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外国人労働者の住環境改善がもたらす波及効果について

2021年05月09日 17時45分48秒 | 新型コロナ・アベノマスク

所長へ。実はこういう事を考えていたのですが、所長はどう思われますか?↓

外国人労働者の住環境改善がもたらす波及効果について

新型コロナウイルス感染症の発生源と言えば、まず槍玉に挙げられるのが飲食店や病院、介護施設ですが、実はそれ以上に危険な場所があります。それは外国人実習生・留学生の寮です。実習生は自由にバイト先を選べません。留学生も週28時間以上は働けません。最低賃金ギリギリの安い時給で、就労時間も制限されている中では、まともな賃貸物件に住めるだけの家賃は払えません。それでも働こうとするなら、シェアハウスで部屋を借りるしかありません。「シェアハウス」と言えば聞こえが良いですが、実態は「21世紀のタコ部屋」です。そこで一人がコロナに感染すれば、他の同居人にもすぐに感染が広がってしまいます。

ところが、行政もマスコミも、飲食店や病院、介護施設は槍玉に挙げますが、外国人労働者の寮やショアハウスのクラスター発生は見て見ぬふりです。外国人労働者がいなくなると、人手不足が更に酷くなるからです。外国人労働者の働く場所は、いずれも低賃金で重労働の現場がほとんどなので、求人募集をかけても若い日本人はほとんど来ません。来るのは外国人と高齢の日本人ばかりです。その上、外国人の就労に際しては、前述のように種々の制約があります。しかし、仮にそれに違反していたとしても、見て見ぬふりする企業も決して少なくはありません。

今まではそれで何とか誤魔化せて来れたかも知れません。しかし、今後はそういう訳にはいきません。それでコロナ感染を広めてしまったら、一体誰が責任を取るのでしょうか?一旦、コロナのクラスターが発生してしまったら、もはや外国人も日本人も関係ありません。その職場の従業員全員がコロナに感染してしまうのです。そうなれば、労働者の命と健康が危険に晒される事になりますし、企業の事業継続も立ち行かなくなってしまいます。

企業が本気でコロナ感染を防ぎたいのであれば、タコ部屋状態だけでも早急に解消しなくてはならないと思います。今すぐにでも相部屋ではなく一人ずつ個室に住まわせなければなりません。その為には、企業の方で部屋を借り上げるなどして、従業員の住まいを確保しなければなりません。この住居費負担は、中小企業にとっては決して安い出費ではないかも知れません。しかし、もはや外国人抜きでは仕事が進まないのですから、必要経費として認めるべきだと思います。

そうしないと、せっかく日本に働きに来てくれた外国人も、もう日本に嫌気がさして、二度と働きに来てくれないようになります。それどころか、他の外国人にも日本の悪いうわさが広まり、下手すれば国際問題にも発展しかねません。そうなったら、もはや伝染病予防だけの問題では済まなくなります。そういう意味では、これは人権問題であり、国際問題でもあるのです。

そこでどうでしょうか?既に外国人が大勢住み、日本人との共住が進んでいる地域で、企業の方から行政に働きかけて、家賃補助を受けれるような仕組みを作れないか?真剣に考えてみる価値はあると思います。例えば、大阪・西成の釜ヶ崎地域も、今後ますます日雇い労働者が高齢化し、このままでは早晩、「都心の限界集落」と化してしまうのが目に見えています。勿論、行政の方でも、それを手をこまねいて見ている訳にはいきません。だから、大阪府や大阪市も、西成特区構想を策定し、「新今宮ワンダーランド」と銘打ち、新たな街づくりを志向するようになったのでしょう。

その中で、行政が家賃を補助する形にすれば、中小企業でも、外国人労働者に安い値段で一人一部屋の住居を提供できるようになるのではないでしょうか。「最低限度の健康で文化的な生活を保障する」という憲法25条の趣旨を踏まえるならば、最低でもユニットバスがあり最低限の家電製品が置ける住居でなければなりませんが、仮にそれが急には無理だとしても、少なくとも一人一部屋の個室さえ確保できれば、この地域には幸い弁当屋も銭湯もコインランドリーも一杯あります。既に外国人が多く住んでいるので、他の地域ほど外国人が孤立する事もありません。

行政にとっても、これは決して悪い話ではないと思います。得体のしれない外国人ブローカーに街を占拠され、違法民泊が広がるぐらいなら、まだ地域に根を張った地元企業の従業員に住んでもらう方が、街の活性化にもつながるはずです。企業にとっては人件費の削減になり、当の労働者にとっても、安い家賃でプライバシーの保たれた個室に住めるようになるのだから。当事者全員に恩恵が及ぶことになります。

細目については、今後詰めて行かなければなりませんが、決して実現不可能な夢物語でもないと思います。そうすれば、感染症予防だけでなく、住環境や労働条件の改善、街の活性化にもなり、ひいては企業のイメージアップ、日本のイメージアップにつながると思うのですが、いかがでしょうか?

↑私は、「西成特区構想」については、「大阪都構想の西成版」であり、ホームレスや日雇い労働者、生活保護受給者を釜ヶ崎から追い出して、星野リゾートや中国人経営の民泊に街を売り飛ばす、いわば「地上げ屋」みたいなイメージで、余り良い印象は持っていませんでした。そこまで行かなくとも、このコロナで大変な時に、何を今更、雑誌「Meets」と組んで「新今宮ワンダーランド」「新世界・西成ワンダーランド」かと、いわば「GоTоトラベルの西成版」みたいなイメージでいました。

でも、これまで釜ヶ崎の夏祭りや越冬ライブ、SHINGO★西成のライブに参加したりする中で、行政の中にも、真剣に街づくりについて考えている人がいる事を、何となく感じるようになりました。

だから、上記に挙げた事は、決して夢物語ではないと思います。もし、それで月2万円ほどの安価な家賃で、ユニットバスもエアコンもWiFiも完備した物件に住めるなら、どれだけの人が恩恵をこうむる事になるか?これこそ究極の感染対策であり、食・住環境や労働環境の改善になり、人手不足解消策にもなる、まさに「一石二鳥、三鳥の策」ではないでしょうか?

(注)所長に送ったメールの文章はここまでです。その文章の最後の方にある「行政の中にも、真剣に街づくりについて考えている人がいる事を、何となく感じるようになった」例として、大阪府立西成高校における反貧困学習の教育実践や、西成区民センター人権展における在日朝鮮人差別落書きを行政としても断固許さない姿勢を鮮明にした展示を上げておきます。その上で、これはあくまでも、所長を通して会社幹部にも読んでもらうべく、したためた提案文書なので、敢えて企業寄りの立場で書いた事も、ここで申し添えておきます。


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