先日の宮崎には、伊丹空港から飛び立ち、宮崎空港に午前中に降り立つ予定であった。
予定の決まった1カ月前から予約を入れる。
午前10時5分発の全日空便である。私は、ちょっと早めに空港へ着いた。自動チェックイン機を使ったのは出発の50分前くらいだろうか。
が,チェックインはできたのに座席がとれないのである。意味がわからず、グランドホステスに聞く。
すると座席の調整中です、という。それも意味がわからないが、よくよく聞いていると、ようするにオーバーブッキングして、座席が足りないのだ。つまり、キャンセルを見越して多めに予約を取ったものの、夏のシーズンでキャンセル客が少なかったのだろう。
「午後の便もありますが……」とぬかすが、「誰に言ってるんだ。ありえねえ」と即刻返す。こちらは仕事であり、向こうで待っている人もいるのだ。だいたい定刻(通常は30分前にチェックイン)より早く来ている私を外そうとするとは何事か。
それでも待っていると、なんのことはない、私だけではなかった。ほかにも座席がとれない客が集まっているのだ。その場では4人だったが、ほかにもいる様子だ。
男一人の客がいた。彼は父の容体が悪くなったから駆けつけるのだそうだ。だいたい一人客は、仕事ややむを得ない事情を抱える者が多いはずだ。
キャンセル見込みが外れたとしても、これほどの人数が出るなんて言語道断だ。(多分、諦めた人もいれたら7,8人はいたと思う。)
「これは、問題にするぞ」
「どんな経営をしてるんだ」
構内放送で、宮崎便を振り替えたら一万円払うと言っている。。たった一万円かよ。10万20万円なら迷惑料にもなるが、ふざけんじゃねえ。
なんとかします、といいながら、もはや時刻はゲートを締め切ったと放送が入る。
「東京経由便もあるのですが」
「あほ。それで午前中に着くかい」
「臨時便飛ばせろ。ここにいる人だけ乗せろ」
「キャビンアテンダント下ろして、席を作れ」
「操縦士も下ろせ」
「じゃあオレが操縦するわ」
この場に及んで笑いを取りたがる関西人の悪い癖(^^;)。
母子らしき二人が「鹿児島便に振り替えてください」と申し出た。おそらく観光のようなので、鹿児島空港から宮崎の観光地へ回るのだろう。
とうとう、出発時刻になった。
「これは責任取ってもらうからな」
そうすごんだところ、「席の調整がつきました。皆様に乗ってもらえます」
なんだよ、それは。グランドホステスに案内されて、検査場も特別にスルーして乗り込む。
おそらく、最後まで空けていたVIP席でもあったんじゃないのか。事実、私の席は最前列だった。最初から使えよ。定刻を15分ほど遅れて機は飛び立った。
しかし、マニュアル通りの対応をするグランドホステスには失望だ。「はいお客様のいう通りです」と繰り返しつつ時間稼ぎをして諦めるのを待っている。
以前、札幌で悪天候時の事態に対応したグランドホステスを褒めたが、今回はまったく幻滅だ。
しかも、帰りの便でも、振り替えを求める放送をしていた。日常茶飯になっているようだ。
教訓。この手のオーバーブッキングでは、絶対譲っちゃダメ。
徹底的に正当な要求をすること。多少、声は荒らげてもよい( ̄^ ̄)。
そうして始めて、航空会社は痛い目に合い、オーバーブッキングをしなくなるのだ。