森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

森林環境税と都市住民

2006-03-05 00:41:45 | 政策・行政関係

この4月から全国各地で「森林環境税」がスタートする。

その点については、すでに幾度か触れているが、先日、朝日放送の「ムーブ」という夕方の番組で取り上げていた。主に奈良県を例に、森林の状況や新たに課税することの意味を紹介していたのだが、それに対するスタジオの反応が面白い。

民有林に税金つぎ込んで、他人の財産を増やしてやるの?
課税すべきは、県民ではなく森林所有者だ。森林を持っていれば、ちゃんと管理する義務が生じる」

なるほど、面白い。いかにも都市住民の発想である。そして事実関係は正しいと思う。実は私も、同種の感想を述べたことがある。

でも、なあ。いまさら何言ってんの、とも思う。森林環境税がなくても、すでに民有林にはジャブジャブ税金つぎ込んでいるではないか。その事実も知らずに、今回の新税だけに文句を付けてもしらける。

ただ重要なのは、都市住民は想像以上に冷やかという点だ。
ギブアンドテイクの意識が強いのだろう。森林所有者が、何のペナルティもなしに税金をつぎ込むことに反感を持つ。

やはり所有権と利用権の分離が必要ではないか。自分で管理できない森林は、公的機関が税金で管理する。その代わり所有者の権限を弱め、納税者が口も出せる形をとらないと、都市住民と対等に論じられないのではないか。