森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

チェンソーアートの研修は海で

2008-01-29 23:32:13 | 政策・行政関係
チェンソーアートの研修旅行に行ってきたことは、表ブログに書いた通りだが、訪れたのは、徳島県の牟岐町。海の美しいところである。
この沖の無人島周辺には、ものすごいサンゴ群落があるそうだ。紀伊半島の白浜や串本よりすごいという。そこに山村活性化の突破口を学ぼうという…わかんねえだろうなあ(笑)。

共同保育所

2007-09-25 00:14:57 | 政策・行政関係

昨夜、NHK教育で「共同保育所ゴタゴタ荘」という番組を見た。

 

東京下町に無認可で作られた保育所が舞台。そこでは、運営を経営者や保育者、そして保護者全員で相談して行う。保育に問題が発生しても、物品が足りなくても、みんなで知恵を出し合う。保護者が、他人の子を面倒見たり叱ったりもする。立ち退きを迫られれば、新たな場所を卒荘した保護者がボランティアで探す。大変だが、認可保育園よりこちらを選ぶ人々がいる。

 

地味なドキュメンタリーである。裏番組の「HERO」でも見ていればよかった。それなのに思わず見入ったのは、私も数年前まで同じような経験をしていたからだろう。学童保育所の保護者として運営にかかわっていたのだ。

生駒の学童保育は公設民営で、運営は市と指導員(保育者)と保護者の3者で行っていた。そのため保護者は、加重な役割を背負わせられる。私のように役員になると、各保育所の運営だけでなく、市内全学童の運営協議のために市と交渉に臨んだり、指導員採用の面接まで行った。何の手当てもなく、ボランティアで走り回る。連日真夜中まで会議が続いたこともある。市と指導員と、他の保護者の板挟みにもなる。

でも、番組じゃないが、公営ではなくてよいと思っていた。完全公設公営になれば、保護者の意見など「参考」にしか扱われないし、規制だらけだ。市がダメと言えば、何もできない。民営だからこそ、時に市の方針に反旗を振りかざし、膝詰め談判を展開した。その中で知恵を絞って新たなことを行えたし、結束も高まった。

 

最近は、生駒の市長が代わって学童保育に対する対応が随分変わった。要望してきたことが、あっさり市主導で行われる。すると、逆に保護者の参加意識が低下していくそうだ。

 

お上を頼るようになった途端、当事者の問題解決能力も弱くなる。山村や林業の現場で見てきたことと同じ事態が、ここでも起きていくのだろう。

もともと田舎は、自治の力があった。行政に頼まず自ら地域を律してきた。それを補助金などのバラマキで風化させたのは、戦後の一時期にすぎない。だから山村は、今がチャンスだ。これまでオンブにダッコしてくれた国は、もう頼れない。これを嘆くのではなく、以前にもどる気構えを持ってほしい。


今後5年間は…

2007-04-28 11:23:55 | 政策・行政関係

最近、森林組合関係でよく出る話題は、

今後、5年間は食える。仕事に困らない」である。

なぜなら、政府の「美しい森林づくり」構想で、5年間で330万ヘクタールの森林整備(ようするに間伐促進ですな)をすることが決まったからだ。言い換えると、5年間は仕事が作られるということだ。もう一回言い換えると、森林整備に補助金をつぎ込むということ。

森林組合がホッとしているのもわかる。が、これでよいのか?

せっかく危機感から進み始めた意識変化や改革への動きが、この政策で見事にしぼんだのが感じられる。森林組合の幹部はたいてい高齢だから、5年間は長い。当面、あくせくしないで済むとなれば、気が緩むだろう。しかし、5年後にもっとも影響を受けるその下の世代は…。

国も、国際公約の二酸化炭素削減になりふり構わないのだろうが、そのために改革の芽を摘むことになるのは残念だ。
仮に森林吸収分を達成しても3,8%だからなあ。ほかの分野も加えても、いったい何%の削減が実現するやら。6%削減というのは、1990年に比してだから、現状からは実質14%以上の削減を実行しないと公約破りになるわけで、ほとんど絶望的だ。

ところで、丹波の森林ビジネス塾の受講生の中には、これまで手にしたこともないビジネス書を読み始めた森林組合員もいるそうだ。早くも意識が変わり始めている。
期待しよう


森林施業プランナー

2007-04-13 01:00:11 | 政策・行政関係

日経新聞4月9日によると、林野庁は森林施業プランナーの養成を始めるそうだ。

ようするに、森林組合の職員を対象に、効率的な森林経営を進めるうえで、放置された小規模森林を集約して低コストで間伐を行なえるようプランニングをする人材の育成ということだ。
初年度240人で、今後5年間で1000人程度だという。

結構なことだ。これこそ森林組合本来の仕事である。いや、公務員そのものの本来の仕事というべきかもしれない。お金をばらまいて政策遂行するのではなく、関係者に対面して理路整然と説得して目的を達する、コーディネーター&プランナーこそが役割だと思うから。

ただネタをばらすと、研修を京都府の日吉町森林組合で行なうそうで、ようするに同森林組合が始めた森林プランづくりを覚えさせるということだろう。ちゃんと数字(経費、収益など)を入れて計画書を作れば、森林所有者も放置しないで経営に意欲的になるかもしれない。

もっとも、案外見落としがちだが、日吉町森林組合が成功したのは、特殊条件もある。もともとダム関係で財政が潤沢であったことや、所有者が林業への理解度、トップの意識改革をその前に進めていたことなどだ。どこの森林組合でも通じることではない。そうした応用力も身につけていただければいいのだが。


産学官連携

2007-03-29 00:52:16 | 政策・行政関係

先日の「タケを食べる」を書いてから、あれ、まてよ、大阪でもタケの研究をやっていたよな、と思い出した。

で、調べてみると、2年前に「近畿竹資源有効活用コンソーシアム」が結成されていた。竹を資源として活用することをめざす産学官連携組織だ。20以上の企業や大学が、竹の加工品の研究開発などに取り組んでいる。

その中核企業タケックスラボは、タケの青い表面より抗菌成分を抽出に成功した。ほかにも繊維を利用したや消臭商品など、幅広く開発している。基本は、タケをまるごと使うこと。一部の成分だけを取り出して有効性を訴えても、価格が馬鹿高くなる。しかし、様々に使うことで総合的な利益が上げられるから、価格が下がる。

これって、林業でも言えるではないか。1本の木から太い幹だけ丸太にして搬出して、それを製材するだけでは儲からない。端材や切り捨てる枝葉も商品化して、全体で利益を上げる構造を作ってほしい。
タケでは、すでに始まっているのだ。同じことをスギとかヒノキでやらないとなあ。

各地の研究所では、結構面白いものがあることを私もかいま見ているが、その成果はあまり世間には知られず、それを利用して商品化したり、販売する会社も現れない。コーディネートする人がいないのか。

これまた先に記した「新型木のトレー」だが、従来型の欠点を克服した新型トレーを開発したのは、技術者ではなく、技術コーディネーターだった。すでにある技術を結びつけて、新しい木のトレーの製造方法を開発したのだ。ただ民間人のため、信用がなくて運転資金を調達するのに苦しんでいた。

産学連携というが、そこに官がコーディネート役を務めて信用付与すれば事業化できるものがたくさんあると思うがなあ。


新利用システム

2007-03-17 01:35:17 | 政策・行政関係

林野庁は、一昨年の「新流通システム事業」、昨年の「新生産システム事業」が立ち上げたことは、ご存じのとおり。

「新流通」は、B材を合板や集成材に回すもので、「新生産」は、A材を基本的に無垢の建築材として生産するものだ。

どうやら来年度は、「新利用システム事業」が立ち上がるらしい。この対象は、C材らしい。主にチップにして製紙材料やボード類に回す事業である。端材・廃材なども含むのかもしれない。

これでABC揃い踏みということか。あまりに芸のない命名はげっそりする(もう少し具体的にならんだろうか)が、ともあれ国産材すべてを商品化する体制が完成することになる。これらの計画を単純化すれば、大規模工場を稼働させることで、原木の供給と生産とも安定化と低コスト化を進める事業だと理解している。

まだ「新利用」の中身はまったくわからないのだが、曲がりの多いBC材は刻んで板やベニヤ、チップにしないと利用しにくい。となると、大規模なプラントが必要だし、装置産業となる。それは量で勝負という側面が強まる。だから大規模化は賛成だ。(逆に言えば、A材対策の「新生産」は???な面がある。)

ただC材のために伐採搬出するのはコスト面で無理がある。AB材と抱き合わせなのかもしれない。それにチップとなると、広葉樹材も使われる。育成林業だけが対象ではなくなるかもしれない。

これまで曲がりなりにも林業・林産業の世界だったが、ここに製紙産業が参入してくると、どうなるだろうか。


美しい森林づくり推進国民運動

2007-03-01 00:24:06 | 政策・行政関係

美しい森林づくり推進国民運動」というのをご存じだろうか。

松岡農相が安倍総理に進言した「森林が『美しい国・日本』の礎」となるよう国民と政府一体となって進める運動、らしい。開かれた第1回会合の出席者の顔ぶれを見ると、塩崎官房長官、松岡農水大臣のほか、総務大臣や文部科学大臣、厚生労働大臣、経産大臣、国土交通大臣、環境大臣、地域活性化担当大臣(こんなのあったんだ!)まで、なんとも幅広い。まあ、興味持っている大臣は少ないだろうけど。

取組内容は、不在地主や企業、NPO、森林組合などへの呼びかけ…ようするに官民一体の会議(委員会)を作ったり、シンポジウム開いたり、組織をでっち上げたり、と旧態依然としたものが並ぶが、

目標とするのは、2012年までの6年間に毎年55万ha、計330万haの間伐を行うこと! そして、その約8割を「美しい森林」に整備するのだと。

なんとも、壮大な計画だ。きっと林野庁は沸き立っているだろう。いっぱい仕事を増やして、また補助金をジャブジャブつぎ込むのか? 

突っ込み処はいっぱいあるが、一つ林業現場からの心配をさせていただくと、間伐した木はどうするのか? 林地に放置して腐らせるのか。それが「美しい森林」か? もっとも醜い森の景観となるだろう。
では、そこそこ太ければ出荷するのか。税金で伐った木だけに、採算を考えないだろう。そんな大量の間伐材を市場へ流入させれば、木材価格を目茶苦茶にしかねない。せっかく持ち直して来ているのに。結果的に地道な林業家の努力を破綻させるのではないか。

松岡大臣、林野庁出身ということで、多少は期待しているのだが、スタンドプレーでないことを願う。


行政の役割

2007-02-18 00:15:36 | 政策・行政関係

自治体の財政難や合併問題で、職員の資質や役割が語られることが増えてきた。

行政は、ある政策の実施のための手段として、まず法律(条例)の施行があり、次に金だった。法律で縛るのは限度があるため、一般には補助金や罰金をちらつかせて政策を誘導する。そのための許認可も含めて、仕事みたいなところがあった。とくに森林政策を見ていると、そんな手段が目立つ。

しかし、規制緩和に財政難が続くと、そうした政策誘導手段を失いつつある。

それでは、どうして政策を実現するのか。
私は、企画立案とコーディネート能力だと思う。悩める業界にすっぽり入っている人では浮かびにくい俯瞰した視点を持ってアイデアや方策を提案すること。異業種を結びつけたり、全体を見渡して舵取りしたり、建前は中立ゆえ、裁定するなどのコーディネート。これこそ、今後の行政職員の重要な資質になるのではないか。

それに加えて、交渉能力や説明能力、反対意見を抑える能力……も必要だ。そして合意形成を行う、いわばファシリテーターだ。森林には利害保持者(ステークホルダー)が多い。ここに活躍する舞台があるように思う。

指導者つまりインストラクターであるべき政治家も、現実にはファシリテーターとしての役割が多いように思う。利害対立を納めつつ、よりよい方向を示さねばならない。しがらみをぶった切る、なんて威勢のよいこといっている政治家は、単なるアホか危険ではなかろうか。


米百俵の精神

2007-02-15 01:26:44 | 政策・行政関係

私は、このところ古いフレーズをよく口にする。

「米百俵の精神」を持て! である。

そう、小泉前首相が就任直後に口走って、結構ブームとなり有名となった。だから5年以上前になる。たしか長岡藩だったか、財政が苦しくて飢え死にする人も出る中、ようやく譲ってもらった米百俵を食べたらその日でオシマイになる、だから金に換えて教育に投資した、という話だ。その日の食事を削って教育に力を注ぐ精神を示す。

今考えてみたら、飢えに苦しんでいる人を前に酷いこと言う家老だと思わぬでもないが、日本の国は古くから教育に熱心だったことは間違いない。漫画「ドラゴン桜」にも、明治政府が苦しい財政を割いて、東京帝国大学を設立する話が載っていた。

日本の林業界に今必要なのは、この「米百俵の精神」ではないか、と言っているのだ。今や経営意欲のある山主は少なく、経営ノウハウを持たない林業関係者ばかりになった。しかし目先の食い扶持が欲しくて補助金求めているだけでは、何も生み出さない。間伐促進事業は、失業対策事業ではないのだ。まともな経営をする林業家を育てないと、日本の林業、ひいては森林に未来はない。そのために必要なのは、教育だろう……。臥薪嘗胆、今を耐えて未来の人材を育てよう、ということで、「米百俵の精神」なのである。

さて、以前から叫んでいた森林ビジネス塾が具体化し始めた。昨日は、その打ち合わせがあった。

内容的には、いわゆる起業塾だ。ただし、受講生に林業関係者を想定しているところがミソ。起業ネタを教えるのではない。起業精神を教えるのだ。そして森林関係のネタで起業することで、地域を活性化して、それが林業、ひいては森林の正常な管理につながることを狙っている。

私は、そのコーディネーターといった役割だが、講師陣の選定をしなくてはならない。これが結構悩む。面白い人はたくさんいるのだけど、それらの人に何を語らせ、何を教えさせるのか、そして全体を通したカリキュラムも考えないといけないことになる。

思えば若いころ、もぐりの教師をしたことがあり、底辺校の生徒たち相手に苦闘したことがある……おっと、この経歴は、秘密であった(笑)。

 

 


折込チラシに耕運機

2007-02-02 13:41:44 | 政策・行政関係

今日の新聞に入っていた折込チラシを見ていると、なんと耕運機があった。

もちろん一般紙である。そして配布地域は、一応住宅都市を標榜している生駒市だ。一般市民に耕運機を売り込むとは! と驚きかけたが、よく見ると、小型ばかり。手押しの素人でも扱える原付である。馬力も2~4馬力程度。

なるほど、最近は家庭菜園を拡大したような市民農園が増えている。棚田などに農地を借りている市民も増えてきた。彼らを狙った広告なのだ。わずかな面積でも、全部クワだけで耕すのは大変だし、人力では難しい硬いところもある。それに趣味の農業だけに、コストパフォーマンスを考えずに購入する人も少なくないのだろう。

同じことを林業ではできないか。いや、チェンソーを折り込みチラシで売るようになったら怖いな。電気チェンソーだって、無理か。

 

私は、基本的には市民農園レベルの趣味の農業を冷やかに見ている。プロ化しない趣味の農業では、農村部は救われないと思うからだ。

が、最近は少し考え方を変え始めた。彼らは、なるほど生産量は少ないが、数はいるだけに集団化すれば形になる。ただでさえ農地が荒れ、農業者が減っているのだから、戦力化の手だては考えられないだろうかと考え出した。

一つの方策は、市民農園で生産した野菜などを出荷させることだ。直売所だけでなく、ちゃんと集荷して一般市場にも出す仕組みを作る。塵も積もれば、ではないが、ちゃんと取引レベルまでの質量を揃えるのだ。趣味の農業生産物ゆえの買手も現れるだろう。

同じことを林業界でも考えている。今や専業林家は少ないが、日曜林家、あるいはボランティア的な市民林家は増えている。彼らに作業をさせるだけでなく、出荷もさせる。主に間伐材だろうが、ほかにもアイデア次第で山菜や林床植物・昆虫、樹皮などいろいろありえるだろう。
それを集荷して、ちゃんと売りさばくシステムを作れば、案外軌道に乗るのではないか。買い取り価格は、安くてもよい。それで生計立てるわけではないし、買い取られるだけで生き甲斐になる。趣味なのだから。それなら商品化もやりやすい。

すでに農家でも、家庭菜園は増えている。それを集荷する業者もいるそうだ。
林家も、一晩の飲み代稼ぎに1日間伐材5本ほどの出荷を受け付ける窓口を作り、それで量を確保するなり販売ルートを整備できないだろうか。


補助金の申請ボランティア

2007-01-21 01:01:51 | 政策・行政関係

今日(20日)は、吉野に行っていた。おかげで1行も原稿は書いていないぞ。さあ、どうする?

てなことを書きたいのではなく、今日は吉野でチェンソーアートスクールの常設練習場づくりを行う。なんと、すでに事務所の建物が設置され、近くの工事現場からの土砂を運び入れている。今後、雨天用の屋根(30人分)や、電気の引き込みと電話の設置(そこは携帯の圏外のため)も進める予定だし、トイレも据えつける予定だ。そのうちモノレールも本気で引くかもしれない。

おそるべきスピードと行動力で進んでいるのだが、問題は金だ(^^;)。やっぱり100万円くらいかかるのではなかろうか。労力はただ働きするとしても、素材費だけでそれくらいかかる。スクールがいくら黒字でも、将来の投資に吸い取られる。

ここで普通なら「補助金を採れないか」という発想になりがちなのだが、我がグループにそんな言葉はないらしい。いかに出資するか、出資者を集めるか、という話になっている。

そういえば、昨日のシンポでも、補助金を受け取らない林業関係の会社の話を少ししたのだが、補助金はやっぱりめんどくさい。条件つけて縛られる。そして堕落する。できれば行政から、お願いだから黙って使ってくれ、とお金を包んで持ってきてほしい。だったら使ってやる(~_~)\(-_-メ;)。

林業関係の事業は、補助金があるならやってみるか的なところが多い。それを打ち破りたい気持ちもある。補助金をもらわないと成り立たない事業では、本当の地域づくりにならない。


ただ最近は、補助金を取ることで、公的な要素の持つ事業であることを認めさせる効用もあるかもしれない、と思いだした。どうも一般人にとってチェンソーアートは、ホビー産業の面で見られがちだからだ。下手すると、外材使ったカービングとか、都会の一室で行うチェンソーアートも広がりそうな気配を感じるのだ。国産材の需要拡大と、山村への都会人呼び込みの意図が薄れかねない。ここでクビキを打ち込むために、補助金の利用を考えてみるべきか……。

でも、面倒な会計や申請書類のことを考えると、くだらない、やっぱり止めた! と投げ出しそうな気がする。
誰か申請の代行をしてくれる、官庁の書類づくりに強いボランティア希望者、いませんか。今後、この手のボランティアも求められるような気がする。


森林認証の商品

2007-01-17 23:32:11 | 政策・行政関係

「緑の循環」認証会議(SGEC)は、昨年末で32件、対象面積は33万6921haになった。3年間だから、かなりの速度で認証件数を増やしている。

対して森林管理協議会(FSC)は、6年間で24件対象面積27万6534ha

それだけ認証基準の差が如実に出たと言えるが、その点は目をつむると、結構な勢いで増えている。

日本国内に約61万haの森林が認証されたことになる。これは人工林面積の約6%(厳密には認証森林の中には天然林部分もあるから、ずれるだろうが)。全森林では約2,4%だ。
ちなみに世界の森林のうち何らかの森林認証を受けているのは、約7%と推定されている。意外な国としては、中国やベトナムも熱心だ。

問題は、肝心の認証品があまり売れていないことだろう。価格も高くならないから、認証コストが負担になる。

そこでどんな製品があるか調べてみた。まず「家」がある。ほか

FSC認証「家具」
FSC認証「木炭」
FSC認証「着火材」
FSC認証「肉の味付け用の刷毛」
FSC認証「木製焼き串」
FSC認証「割り箸」
FSC認証「まな板」
FSC認証「バーベキューセット」
FSC認証「グリル」
FSC認証「色鉛筆」
FSC認証「封筒」
FSC認証「綿棒」
FSC認証「ペーパータオル」
FSC認証「トイレットペーパー」
FSC認証「シイタケ」

これで肉があれば、バーベキューパーティできるぞ。

ちなみにSGEC認証のものは、木材以外、わからない。


大手スーパーと商店

2007-01-11 02:13:09 | 政策・行政関係

近くにイオン系列のスーパーマーケットがある。よく通うのだが、レジに並ぶ際、できる限りある女性の列につく。別に若くて美人のチェッカーではない。はっきりいっておばちゃんなのだが、不思議な愛嬌があるというか、可愛らしい。もちろんベテランでレジを通すのも早いし、対応もうまい。

すでに顔なじみになっていて、勘定の際に短い会話を交わすこともある。
実は今日も、「久しぶりですね」と言ってくれた

……私は、何もご贔屓のレジ・チェッカーの紹介をしたいのではない。大手スーパーでも、こうした「心の交流」(キャッ)があるということだ。よく、小さな個人商店は「大手スーパーにはない心のこもったサービス」を売り物にすることがあるが、実は個人商店の方が対応がマズイことも少なくない。小さいから淘汰されるのではなく、商売が下手だから消えていく。

で、新生産システムである。今や林業再生のカギとなっているが、これは大手企業のためにあるような政策だ。このままでは中小製材業者は切り捨てられるだろう
その問題点は感じるのだが、巨大資本の横暴とか、大手優遇だからいけないという声も出てきた。しかし、それはどうかと思う。

大手でもきめ細かいサービスはできる、というか、大手でないとできない気もする。
それに大改革は、それなりの資本とスケールがないと全体を動かせない。それをになえるのは大手だけである。

これまでの政策は、中小企業向けばかりだったのに、全然改革は進まなかった。あげくに地盤沈下したのだ。ここは死屍累々でも、大手に引っ張ってもらうしかあるまい。中小も、その隙間で活路を見いだしてほしい。本当のサバイバルはこれから始まる。


国産材輸出のベクトル

2007-01-06 13:00:26 | 政策・行政関係

日本の木材を海外へ輸出する動きについては、『だれが日本の「森」を殺すのか』の主題としても扱った。主に中国への輸出を取り上げたが、最近はどうなっているのだろうか。

正直言って、あまり目立たない。しかし、市場開拓や研究は行われているようだ。最近林野庁の出した報告書によると、国産材の輸出の主なパターンは、

・スギ等丸太→ 中国の製材工場→ マンションの内装、下地材等
・スギ等丸太→ 中国の製材工場→ 造作材として日本へ輸出
・スギ等丸太→ 中国の製材工場→ 第3国へ輸出
・スギ等丸太→ 日本の製材工場→ 住宅部材を輸出し、住宅を建設

といった種類があるようだ。ほか外材を日本で加工してアメリカに輸出するケースもあるが、これはパス。

そして今後の方針は、丸太ではなく、付加価値の高い製品輸出を勧めている。輸出コストがかかることや、中国で加工して日本で再輸出されるケースが気に食わないようだ。
しかし、なぜ日本に逆輸入されるのがいけないのだろうか。国産材の需要を増やすのが目的なら、問題ないはずだ。それとも国内の加工業者の保護が目的か。

ただ、製品輸出は一つの方向だろう。どうも丸太だとスギとかヒノキの価値が伝わらないような気がする。そうすると、米材、欧州材、ニュージーランド材などと価格で対抗しにくい。

もう一つ。国産材輸出のパターンとして、建築材以外の動向が抜けている。本プログでも紹介した、ベトナムで加工して日本に帰ってくる木工品や、吉野杉の背板を中国に輸出して割り箸にするような動きに目が向いていない。
まさか知らないのではないだろうが……。量にすると多くないが、結構重要だと思う。


天然林は環境省に?

2006-12-13 01:57:13 | 政策・行政関係

日本の天然林を救う全国連絡会議」が、発足した。

目的は、国有林内の天然林で伐採事業が続いていることを追求することのようだ。メンバーは、以前からさかんに天然林の違法伐採を取り上げて国会議員などにも請願していた。

たしかに、林野庁もしくは作業を請け負った素材生産業者が、かなり無茶な伐採をしていることはよく聞く話だ。範囲を越えて伐採しても、「地図を見間違えた」と言えばオシマイだからね。そういえば鈴木宗夫が失脚させられた疑惑も、違法伐採した会社に関するものだった。

それは結構なことで、どんどん追求すればよいのだが、そこでこの会が掲げる政策は、天然林の管理を環境省に移管することだそうだ。請願書を国会、内閣に提出する気らしい。

環境省に移管したら、天然林が守れるというのは、あまりに浅はかだろう。だいたい環境省に森林の専門知識を持つ職員の数がどれほどいるのか。環境省の管轄にしても、違法伐採の取締などできるわけがない。逆に荒れるだけだ。

 

とはいえ、私も昔は、林野庁は、国有林を手放したら?と主張したことがある。とくに木材生産を行う人工林は、研究用は別として都道府県当たりに分譲すべきではないかと考えた。そして各種の保護林は環境庁(当時)に任せる。残すのは、研究・実験調査用の森林だけにする。

その方が、借金に追われて苦しまず、林野庁も肩の荷を下ろして楽になるのではないか。そして政策提言と民有林や公有林の管理監督官庁になればよい……という主張だ。
お役人が、ビジネスとしての森林経営をするのは得意ではないし、民業圧迫にもなる。また、完全に手つかずで残すだけの森林なら環境庁で十分だからである。

ま、今も同じ意見ではないが、不得意なものは手放すのが得策だと思う。環境省も、広大な天然林の管理なんて嫌がるのではないか。