電力会社がスポンサーのテレビ番組に出ることになった。
なかなか密な調査を行うし、自由度も高いそうだ。
その打ち合わせで雑談になると、ディレクターのいうことには、「ただ料理は扱いにくいんですよ。ガスコンロが映ったらNGだから」。
もし美味しい店を登場させようとしたら、たいてい調理シーンが映し出されるはずだ。しかし、その時にコンロのガス火が映ったら、即放映できなくなるらしい。
?? だが、ようするに電力会社としては、ガス会社がライバルであって、そのガスの火を登場させることはまかりならんらしい。またチェックしているんだな。
「なら、炭火はどうか。木炭を取り上げた番組はできないか。ん」と問うと、やはり難しいらしい。火そのものが電力の敵らしい(笑)。あくまで電気ヒーター、IHヒーターでなくてはならんのだ。
ところで、5月の環境関係のイベントに登場してくれないか、という打診も企画会社からあった。そのスポンサーも電力会社。
そこで、と質問された。
「原子力発電に関しては、どんなご意見をお持ちですか」
有体に言うと、原子力に否定的なゲストは登場させられないのだという。
私の立場は、「消極的反対と消極的賛成の間」である。
原子力発電そのものを礼賛する気はない。しかし、水力発電や火力発電にも環境負荷もあれば、コスト問題もある。自然エネルギーだって、本気でエネルギー需要を賄うには問題外だろう。一方で現代社会は電力抜きでは考えられない。その意味で、原発の電力を使うことも享受している。だから、賛成も反対も消極的なのだ。
……こんな説明をしておいた。
で、案の定? 昨日、お断りの連絡があった(笑)。
電力会社って、わかりやすい。