「琵琶湖の外来魚回収 過去最高ペース」というローカルニュースが、先月末の産経関西に載った。
河川や湖沼の生態系を脅かすといわれる外来種のブルーギルやブラックバスを減らすキャンペーンを「ありがとうノーリリース」の標語を掲げて行うのが、琵琶湖を抱える滋賀県。
県では平成15年以来、外来種回収ボックスを湖辺各地に設置して、釣り人に協力を求めているが、そのボックス回収量が、9月末で12・5トンとなり、上半期の最高記録を更新しているというニュースである。
スポーツ・フィッシングなら「キャッチ&リリース」だが、この場合は「キャッチ&ディスポーズ」ということになる。釣りを楽しみながら環境保全に寄与できるというなら、釣り人としても協力は惜しまないということである。
外来魚を脅威と考えるのは、何も滋賀県に限ったことではないようで、昨日(12月4日)付けのクリスチャン・サイエンス・モニターの電子版には、アメリカのミシガン湖でも、アメリカ式に強引な外来魚駆除オペレーションが行われたというニュースが見える。
ミシガン湖の悪者はアジアン・カープと呼ばれる鯉だ。
五大湖周辺の水中食物連鎖を乱すと嫌われるアジアン・カープだが、繁殖力の強い鯉の管理を怠って環境問題を大きくしていると、周辺州から轟々の非難を受けているのがミシガン湖のあるイリノイ州。滋賀県とは逆の立場である。それがあって、12月2日に、300万ドルの費用をかけ、20万ポンド(約90トン)の魚を薬殺したのだという。
90トンの屍骸の山から見つかったアジアン・カープはただの1匹のみ。しかしこれだけで、鯉がミシガン湖に入り込んだということが100%確実に推測できたのだそうだ。
問題は環境面だけでなく、年商70億ドルといわれるスポーツフィッシング業界の経済問題にも発展するというわけで、米政府のタスクフォースが「五大湖の保全」への新ステップを採ることになるのは確実なのだとか。話はどんどん大きくなる。
WIKIを読んでみると、アジアン・カープと呼ばれる鯉は4種類。ルイジアナ、南ダコタ、ミネソタ、オハイオといったアメリカ中西部全域に広く生息している。鯉がアメリカに持ち込まれたのは19世紀の始め頃、食用として飼育することが盛んな中国から、当初はやはり食用魚としてもたらされたものだそうだ。
すでに200年近くアメリカの水で世代交代を繰り返してきているのだから、もはやインベーダーとはいえないような気もするのだが、川底の泥中のプランクトンを食べることで、植物の根を掘り起こすのが駄目なのだという。
アメリカ人の鯉食いは聞いたことがないから、持ち込まれた目的はすでに忘れられて久しいのだろう。スポーツフィッシングの対象ということになれば、先述の「キャッチ&リリース」だから、これも、アジアン・カープの増殖が目に余る大きな理由なのだろう。
ミシガン湖の北側のカナダでもアジアン・カープのリスクを感じているというが、浸透はミシガン湖を通ってのほかに、「市場を通って」ということもあるようだ。鯉が売り買いの対象になっているというのは、日本のように、観賞用のマーケットがあるのだろうか。
外来魚を持ち込んだのも人間、増殖を放置したのも人間、スポーツフィッシングを楽しむのも人間だし、高級鑑賞魚として高価でやりとりするのも人間だとすれば、中国を遠く離れた北米の水中生態系を脅かし、食物連鎖を乱すと非難されて駆除されようとする鯉たちに罪などはない。環境破壊の全ての原罪は人間にあるのだから。
河川や湖沼の生態系を脅かすといわれる外来種のブルーギルやブラックバスを減らすキャンペーンを「ありがとうノーリリース」の標語を掲げて行うのが、琵琶湖を抱える滋賀県。
県では平成15年以来、外来種回収ボックスを湖辺各地に設置して、釣り人に協力を求めているが、そのボックス回収量が、9月末で12・5トンとなり、上半期の最高記録を更新しているというニュースである。
スポーツ・フィッシングなら「キャッチ&リリース」だが、この場合は「キャッチ&ディスポーズ」ということになる。釣りを楽しみながら環境保全に寄与できるというなら、釣り人としても協力は惜しまないということである。
外来魚を脅威と考えるのは、何も滋賀県に限ったことではないようで、昨日(12月4日)付けのクリスチャン・サイエンス・モニターの電子版には、アメリカのミシガン湖でも、アメリカ式に強引な外来魚駆除オペレーションが行われたというニュースが見える。
ミシガン湖の悪者はアジアン・カープと呼ばれる鯉だ。
五大湖周辺の水中食物連鎖を乱すと嫌われるアジアン・カープだが、繁殖力の強い鯉の管理を怠って環境問題を大きくしていると、周辺州から轟々の非難を受けているのがミシガン湖のあるイリノイ州。滋賀県とは逆の立場である。それがあって、12月2日に、300万ドルの費用をかけ、20万ポンド(約90トン)の魚を薬殺したのだという。
90トンの屍骸の山から見つかったアジアン・カープはただの1匹のみ。しかしこれだけで、鯉がミシガン湖に入り込んだということが100%確実に推測できたのだそうだ。
問題は環境面だけでなく、年商70億ドルといわれるスポーツフィッシング業界の経済問題にも発展するというわけで、米政府のタスクフォースが「五大湖の保全」への新ステップを採ることになるのは確実なのだとか。話はどんどん大きくなる。
WIKIを読んでみると、アジアン・カープと呼ばれる鯉は4種類。ルイジアナ、南ダコタ、ミネソタ、オハイオといったアメリカ中西部全域に広く生息している。鯉がアメリカに持ち込まれたのは19世紀の始め頃、食用として飼育することが盛んな中国から、当初はやはり食用魚としてもたらされたものだそうだ。
すでに200年近くアメリカの水で世代交代を繰り返してきているのだから、もはやインベーダーとはいえないような気もするのだが、川底の泥中のプランクトンを食べることで、植物の根を掘り起こすのが駄目なのだという。
アメリカ人の鯉食いは聞いたことがないから、持ち込まれた目的はすでに忘れられて久しいのだろう。スポーツフィッシングの対象ということになれば、先述の「キャッチ&リリース」だから、これも、アジアン・カープの増殖が目に余る大きな理由なのだろう。
ミシガン湖の北側のカナダでもアジアン・カープのリスクを感じているというが、浸透はミシガン湖を通ってのほかに、「市場を通って」ということもあるようだ。鯉が売り買いの対象になっているというのは、日本のように、観賞用のマーケットがあるのだろうか。
外来魚を持ち込んだのも人間、増殖を放置したのも人間、スポーツフィッシングを楽しむのも人間だし、高級鑑賞魚として高価でやりとりするのも人間だとすれば、中国を遠く離れた北米の水中生態系を脅かし、食物連鎖を乱すと非難されて駆除されようとする鯉たちに罪などはない。環境破壊の全ての原罪は人間にあるのだから。
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