森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

名刺

2006-09-30 21:51:13 | 時事ネタ

福島県の佐藤栄佐久知事が辞任表明した。

それで思い出すのが、昨秋知事と交換した名刺だ。なんと裏が漆塗。会津塗の産地ということもあってのアピールだろう。県花のネモトシャクナゲが描かれている。次の知事がどんな名刺を作るのかわからないが、多少は希少価値が出るだろうか。

 

と、そんなお馬鹿なことを考えたのは、私も新しい名刺を現在作っている最中だから。最近はパソコンで自分で作るのも流行っているようだが、私はちゃんとデザイナーに頼んでいる。今日ようやく最終デザインが決まった。

なんと2色刷になる。森の木々の図案が薄く入ることになったのだ。ちょっと凝り過ぎかなあ。もっとも、大きな変更点は、デザインだけではない。

肩書を入れたのである。
今まで、小さくwriterと入っているだけで、それに気がつかない、読めない人には、私が何者かわからない仕組みだった(^^;)。
それも不親切かな、と最近思い出して、森林ジャーナリストと入れることにした。専門分野を固定する肩書は好まなかったのだが、そんなこだわりも馬鹿らしく感じだした。わかりやすいのが一番かも。(年かなあ……)

名刺で会津塗の宣伝していた知事よりは奥ゆかしい?が、その心意気を見習うことにしておこう。

 


マルシェのプラスチック箸

2006-09-29 10:09:09 | 木製品・建築

昨年から、全店の割り箸をプラスチック箸に換えたことで話題を呼んでいる居酒屋チェーンのマルシェ。酔虎伝や八剣伝などを展開している会社だ。

 

この箸はどんなものか、以前から体験してみようと思っていたが、昨日ついに挑戦した。夕方時、大阪に滞在していたからだ。本当は誰か誘って行きたかったのだが、そんな余裕はなく、一人で向かう。ただ酔虎伝は、大型居酒屋なのでパスして、その上階にある居心伝にした。こちらも同じチェーンでカウンターがあるから一人でも入りやすい。

ちょっと時間が早かったから、客は私一人。でも、元気よく迎えられてメニューをいくつか注文。ただし目的は箸にあるとはスタッフも思わないだろう。

箸は、席に赤と黒の2種類置かれていた。黒を取る。24センチくらいか。なめらかなエナメル質の出来で、持った感じは悪くない。スピードメニューにたこわさびを注文したが、ぬるぬるしたタコも、さほど苦労せずつかめた。箸の先が滑り止め加工されているようだ。

その他のメニューも、使い心地に遜色はない。ただ、少し硬い感じがする。これは塗り箸全体に言えることだが、素材が硬くてしならないのだ。私は、自宅でも割り箸を使っていて、スギ箸の柔らかさ軽さに馴染んでいるからだろう。こうした箸を使いすぎると、手首の負担が大きくて腱鞘炎になる……わけないか。

 

感想としては、箸として不都合があるわけではないことを確認できた。
ただ、感じよい、とはお世辞にも言えぬ。塗り箸のように塗が禿げることはないだろうが、安っぽさはぬぐいがたい。ようは、感覚的な問題だ。そして、この箸を、使用後洗って消毒して乾燥して……というスタッフの労力と環境負荷を考える。

私と対面した女性スタッフはなかなか感じがよくて、また行こうかな、思わせる(笑)ほどだったが、さて、働く身としてはいかがなものか。

そういえば、箸のことに関しては店内の掲示やメニューにもほとんど書いていない。わずかに小さく「環境のことを考えて割り箸を使っていない」と触れられているだけ。また追随する飲食チェーンも現れていないようだ。インターネットサイトでも確認したところ、1億人のマイ箸運動と書かれてはいるが、大きく展開している様子はない。

 

ちなみに、フジテレビ系のドラマ「結婚できない男」で一人焼肉シーンが私は好きだったのだが、居酒屋に一人で入るのもちょっと勇気がいるよ(^o^)。


外材の駆逐手段

2006-09-27 12:16:09 | 政策・行政関係

「明るい」シリーズ? の第三弾を思いついた。本当に思いつき(^^ゞ

 

外材を駆逐する方法である。簡単だったのだ。

トレーサビリティなんぞを持ち出すと、国産材も案外いい加減だから進まない。もしかしたら国産材が駆逐されるかもしれない(-.-)。


そこで提案するのが、樹種を明確に表示させることである。

日本の木材は、スギ、ヒノキ、マツ、カラマツくらいか。見る人が見たら、簡単に区別できる。ヒバやサワラなどは量的に少ないから混入の可能性は小さい。

ところが外材の名称はいい加減だ。米材なんて、一体何種類の木が混じっていることか。ベイツガ、ベイマツなんて木はないのだ。さらにSPF材とかヘム・ファー、ヘム・タム、Dファー・エルなんて名称があるが、これらは何種類もの木を混ぜたもの。(たとえばSPFはスプルース、パイン、ファー、つまりトウヒ類、マツ類、モミ類。)ホワイトウッドだって、ラワンだって一種類の木ではない。
欧米人は、樹種に対しての愛着が弱いようだ。最初から各種混ざっていることを気にしていない。

しかし樹種が違えば木材の質も違う。仮に実際の使用に問題のないレベルであっても、日本人の感性からして、樹種を間違って表示されているのは気持ち悪いと感じるはずだ。そこで不当表示になると主張して、全建材に明確な樹種表示を求める。国産材はすぐに対応できるが、外材は大混乱になるだろう。いや、明確な表示なんぞ不可能に近い。

 

かくして、外材は一気に駆逐できる…。

どうだろうか? 樹種表示を求める運動を起こさないか?


割り箸の将来は明るい!

2006-09-26 10:54:30 | 木製品・建築

先に日本の林業に希望を振りまいた? ので、今度は割り箸。

昨日、また割り箸を追いかけて下市を訪れた。すると目からウロコであった。

いやあ、割り箸の将来は明るいのではないか。日本の食卓から割り箸が姿を消すことはない。それも日本の木で割り箸をどんどん供給できるのだ。もちろん環境にも優しく林業に貢献できる!

 

これまで割り箸に関する取材をするたびに暗くなることが多かった。過去の話は面白いし、現状の問題点も見えてくる。が、将来が見えない。
ところが、なんだ、やる気になればできるやん! 

ここで詳しく紹介するわけにはいかないが、あっけにとられるほど簡単に問題点をクリアしている人がいたのだ。大量生産も可能だし、極めて簡単。しかも杉の端材はもちろん、細い間伐材でだってOK。コストの問題はあるが、業界の取り組み方いかんだろう。

一方で中国の森林事情を調べていると、今でこそ木材不足に悩んでいる中国だが、将来的には(少なくても)割り箸の材料には困らないことに気づいた。なんだ、そうだったのか! こちらも目からウロコ。今は森林破壊的でも、潜在的にはクリアしそうである。

 

本当の問題は、業界にやる気があるかどうか、だけどね。

 

 

 


朝日に「吉野まるごとプロジェクト」の記事

2006-09-25 00:23:45 | 時事ネタ

9月20日の朝日新聞の記事だが、奈良版なので世間一般の人は読めないだろうから紹介する。

http://mytown.asahi.com/nara/news.php?k_id=30000000609200001

 

ようするに、以前ここで紹介した「吉野まるごとプロジェクト」を報じたものだ。
実は記者は、先月のセミナーで私が提案した森林ビジネス塾構想に興味を持って問い合わせて来たのだが、その中で現在展開しているものとして「まるプロ」に触れると、やにわに興味を示しての取材となった。

ちなみに取材をラッキーガーデンで受けたのだが、 おかげで新メニュー「ひつじプレート」を食べられたよ(^o^)。

 

ところで、森林ビジネス塾の提案は各地でしているが、ついに某県で動きがあった。もしかしたら来年には実現するかもしれない。どうか、予算、ついてくださいよ。
もし成功すれば、奈良でもやらないかな。「まるプロ」でやるというアイデアも出ているけど。

 

また福島では、日本テレビ系列の鉄腕、ダッシュ!内のDASH村コーナーで、木の伐採から始めて、丸太を搬出し、最後はチェンソーアートをする企画を番組に提案できないかという話で盛り上がる(ダッシュ村は福島県にある)。トキオのメンバーがチェンソーアートに挑戦してくれたら、一気に知名度が上がって普及の起爆剤になると期待しているのだけどなぁ。
http://www.ntv.co.jp/dash/


「木炭禁輸」その後

2006-09-24 13:24:06 | 森林資源

2年前、中国の木炭禁輸が話題になった。とくに備長炭の8割は、中国製に頼っていたため、すわ、焼き鳥の炭火焼きがなくなる! と騒いだのである。

では現状はどうか。

依然、輸入炭の4割近くは中国から来ている。量的には、禁輸前の7割ほどに下がったそうだが、決して中国は輸出を完全ストップしたわけではないのである。
しかもミャンマー産備長炭が、禁輸後勢いを増しており、以前の30倍にも膨らんだ。おそらくミャンマー産の多くは、中国製ではあるまいか。

ほか、日本が木炭を輸入している国は、台湾、韓国、ラオス、ベトナム、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、インド、アメリカ、ブラジル…。
本当にシンガポールで炭を焼いているとは思えない。

 

中国と言えば、一応共産国家であり、国家統制のされた国というイメージがある。たしかに政治的にはそうと言えるのだが、実は民間の経済ベースでは目茶苦茶である。国家が決めた価格からダンピングする業者があふれている。また役人も、融通無下に対応する。全面禁輸の看板なんぞ、どこ吹く風なのだろう。

 

おそらく割り箸も同じではないか。2008年に輸出禁止するするどころが、昨年末の値上げ額の維持さえもあやしくなっている。


日本林業は変わる!

2006-09-23 11:33:47 | 林業・林産業

福島から帰って来ました。

 

いろいろ書きたいことがあるのだけど、とりあえず一つ。訪れた福島県南部塙町にある協和木材の工場で感じたこと。

 

日本林業は変わる!

 

ここでは、前日に私が講演で話した日本林業の問題点と国産材の問題点を全部クリアしていた。建物敷地だけでも一haという広さの工場では、スギとマツの製材が整然と行われていた。この8月に稼動を始めたばかりというが、フル稼働すれば月産一万立方mは行くという。木材は完全乾燥されており、注文があると、即配達! 東京はもちろん、山梨県までなら翌日に届けるという。つまり木材の宅配便だ。

今年3月に宮崎県を訪れて見て回った工場も大きくて、その生産性に驚かされたが、それはまだ集成材だった。しかしこちらは国産材専門の製材工場で、集成材ではない。それでも売れて売れて、注文を受けられないくらいという。もう国産材ではないみたい…(^^ゞ。

 

国産材は売れない、価格も品質も供給力もないから! とぶっていた私の講演はなんだったのか、と思ってしまった。

 

日本林業は変わる、九州と東北から。そう感じたのであった。


日本最古の里山

2006-09-19 21:13:26 | 時事ネタ

生駒山系歴史文化研究会(仮)が今度開くフォーラムの打ち合わせ。
事務局から3人が来たので、ラッキーガーデンに連れて行く。今日はひつじエリアだけの営業だったのだが、満員で席がない。そこで閉まっている本店の庭の席を使わせていただいた。

 

さて、フォーラムでは私も話題提供する一人。そこでテーマを求められたのだが、思いついたのは「日本最古の里山」である。
生駒山こそ、日本で始めて成立した里山だ! と打ち上げる案である。

里山とは、人の関与が重要な自然だが、それが持続するにはそれなりの組織的な人間社会が必要だ。つまり古代国家が成立してからでないと、本当の里山は登場しない。

この仮説を援用すれば、日本で古代国家が花開いたのは、大阪の河内王朝と、斑鳩を始めとする飛鳥時代の奈良。そして両地域に挟まれたのが生駒山である。
だから生駒山こそ、里山が成立した最初の地なのである……!

 

この「田中史観」によって、生駒山を盛り上げようというわけだ(笑)。

そういえば、『里山再生』を書店に注文したら、絶版だと言われたとのこと。こりゃ大変。私の手元にもほとんど残っていない。お探しの方はお早めに。

 


住宅展示場のチェンソーアートショー

2006-09-18 12:08:04 | 木製品・建築

昨日は、奈良の住宅展示場で城所さんがチェンソーアートショーをやっているというので見学に行ってきた。実は吉野チェンソーアート倶楽部の講習会もやっていたのだけど、パスしてしまいました(^^ゞ。

 

主催者に聞くと、家と言えば木、木をつかったイベントを! という発想で企画したとのことであった。
以前NHKで紹介された龍神の城所さんの旅番組で目をつけていたという。実はこの番組には、私も少し映っていたのだけど

 

せっかくだから私も展示場を回る。10数軒のモデルハウスがある。見た目はたしかに木の家が多い。が、よく観察すると、たいてい軽量鉄骨製。ほか合板集成材(ようするに外材)製のものばかりだ。それでも外装・内装にうまく木が使われているから、下手な日本家屋より木が目立つ。しかもお洒落。

 

おそらく施主も、構造材が木か鉄かなんて興味はなく(むしろ耐震性から鉄を喜ぶかもしれない)、見た目に木が目立つことが重要なんだろう。
この建築の流行を忘れたら、日本の林産業は危ないのではないか。内装はもちろん、外装用の木製品を作るべし。

 

城所さんは、ショーで3体、展示場のキャラクターなどを作った。しかしチラシに描かれた小さなクマとイヌのキャラ(それも、極めて簡単に描かれたたもの)をその場で立体化してしまうのだから恐れ入りました。


棚田にヘアリーベッチを

2006-09-17 23:45:56 | 政策・行政関係

今年3月20日欄に、「里山蜜源化計画」を打ち上げた。

 

放棄が進み荒れている棚田に、ヘアリーベッチという豆科植物を植えて、雑草を防ぐとともに花で景観を良くし、さらに養蜂の蜜源にしようという大構想だ(^o^)。

その後、忘れていたわけではない。しっかり根回ししていたのだ。
本日種子を養蜂家から受け取り、いこま棚田クラブに手渡してきた。このクラブは、生駒の西畑という棚田地帯に入って棚田の再生に取り組んでいる市民団体。地元と信頼関係を築いており、すでに農地だけで3haほど管理を任せられている。ここで試してもらうことにしたのだ。

予定地は、草がおい繁っているため、草刈りをしてから播くことになったので、本日は播種を経験できなかったが、とりあえず里山蜜源化計画のスタート! だ。秋に根茎を延ばして冬を越し、春に花をつけて一斉に伸び、地面を被覆してほかの草を寄せつけない。そして初夏には完全に枯れる。その後は耕して作付けしてもよいし、放置してもさほど雑草は繁ってブッシュになることはないという寸法だ。

 

花は赤紫や白。花が咲けば、ミツバチが蜜を集めるはず。今後は養蜂との連携も視野に入れている。

 

私は、林業と吉野ばかりに入れ込んでいるわけではなく、里山、そして生駒も忘れていないことの証明だよん。

 

※ちょうど稲刈り日和で、美しい棚田の風景が広がっていたが、デジカメが故障中のため紹介できないのが、残念!


間伐材マーク

2006-09-16 12:25:07 | 森林資源

間伐材マークが増えてきた。

ご存じだろうが、「この木製品は、間伐材で作っています」と証明するマークでありシールだ。全国森林組合連合会が定めたものである。
この場合、たいていの消費者は、間伐材なんだから森林破壊ではない、間伐材だから細くて育ちの悪い木を抜き伐りしたもの……というイメージで捉えていると思う。またそれを狙って作られたマークだろう。

 

そんなことを考えるのは、最近力を入れている割り箸取材で、吉野の割り箸には間伐材マークが入っているからである。割り箸は間伐材から作っているのか?

 

たしかに間違いではないなあ。間伐材を製材した残りの端材だから。でも、肝心の間伐材は、直径30㎝くらいあるのではないだろうか。樹齢は……80年ものも少なくないよなあ。なかには樹齢200年の間伐材(笑)だってあるぞ。

だって、吉野の伐採は、基本的に今では抜き切りであり、ほとんど間伐だからだ。その方が補助金が出るなどの意味もあるそうだが、歴史的な伐採方法でもある。

 

ようするに、間伐材マークを付けるのは、「これは環境のためになっている木材を使っているんですよ」という証なのだ。
しかし、吉野林業を知らない人が割り箸産地を訪ねて、「これが間伐材?」と目を丸くされても困る。だまされた! と騒がないことを願う。

いっそ、端材マークを作り出したらどうだろうか。

 


田舎暮らし記事

2006-09-15 11:33:44 | 田舎・田舎暮らし

ちょっと出遅れましたが、現在発売中の、雑誌「ON!」(ビジネス社)に、

「誤算・誤解だらけの田舎暮らし」という記事書きました。

 

全体に『田舎で暮らす!』の論調を移したような感じの記事です。

この雑誌、「仕事は男の本懐!」と名打っていますが、特集が「趣味を仕事にして人生大儲け!」なんて記事が入っているとおり、ビジネス雑誌というよりは人生雑誌でしょうか。だから田舎暮らしの記事も載る。ほかに政治家になる方法も書いてある。「本を書く」という記事もある。これも私に書かせてくれ(笑)。

 

ともあれ、田舎暮らしという選択肢が、(男の?)生き方の一つとして取り上げられているんだな、と妙な感慨を持った。本来は住む場所、あるいは仕事場所の一つにすぎない地域を表す田舎という言葉が、人生になってしまった。

田舎の過大評価は禁物だが、それほど田舎への期待と潜在力があるということか。


コウヤマキ

2006-09-14 20:58:25 | 木製品・建築

少し出遅れて、秋篠宮に誕生した悠仁新王のお印になったコウヤマキについて。

 

テレビなどマスコミでさんざん紹介されて知名度が上がったようだが、不思議と?触れられていないのは、用途だ。風呂桶に向いた材だと解説されているが、肝心のもう一つの用途は、ほとんど言わない。

 

それは、棺桶だ。

 

耐水性が高いことは、風呂桶だけでなく、棺桶用にもなり、古代の王族の棺桶は、たいていコウヤマキだったのである。天皇家ももちろんだが、古代朝鮮の百済(扶余)の王族の棺桶もコウヤマキだった。
ところがコウヤマキは日本特産で大陸には分布しない。

 

ということは、日本から輸出された可能性が高い。日本の輸出木材第1号かも。

もちろん現在は、棺桶にするほど材がない。