員の自殺者まで出し、河井案里の選挙違反で自ら買収工作を行う等、もっと酷い事を一杯やっているのに、それを批判せず、野党の不手際ばかり咎めるのは、為にする批判であり、ダブルスタンダードだ」という趣旨の事を、当該記事に書きました。

しかし、このうちの①と③については、今から考えると、明らかに私の勇み足でした。

まず①について。

受動喫煙対策が言われるようになった背景には、喫煙による死者が年間13万人、受動喫煙による死者も年間1.5万人に及ぶ事実があります。この為、国もようやく重い腰を上げ、この度の法改正で、公共施設内の全面禁煙が施行される事になりました(参考:日本医師会HP厚労省HP)。

日本は長い間「喫煙天国」でした。その陰で、非喫煙者は長い間、肩身の狭い思いをしてきました。私自身も、喫煙者が喫煙室にこもって煙草を吸っている間、非喫煙者である私が事務所の電話を取らざるを得なかったという、苦い思い出があります。忙しいのは非喫煙者も喫煙者も同じであるにも関わらず。その陰で、これだけ大勢の人が、たばこの害で亡くなっていたのです。喫煙者だけでなく非喫煙者も、副煙流による肺がん、心筋梗塞などで。

これは、もはや「公害」による「人権侵害」です。非喫煙者の運動によって、このような「人権後進国」の状況がようやく是正されつつある中で、よりによって与党の襟を正さなければならない立場の野党党首が、かつての与党と同じような事をして一体どうするのか?この事に対する自覚が欠けていました。よって①については、記事内容を全面的に撤回したいと思います。

次に③について。
 
森友・加計問題。「桜を見る会」。検察庁法改正問題。安保法制・秘密保護法・共謀罪法案の強行採決。沖縄・辺野古の新基地建設強行。相次ぐ公文書・データの改ざん・隠蔽。お友達優遇の縁故政治。自分の支持者だけを優遇して、それ以外の人間は全て排除する強権・分断統治。その果ての身勝手な二度に渡る政権投げ出し…。ここまで極悪非道な安倍政権に対しては、流石に「死ね!」と言うのは行き過ぎであったとしても、「くたばってしまえ!」ぐらい言っても良いと、私自身も思っていました。
 
しかし、それを安倍首相に言うならまだしも、一民間人で一支持者に過ぎないユーミンに対して言うのは、やはり間違っています。私に「安倍辞めろ!」と叫ぶ自由があるのと同じように、ユーミンにも「安倍さん素敵!」と叫ぶ自由があります。この多様性を認めてこそ、初めて民主主義が成り立ちます。それを否定してしまっては、「LGBTは非生産的(生きてる価値なし)」と放言した杉田水脈・自民党衆院議員や、「朝鮮人を海に叩き込め!」と叫ぶネトウヨ(ネット右翼)のヘイトスピーチ(憎悪宣伝)と、同じレベルに堕してしまいます。よって③についても、記事内容を全面的に撤回したいと思います。
 
但し、②については、私は今も石垣のり子氏の立場を支持します。彼女は何ら間違った事は言っていません。何故なら、安倍が「二度も身勝手な政権投げ出し」をやったのは事実だからです。だからこそ、海外のマスコミも「ゴールで倒れたマラソン走者」(仏リベラシオン紙)、「危機に弱い指導者」(仏ルモンド紙)と書き立て、英エコノミスト誌に至っては、「土下座する日本のマスコミの上で安倍がふんぞり返る」痛烈な風刺画を掲載したのです。
 
安倍首相や野党第一党の党首は、公人であって私人ではありません。公人(政治家)は、私人(民間人)とは違い、政治権力を握っています。だからこそ、私人以上に強い倫理観が求められます。政治資金規正法で資産公開も義務付けられるのです。その点では、病気でも休めないブラック企業の労働者とは、全然訳が違います。

勿論、政治家とて生身の人間です。任期半ばで病気の為に心ならずも辞任せざるを得ない場合もあるでしょう。しかし、安倍の場合は今回で二度目です。辞め方も余りにも急で不自然です。これでは批判されても文句は言えません。それが嫌なら、最初から政治家なんて成らなければ良いのです。
 
以上の理由で、先に書いた私の記事と、関連するツイートについては、一旦削除させてもらいました。

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