森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

よいお年を!

2005-12-31 16:27:57 | 時事ネタ

29日の書き込みで、今年は打ち止めのつもりだったが、最後に一言。

富山で買った木製のマグカップが心地よい。槐(エンジュ)の木で作られたもので、特別な品ではなく量産品である。しかし軽くて、保温性が抜群。熱いものを入れても冷めないし、外側は持っても熱くない。木目の風合いも気に入っている。

 マグカップは、陶器製もあればガラス製もある。金属製も、樹脂製だって増えている。それぞれ特徴があるが、木製の良さはこれまで気がつかなかった。
木とは、そんなものではないかと思う。ほかの素材で十分代用できるが、木製ならではの良さで引きつけられるもの。その点を追求して行けば、木が廃れることはない。

ただし、その「良さ」は時々刻々、あるいは使う人によって変わる。だから常に改革していかないと忘れられがちになるのだろう。

 さて、私はせっせとホームページの改革に取り組まなくては。


来年は、吉野再生プロジェクト始動?

2005-12-29 23:44:01 | 仕事関係

生駒駅前で某氏と某々氏で密談。

話は飛びつつ、吉野を中心とする林業地帯の活性化するための組織とプロジェクトを立ち上げることになった。まだ詰めていないが、基本は個人と中小事業主の活性化から地域に元気を取り戻し、林業を再生するという壮大な作戦である(^o^)。まさに『田舎で起業!』の現実化。
なんだか話しているうちに盛り上がり、すぐにでも動けそうな気になった。

そこで各自の課題を考えてやるべきことを指摘し合っているうちに、私に言われたのが、HPやブログの出来が悪いということ

露出していない、売る気がないように見える…とさんざん。『田舎で起業!』で他人にビジネス論をふっかけながら、自分を売っていないのだそうだ。そもそもこのブログは、『だれが日本の「森」を殺すのか』の販売促進が目的だというのに、記事に本のサイトをリンクもさせていないではないか。講演に行っても、その内容の説明もない。講演後に食べた蕎麦が美味かったと書いているようではいかん。もっと自分を出さないと駄目だ……。

だって、やり方わからないんだもん。

よし、この正月の課題は、HPの大改造だ。ブログも模様替えするかもしれん。

とりあえず、この記事に森コロ紹介ページをリンクさせておくね。


今年最後の仕事?

2005-12-28 23:55:22 | 仕事関係

書籍の原稿に続いて、前からペンディングしていた原稿を一本完成。
すぐメールで送る。いつもなら少し時間を空けて読み返すのだけど、世間は仕事納めが近づいているから、少し焦る。

私も、書く仕事はこれが今年最後になりそうだ。
あとは雑用をしつつ、ブログやホームページに書こう(^o^)。

ちなみに目立った大掃除をする予定はないけれど、風呂場の簀の子を新しいものに入れ換えた。もちろんヒノキ製。加工はベトナムかどうかは定かではないけれど。
やっぱりきれいで、木の香もして気持ちいい

古い簀の子は、庭に出す。これを敷きつめると、夏も雑草が生えにくくなる。多少なら裸足でも庭に出られるし。


次の作品

2005-12-27 23:25:46 | 仕事関係

2005年もいよいよ押し迫った。

執筆していた書籍の原稿を、とりあえず書き上げた。出版社に送る。…もっともファイルが開けないと言われて、フロッピーで送り直すことになったけど。まだ第一稿だから、今後推敲を重ねるが、春には刊行されるはずだ。

テーマは、すでに少し触れたが、田舎暮らし系。森林や木材ではない。ただ森林を追って林業の世界に足を踏み入れ、林業の深みにはまって山村について考え出し、山村から田舎社会に興味を広げ、そこへ進出・侵入する移住者の横顔に引っかかった。
わりと私の中ではつながっているのである。

これで仕事を打ち止め…にしたいけど、もう3本ほど原稿が残っている。でも、締め切りはないから、年末年始にまたがってそろそろ手を付けるつもり。

このブログも、森コロ発行記念に初めて、期間限定で打ち切るつもりだったのに、なんだかよく続くねえ。

 


「緑の雇用」予算が復活

2005-12-26 23:59:15 | 政策・行政関係

来年度予算から一度は消え去った「緑の雇用担い手対策事業」の予算が大臣折衝で復活したそうだ。67億円である。

これで多少は延命したが、いつまでも続かないのは想像できる。
むしろこの数年間の猶予のうちに、すでに雇用した人に仕事を自前で作る算段をしておかなくてはならなかったはず。だが、何もせずに補助金を食っていただけで終わらせたところが多いのではないか。

事実、各地の森林組合で首切りが始まっているそうだ。正雇用を臨時雇用に落としたりもする。しかし、本気で仕事を作る努力はしたのかなあ、と思う。じっと仕事が来るのを待っていたのではないか。そして補助金の枠内でしか仕事をしなかったのではないか。
いっそのこと、緑の雇用の都会の人を、営業に出したらどうだろう。得意な人材もいるのではないか。森林所有者に見積もりを出して、整備を勧める。地球環境問題から国産材を使う愛国心、そして地域の文化を守る栄誉まで営業トークを駆使して、山仕事を発注してもらう。意外と安くできるのですよ。こんなに荒れた山が、たった○○円で、ほらこんなに美しくなる! とビフォーアフターの写真を示す。案外、仕事がどんどん取れそうな気がしてきた(笑)。

田舎暮らしを求めて山村にやって来て、林業職に就く人は、山仕事をせずに、町に営業に出されたら反発するかな。


クリスマス・プレゼントは『森・危機』

2005-12-25 00:41:26 | 仕事関係

クリスマス・イブの夕方に宅配便。おお、クリスマス・プレゼントか?

届いたのは……『日本の森はなぜ危機なのか』(平凡社新書)でした(@_@)。
30冊です。送り主は平凡社。

実は『森・危機』も手持ちの底が付いたので注文したのだが、在庫を調べてもらうと、わずか30冊しかなかった。そこで全部引き取ることにしたのである。もちろん代金は支払わなくてはいけないので、全然プレゼントじゃないよ。

ともあれ、版元に『森・危機』は1冊もないわけだ。多少は本屋の棚に残っているかもしれないが、数はしれているだろう。
読者諸君、みんなで本屋経由なり、直接平凡社なりに『森・危機』を注文しよう。在庫切れなのに注文がどんどん入れば、増刷させる圧力になる(^o^)。

実は、現在執筆中の本は、平凡社新書から出す田舎暮らし系の内容。『田舎で起業!』と対にするものだ。こちらが順調に行けば来春には刊行できるから、それに合わせて『森・危機』と『田舎で起業!』と書棚には3冊揃えてほしいところ。

もちろん『森・危機』は森コロと対になっているから、その意味でも増刷を願っているのである。


しつこく、ホームセンター

2005-12-24 14:13:36 | 木製品・建築

クリスマス・イブだというのに、しつこくホームセンター話。

これまでと別のホームセンターを訪ねると、簀の子が安売り中。
「杉製」と「桧製」がある。価格は同じだが、杉製は1枚板が多く幅広い。ようするに杉製の方が安いのだろう。

が、そこでラベルを見ると、杉製には中国製と書いてあった。桧製は、国内のよう(製造地まで書いていない)。しかし、中国に杉はないから、また輸出しているのか、と思ったが、どうも木肌がしっくり来ない。

これって、本当に杉? 似ているような違うような……。香りもしなかった。

どうも日本特産の杉材ではなさそうだ。中国杉、広葉杉(コウヨウザン)なのかもしれない。これって、詐称にならないのかなあ。それに木がないと言っている中国の木製品を輸入するのもあんまり感心しない。
それに、簀の子のような小物まで海外で作らせてペイするのだろうか。

ちなみに私は桧製の簀の子を買いました。


テレビ局と打ち合わせ

2005-12-23 21:40:53 | 出版後の反響

大阪にて、某テレビ局と構成作家と打ち合わせ。

といっても、この局は在阪ではなく、某地方局の東京支社。わざわざ東京から来てくださったのだが、雪で遅れる。ホント、いろいろ影響ある大雪だ。

さて、打ち合わせと言っても、向こうもどんな番組にできるかリサーチ中という感じである。基本的には、森コロの国産材の中国輸出をメーンに描きつつ、日本の森林と林業の現場で何が起きているかを、どう描くか、情報を出しながら検討する。

単なる告発モノにするより、問題山積みでも、未来に向けてわずかな胎動が始まったことが伝わればうれしいのだが。

うまく進行すれば、来年上半期に某地方で放映されるだろう。それに連動して、森コロも売れ始める……かどうかは定かではない(笑)。


クリスマスツリー

2005-12-22 15:05:56 | 時事ネタ

全国的に雪である。生駒も朝から雪景色だが、はたして3日持ってホワイトクリスマスになるかどうか。

さて、今年もクリスマスツリーを作った。といってもチェンソーアートで作られたツリーだ。以前のチェソーアート大会のオークションで競ったもの。上を持ち上げると、樹冠がはずれて中に小屋が現れる。

そこに人形を並べたり飾りつけをしたら出来上がり。簡単だが、雪景色には似合うようだ。ついでに隣に、イヌチェンソーアート作品を並べた。こちらは年賀状でも使う。なかなか実用的ではないか。

この2作品の作者はどちらも同じ。昨日の「緑の雇用」の状況を教えてくれた某君である。 


緑の雇用事業の収支

2005-12-21 14:33:59 | 政策・行政関係

来年との「緑の雇用担い手対策事業」の予算はゼロ査定だった。今後、復活折衝で再びつくかどうかわからないが、ともあれ緑の雇用も曲がり角に来たということか。

実は、先日の富山行では和歌山県の龍神森林組合の某君と一緒だった。彼は、緑の雇用の人々の講師役も勤めていた。
和歌山といえば緑の雇用の発祥の地であり、桁違いの人数を受け入れている地でもある。そこで現状を聞いてみたのだが、この2年間で400人以上を受け入れた。これだけの人数が町から山村へ移動したわけだ。もっとも現在残っているのは200人ほど。

では、この事業が打ち切りになり、国の補助金が出なくなったらどうなるのか
まず林業の技術を身につけて、今後も林業職につくであろう人は約2割。40人ほど。
加えて、林業かどうかわからないけど、結構地元に溶け込んで暮らしていきそうなのは1割強。20~30人というところ。
自分で仕事を作ってでも山村暮らしを続けそうなのは10人もいない。

合計70人弱。つまり四百数十人のうち、これだけの人数が残りそうと予想した。
おそらく全国的に見ても、残るのは雇用したうちの2~3割程度だろう。

これは結構多い数字ではなかろうか。これまで年に数人しか新規就業がなかった山村に、これだけ新たな人材が入ったのだから。

ただ、いくら残る意志はあっても、食っていけなければ山を下りるしかない。
自分で食っていく才覚のありそうな10人足らずをのぞいた人々に、森林組合や行政が仕事を与えることができるかどうかがポイントだ。

 


メイドイン ベトナムの土佐桧

2005-12-20 17:08:17 | 木製品・建築

ホームセンターで見かけたmade in VietNamと書かれた「土佐桧」の木箱。

気になったので、また見に行った。そしてラベルをよく読んで、一応正体がわかった。

ラベルの一番下には次のように書かれている。
この製品は100%国産の桧材を使用しています。
この製品はベトナムで製作されたものです。」

つまり、国産材をベトナムに輸出して加工したものだったのだ。
では、輸出は製材か丸太か、どんなルートを使っているのか、またいろいろな疑問が湧いてくる。これは調査しないといけませんねえ。

というわけで、池川木材工業に電話してみました。

すると、かれこれ8年前にベトナムで下駄を作るためにヒノキを輸出したのが最初だとのこと。そして現地の工場に生産を委託して、逆輸入し始めた。ほかにもスギ材で寿司桶なども作ったが、結果的に3年ほど前から現在の木箱や立ち台などを生産してもらっているそうだ。

木材は、製材した荒材の状態でコンテナ輸出だという。ベトナムは十分な木がないうえ、乾燥などの設備もないから日本から輸出した方がよいのだそうだ。ちなみに人件費は日本の20分の1。流通コストをかけても十分ペイするわけだ。

う~ん、これまで私が追っていた原木輸出とは全然違うルートで木材輸出が始まっていたんですねえ。勉強になりました。


瑞泉寺の欅柱

2005-12-19 23:32:19 | 森林資源

富山で訪れたのが、南砺市の井波にある瑞泉寺
後小松天皇勅願所とやらいうのだが、山門や本堂、太子堂などにすごい彫刻が施されていることで知られている。が、それだけでなく目を引いたのが、建物に使われている木材だ。そのほとんどがケヤキなのだ。直径60センチを越す柱だけでも80数本。そのほか梁にも軒にも随所にケヤキの大材が使われている。

これだけなら、豪華なお寺だねえ、と思ってすむのだが、気になったのはこの寺は何度も火事で焼け落ち建て直しているという点だ。現在の建物は、明治18年に再建されたもの。

これが不思議なのである。明治というのは、実は日本史上でも極めて木材が枯渇していた時代だからだ。この時代に、ケヤキに限らず巨大建築物を建てる木材はどうして調達したのだろう。
富山には、隠された森林資源があったか、と考えてしまう。

もっとも、同時期に京都の東西本願寺の大伽藍を初め、多くの巨大建築物が建てられているのも事実だ。本当にどこから木材を調達したのだろう。

当時の森林資源がどれくらいあったか詳しいデータを私は持たないが、たとえば昭和20年代の日本は、これまた森林を伐りすぎた時代で、当時の蓄積は幹比材積がヘクタール当たり8立米だったという記録がある。これは森林というよりサバンナ並である。

つまり、日本の山は禿山と草原ばかりだったということだ。この瑞泉寺を再建したことが、明治の日本から森林を奪ったかもしれない…。

せっかくの名刹を見ながら、こんなこと考えている私は不純かしらん。


ホームセンターの木箱

2005-12-17 00:52:30 | 木製品・建築

ホームセンター内を歩き回っていると、ヒノキで作られた木箱が積み上げられているのに気づいた。みかん箱より一回り小さく、ふたはない。使い方は自由に考えてください、と書いてあった。
たとえばおもちゃ箱でも本や雑誌を詰めてもいいのだろう。プラスチックの同様の箱と比べて、ちょっとおしゃれな感じになっていいかもしれない。

悪くない商品だ。ヒノキの商品がホームセンターに並んでいることに好感した。
そこでラベルを見た。「土佐桧」と書かれてある。池川木材工業…だったかな。

が、驚いたのは、その後。一番下に小さく書かれていたのは、「made in  VietNam」である。ベトナム製なのだ!

これはどういうこと? 考えられるのは、

●土佐の桧、つまり高知県のヒノキをベトナムに輸出して、向こうで箱に加工し逆輸入した。

●ベトナムに「土佐桧」という木が生えていて、それを加工して輸入した。

●完全なベトナム製で、「土佐桧」というのは、商標。

●高知県内にVietNamという地名があって、そこで製造した。

さて、どれでしょう。ちなみに、見た目は多少白っぽいけど、たしかにヒノキのような木質である。誰か回答を知っていませんか。

 


国有林野事業特別会計

2005-12-16 00:19:53 | 政策・行政関係

自民党は、「特別会計整理合理化計画」の一環で、国有林野事業特別会計を5年後に一般会計との統合と独立行政法人化を検討することを決めたらしい。

最近話題にならないけど、この国有林関係の特別会計、3兆8000億円を超える赤字を抱えていた。数年前にそのうち2兆8000億円を税金で面倒見ることになった。残り1兆円も、たしか50年くらいかけて返すはずだけど、返せるかどうかわからない……という状態だったと記憶している。今回の計画も、借入金の処理等を考えつつ決めなくてはならない。

もともと国有林の特別会計は、森林で稼いだ金は(政府に取られないよう)森林に返すことを趣旨として作られたはずである。事実、戦後の木材景気の頃は、非常によく儲かっていて、膨大な黒字をため込んでいた。そのため林野庁は湯水のごとく使ったのだが……、時は移り変わり、どんどん赤字を垂れ流すようになってしまった。

もっとも記録を見ると、結構いい加減である。黒字のときは一般会計に貸し出しているし、赤字になると何かと一般会計へつけをまわしている。たとえば保安林の造林や管理費とかマツクイムシ防除、国立公園内の森林管理などだ。これでどこが独立採算だ、と言いたくなる。

今回も「検討する」とあやふやな言い回し。それに一般会計にしたから赤字が減るとも思えない。むしろ拡大する恐れだってなしとは言えない。
どうせなら、公務員が直接金のやりとりする林業から手を引けばよいのに。