5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

透析患者もたべられるラーメン

2010-03-15 22:22:05 | たべもの
家人の友人に名古屋のKSさんがいる。かかり付けの医師から腎臓病だといわれて現在治療中であるが、食事制限がつらいらしい。

彼女自身が内科医の奥さん(ご主人は最近亡くなった)で、長い間ぜいたくな美食に慣れて来た身。旨いものが食べられないわけだから愚痴もいいたくなろうというもの。すべてが薄味のナトリウム・カリウム制限食では食べた気にならないという。

循環器が強くない自分としても、加齢とともに腎機能の低下を感じる。だから食事の際には意識して塩分をとり過ぎないようにしているのだが、外食の場合はそうもいかない。

味のアクセントをつけるために、どこでも塩味はきつめなのだ。行列のできる有名店でなくても、たまの外食で食べるHOTでスパイシーなラーメンの美味いこと。タレはもちろん、麺やゆで汁まで塩の利かせ方が旨さのポイントなのだろう。

腎臓や心臓、高血圧を病んだラーメン好きへの朗報だとして、朝日の地方発信コラム「マイタウン岡山」がこんなローカルニュースを載せている。リードは「透析ラーメン、患者店主が考案」という。

記事によると、岡山県新見市(地図でみると岡山県の北西部、島根県の県境近くだ)のラーメン店主が腎臓病の透析患者にも食べられるラーメンを考案、これが製薬会社の料理コンテストに入賞したというのである。

レシピ考案者の店主自身が腎不全でもう長い間の透析患者。汁まで飲める美味いラーメンの開発は病気のつらさ、食べられないさびしさを身にしみて承知している店主の意地だろう。

練りこみに必要な食塩水を使わずに麺のコシをつくる方法として長時間の練りこみを考え、ダシには減塩しょうゆ、付け合せの野菜は茹でてカリウムを減らすなど、塩分コントロールの工夫はさまざまなところにされているようだ。

「味は薄いが麺が美味い」という試食者の評判もあると記事には書かれている。全国の透析療法患者に透析予備軍や医者から塩分制限をいわれているメタボ群までふめれば、膨大な数のひとたちの隠れたニーズに対応できるメニューになるのかもしれない。

プレクックフードの会社を経営している知人のNKさんに話したら「食の安心と安全」を社是にしている彼女はどんな反応をみせるだろうか。提携先には製麺業者もいたはずだ。

塩分含有が少なくて噛み応えのある麺ができれば新しい市場が開拓できそうだ。「透析ラーメン」では病院的イメージが過ぎるから、なにかユニークな名前をつけて売り出せば健康志向の飲食業界の注目を集めるかもしれない。高齢化する日本。いつしか日本人の病人食の様子も変わってきているのだ。

因みに透析患者向けのレシピコンテストを主催したのはバイエル社。この「透析ラーメン」などのレシピは以下のURLで公開されている。

http://chojurin.jp/






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