深夜のNHKで「わたしが子どもだったころ」という番組を見た。イタリア人タレントのパンツェッタ・ジローラモが主人公である。
ナポリでの少年時代の思い出をドラマ仕立にし、イタリア人の俳優たちがイタリア語で演ずるのがとても面白い。現地のロケーションだからちょっとしたナポリ観光の気分にも浸れる。
建築会社を営むカッコイイシイの親父と魚料理が苦手のおふくろ、頭の切れる兄貴とやさしい姉の5人家族が住まうのはナポリ下町の集合住宅、隣は料理自慢のペスカトーレ(漁師)夫婦にロロブリジータばりのおっぱい自慢のお姐さん。
同じ屋根の下に住むもの同士、おすそ分けはイタリアも当り前、母親の魚料理がいつも不味いのをいいことに、料理自慢の漁師夫婦の台所から、おいしい「スパゲティ・アラ・ボンゴレ」や新鮮なかさごを使った「アクア・パッツア」を頂戴することもしばしば。
晩生だったジローラモにナンパのきっかけに使えと”Che ore sono?”(今何時ですか?)を教えてくれたのも、やっと出来た初恋の相手とのデート用に小型バイクを母親に内緒で買ってくれたのも、彼が14歳の時に早世した父親だったという。あくまで格好に拘るナポリ男の典型としてジローラモは自分の父親を見ているようである。
海が目の前のナポリ、漁師と会社員が一緒の住宅に隣り合わせで住まいするというのも日本ではちょっと考えられないし、かさごなどの珍しい種類の魚を日常の食卓に乗せるというのも、南イタリア人は、ひょっとすると日本人以上の魚好きではないか。
今日は3連休の最後、日が暮れて、ロードサイドの寿司・魚料理レストランは自家用車で乗りつける家族連れで一杯になっている。どうやら、魚料理が美味く作れないジローラモのマンマに似た日本人の母親がた~くさんお見えになるようだ。
お母さん「かさご」って知ってますか?
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