5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

スタバの和製英語

2009-10-31 22:56:24 | ことば
朝食用のコーンフレークスを買いに入った土曜日のスーパーは子供づれの家族連で一杯。ロビーはオレンジや赤茶のカボチャ・ディスプレイがあって、「今日はハロウイン」と表示されている。

ハロウィンと聞くと、1992年に起こった日本人留学生射殺事件のことを思い出して余りいい気持にはなれないのだが、スーパーの利用客は今日も無邪気に、販促イベントを楽しんでいるようだ。

魔女の帽子を被ったサービス係が店の前で呼び込みをしているのは、スターバックス・コーヒー。彼女の横にあるポスターに気持が引っかかった。

「マイカップを持っていこう」と日本語のキャッチがあり、太字の英語で《Bring My Cup》と書かれている。11月3日までに、スタバの携帯マグを買ったら割引があるという、エコ消費キャンペーンだ。キャンペーンに文句があるわけではない。引っかかったのは日本語と英語の表記のズレにである。

まず、日本語の「マイカップを持っていこう」が間違いやすい表現だ。マイカップでのテイクアウトを奨めているともとれるが、やはり、使い捨てプラカップ消費を抑えるために《マイカップを持ってスタバへ来よう》という意味なのだろう。

こんな日本語に引きずられた結果、英語もちょっとオカシイことになっている。

誘いの呼びかけとしての《Bring My Cup》なら、呼びかけられているのはスタバ利用客の貴方すなわちYou。だとすれば、《Bring Your Cup》でないといけないはずだ。それとも、この《マイカップ》は《自分のもの》というニュアンスを付けて使っているのだからこれでよいというのだろうか。いや、その場合でも英語だったら、《Bring Your Own Cup》程の表現になるのが妥当だろう。《Bring Mycup》というのも不自然だ。

アメリカ資本のスターバックス・コーヒーで見つけた「和製英語」。偶然だが、モニターしているビジネスメールでも、この《Bring My Cup》が話題になっていて可笑しかった。皆がそれだけスタバを使っているということだし、英語の使い方が気になる連中も増えてきているということだ。

「外資系と云われるスタバやKFCが気にしているのはどうやら売上アップのことばかりで、正しい英語使いには無関心らしい」と始まるアメリカ人男性のメールには、アメリカには《Bring Your Tumbler》というプログラム名で、日本と同様のエコキャンペーンを実施したとある。さらに、「スターバックスで販売しているのはタンブラーでカップではないのだし、どうしてアメリカと同じキャンペーン名にしないのかよく判らない」と続く。

ご丁寧にも彼は、日本人のブログコメントもどこかからか探してきている。

『Bring My Cup??
 街中に英語は氾濫していますが、面白い英語っていっぱいあります。
 英語なんだけど日本語。そういうのはJapanese Englishと言われるわけです 
 が・・・

 スターバックスはアメリカの会社ですが、日本では日本の企業がライセンス
 契約をしているそうです。だからなのか、ここでも日本語英語を発見!
 "Bring My Cup" ・・・出た!

 英語の文章を作るときには、主語が誰なのかを意識する必要があります。
 どうしても"my cup"という表現を使いたい場合には、
 Bring "My Cup"とすればOKです。』

A-OKではなかろうが、英語になると(日本語でもそうだが)どうしても一言いいたくなるのは、どうやら自分だけではないようだ。



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