森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

MSC水産物認証制度

2006-11-29 12:09:43 | 政策・行政関係

ちょっと森林・林業からは脱線するが……。

新聞のベタ記事によると、イオングループが、MSC認証を受けた水産物を取り扱い始めるようだ。

MSCは、海洋管理協議会。環境に優しく持続的な水産業を認証する機関である。まあ、このプログ読者なら、FSC森林認証制度の漁業版と行った方かわかりいいか。もともとFSCを真似て設立した経緯がある。

すでに欧米ではかなりの広がりを持つが、日本ではまだ認証された漁獲団体は一つもない。ただ、京都府機船底曳網連合会(舞鶴)が、ズワイガニやカレイ類で審査を受けている。築地の店には、先に扱う商店もあった。

実は、私は今年の春先にしっかりMSCを取材している。マグロ資源の枯渇と漁獲制限の動きも、すでに知っていた(^-^)。ちょっと、自慢モード。絶対、今後注目されると思い、このことを企画提案しても、動かなかった編集部は遅れているなあ。

 

森林認証制度と似ているが、審査は、森林よりはるかに難しいだろう。それでも挑戦したことには敬意を評する。ただ、MSCを環境団体と捉えない方がよい。はっきり言って、持続的漁業を行うための方策だろう。

結局、なんでも第三者機関の審査を受けないと証明されない時代になったのだ。FSCより遅れて動きだしたのに、マスコミの注目度は、林業より高い。扱うものが、食料だからだろうか。また漁業関係者の方が意識が高そうだ。林業界も、のんびりしていたら追い抜かれるだろう。


地域づくりは必要か

2006-11-28 18:11:11 | 田舎・田舎暮らし

村おこし、街づくり、そして地域づくりが叫ばれる。とくに田舎にとっては至上課題だ。なにしろ、過疎、高齢化、経済不振が3点セットのようにのしかかり、このままでは、地域自体が消えてしまいかねないからだ。

そして限界集落、限界自治体という言葉も生まれたように、すでに地域づくり自体が不可能になって、消滅を待つ地域も少なくない。(限界集落は2000を越えている。)

 

しかし、本当に村おこしに成功しているところがあるか? 地域づくりが成功した地域はあるのか? 実は、私自身が各地の成功例などを紹介しているのだが、その欺瞞性?を、最近感じだした。

なぜなら、一見観光客で賑わっているようでも、公共投資抜きでは維持できないところがほとんどだ。地域づくりに成功したように見えて、実は人口減が止まらないとか、結局赤字だとか。村民は元気になった、と言われても、平均年齢が60越えているのでは将来はない。部分的な成功例はあっても、全体から俯瞰すると、どこも身動きが取れないようになっている。

どうあがいても、田舎は中央に隷属する構造は変わらないのではないか。
そう感じてしまう。そして、地域づくりに走り回って、疲れ果てた人々の顔が浮かぶ。

 

いっそ、開き直って、地域づくりなんかせずに、今ある状況を楽しんで消えていくのを待つのという選択肢も出てきそうだ。Iターンなんか受け入れない、公共事業も行わない。たとえば「スローコミュニティ」とか名付けて、限界集落を楽しむ。

でもね、田舎が本当に消えて困るのは、都会人なんだけどね。

(今回は、ちょっとシニカルに思索してみました


ミードとどんぐり蜂蜜

2006-11-27 23:20:11 | 森林資源

京都の蜂蜜専門店、ミール・ミィに行ってきた。以前、里山と養蜂について書いた際に紹介を受けた店である。

目的は、ミード。蜂蜜から作った酒だ。世界最古の酒であり、ハネムーンの語源ともなった醸造酒。おそらく日本唯一の専門店なのだが、ここで幾つもの種類を試飲した。(写真)

蜂蜜のイメージとは違って、甘くなく薫り高い味である。ドライなワインのようなものから、樽に寝かせたスコッチのような酒もある。日本ではほとんど知られていないが、世界的には愛好家がいて、毎年ミード・フェスティバルを行うほか、アマチュアの醸造も数多いそうだ。

これ、日本でも流行らないだろうか。蜂蜜を採取して、それを元に醸造したら楽しみが広がりそうだ。蜜の種類、水との配合が味を決める。醸造法の壁はあるにしろ、里山の新たな楽しみ方になる。

 

もう一つ、稀少なものを味わった。ドングリの蜂蜜だ。具体的にはアカガシの花蜜らしいが、意外やあっさり上品な蜜であった。これを取っているのは、世界で丹波の養蜂家だけらしい。本当は、アカシアなどの蜜の取る際の失敗作だというのだが、これは人気を呼べるのではないか。
量産できたら、雑木林の新たな価値として伝えられるかもしれない。

ごきげんで、帰途について、ふと気がついた。しまった! 肝心のミードをお土産に買い忘れた 試飲で結構気持ちよくなってしまったかな。


ポプラ集成材

2006-11-26 18:03:13 | 木製品・建築

 

ホームセンターで木材製品を見ていると、「ポプラ集成材」を見つけた。

ボプラ材は、柔らかくて強度がないから、これまでチップしかならないと思われていた。が、近年の加工技術の進歩で、集成材や合板になっている。(ついでに割り箸にも。)

実際に見てみると、きれいにフィンガージョイントでつないでいるし、白くてきれい。ちょっと桐材に似ている。DIY用なら、むしろ加工も簡単だし喜ばれそうだ。
ここにあるのは、国産とは思えず、欧米でもなさそうだ。産地表示ははっきりされていないが、ロシアか中国だろう。とくに中国産の可能性が高い。

 

ついに来たか、と思った。勘か推測か、予言か論理的帰結か、私は、中国で大量に植林されているポプラが製材として輸出される恐れを感じていた。
緑化用に植えた木も、生長すれば利用されるのは当然だ。なにしろ生長の早い木である。しかも人工林なら森林破壊と言われることもなく、加工されて売り出されたら、世界的な木材市場を席巻するかもしれない。

それが、すでに日本に入ってきていた。さあ、どうなる?


木材を地域通貨に

2006-11-25 01:18:50 | 政策・行政関係

ものすごい経済を思いついた。

林業が不振なのは、木材の価値が高まらないからである。木材の価値を付けるのは、経済である。経済を動かすのは、通貨である。通貨の価値は、現在は変動相場制である。だが、つい最近までは金や銀で裏打ちした兌換制度だった。
ならば……木材の価値を(不換)通貨で語るのではなく、木材を通貨にすればよいのではないか。木材の量で通貨発行量を決める。通貨は木材と交換できる。コインは木製にして、紙幣は兌換木券だ。

 

これぞ、木本位制度。通貨制度を変動相場制でも金本位制でもなく、木本位制にするのだ。

こうなれば、木材を生産すれはするほど、出荷すればするほど、金回りがよくなる。木を多く使った家は金持ちだし、木を植えたら財産が増える。国際貿易も、木材で決済する。金(木)持ち国は、二酸化炭素の固定にも貢献したことになる。

森林大国ほど豊かな国だという証明になるのだ。えっ? 砂漠の国は、砂本位制でも石油本位制でも敷いてくれ。

日本は、森林が豊富な国と計らって、この木本位制を実現してほしいのたが、一朝一夕にはなるまい。まあ、時間がかかれば、木は生長して財産が増える(^o^)。
が、その前に、とりあえず地域通貨で試してみるのはどうだろう。

 

各地に地域通貨が誕生しているが、これが十分に流通しないのは、不換通貨だからである。通貨は信用が第一だが、政府が保証しない地域通貨は、価値を裏打ちできない。しかし木本位制の地域通貨なら、いつでも木と交換できる。これなら価値の保証が可能だ。貯まれば家を建てることができるかもしれない。

その代わり林業家や製材所は、銀行業務をしてもらう。木通貨による証券市場や為替市場も必要かもしれない。

重要なのは、木本位制の元では、二種類の通貨(銀行券)が出回ることだ。生きた樹木による兌換生木券と、伐採して貯木してある兌換材木券である。生木券は、年々太って利子を生むが、材木券は加工して付加価値を付けることができる。

この木本位制に賛同する国民は、どちらかを選んでマネーチェンジする。利子を得ることを狙うか、加工後の価値の増加を信じるか。木銀行家となった業者は、この預けられた資金(発行した銀行券)をどのように運用するか頭を絞る。さらに生木券と材木券の交換レートを発表して、利ざやを稼ぐ。これも才覚次第だ。

この生木券を大量に取得したら、立木トラスト的に森林オーナーになることもできる。

材木券は、この券を求める人(木材を必要とする人)を探して来ることによって、円(日本の不換通貨)と交換して利益を上げられる。中国の元と交換してもよい。

いやあ、新しい経済理論と金融政策が次々と浮かぶなあ
最後に狙うのは、木本位制国家の設立だ。


産地廃棄

2006-11-24 16:19:05 | 林業・林産業

ハクサイとダイコンが、値崩れを防ぐために産地廃棄(緊急需給調整というらしい)を実施すると発表した。たしかに、最近は野菜が安い。キャベツも100円を割っている。そこでキャベツダイエットに挑戦しようかと思うほどだ。

どうやら気温が高めで野菜の生長がよく豊作なのにもかかわらず、温かいから鍋物用の需要が低迷したからだそうだ。ハクサイは茨城県で8830トン、ダイコンは千葉、熊本、青森など6県で計2775トンをトラクターでつぶすらしい。

 

毎度のことながら、もったいない。とはいえ、野菜は育ちすぎたら食べられなくなる。その点、木材は値が安いから伐らずに放置しても、太ることはあっても痩せない。仮に出荷しなくても、地場の木材産業が困るだけか。いや、外材が入ってくるから誰も困らないかもしれない。そう考えると、林業のほうがマシだ。

いや、まてよ。と考えた。産地廃棄できないことが、林業がビジネスとして厳しさを持てなかった原因かもしれない。通常のメーカーは、在庫管理に敏感だ。在庫が足りなくても多すぎても利益に直結する。だから市場の需給に目を配る。

だが、林業は困らないから放置した。長伐期に伐り変えたと方便を言えた。
もっとも、本当は長伐期ほどリスクは増えるはずだ。山火事や台風に合う確率が上がるだろう。クマが皮を剥がすかもしれないし、がつくかもしれない。山崩れにあえば、山地ごとなくなる。また長く寝かせることで山林の利回りが悪くなる。会計学的には、在庫となった森林の価値が下がるはずだ。

そこで、いっそ森林も「産地廃棄」を行ったらどうだ。
不良在庫だ! といって、山に火をかけて森を焼いてしまう。そして改めて苗木を植えた方が健全な森林が育成できるかもしれない。

……実は、すでにやっている。某森林組合は、植林地を伐採して伐り捨て、植え直して補助金をもらっている。
また吉野では、風台風で幹が揺れて「しかみ」(木繊維の断裂)が出たら、それが表沙汰になる前に、どんどん伐採して売ってしまったそうだ。これは産地の評判を落としかねないが、不良在庫の処分ではある。

展望なしに先延ばしするより、コスト割れ承知で処分し、次世代の森づくりを早く始めることも一手だ。


二酸化炭素吸収のコスト

2006-11-23 23:39:57 | 政策・行政関係

日本が地球温暖化防止条約で公約した二酸化炭素削減量だが、3,8%分、林野庁の森林吸収量目標(1300万炭素トン)を達成するために必要な追加額の試算値というのを見ると、笑える。

昨年度は、約2200億円の追加事業費が必要としていた。

それを今年決定した「森林・林業基本計画」に基づく森林整備にすると1300~1400億円

森林整備を間伐に限定し、低コスト作業道に切り替えれば、追加事業費を1000億円まで縮減できるんだそうだ。

なんだか、バナナの叩き売りみたいだ。いや、不動産販売の手口か。どんどん下がって、ものすごく得した気分にさせる。

でも、実際に予算につくのは、この何分の1かなんだろうな。誰か、予算書を読んで教えてください。

 

森林による二酸化炭素吸収分のカウントは、極めて政治的なもので、何ら科学的ではないが、それでも間伐していない森はカウントしないぞ、と脅かされたら仕方ないか。いずれにしても、金をかけないと二酸化炭素を削減できないことになるが、この金(税金)を得るためにかかるコスト、とくにエネルギーを二酸化炭素排出量で計算したらどうなるだろうか。税収が増えるためには産業が活発になってもらわないといけないが、それで石油の使用量が伸びたら、二酸化炭素の排出も増える。

そういえば同じく二酸化炭素削減が目的のバイオマス燃料(エタノール)は、その生産でかなり化石燃料を使っている。トウモロコシ、サトウキビ、大豆などを栽培するためにコンバインやトラクターを使うからだ。その収支を計算すると、アメリカではエタノールは赤字らしい。

さあ、どうする?


クローズアップ現代で森林環境税

2006-11-22 12:32:28 | 政策・行政関係

月曜日のNHK「クローズアップ現代」で、地域の新税の動きとして、森林環境税が紹介されていた。おそらく全国放送で森林環境税が取り上げられるのは珍しいはず。

以前から感じていたのだが、この税は、東京や大阪などマスコミの拠点のある大都市にはない。だから興味がわかないらしい。私も幾度か、この税について取り上げないかとマスコミに企画を出したが、反応は悪かった。所詮、田舎の税金と思っているのだろう。

この番組では、神奈川県の水源環境税の動きを紹介していた。横浜が含まれると動きだしたか。。。でも、神奈川県では、かなり住民参加で議論を進めているようだし、その点では、ほとんど議論がなかった奈良県など現施行県に比べるとよいかも。

ほかにも駐輪場税とかごみ袋税などの動きも紹介されていたが、ようするにこの手の税金(地方自治体の独自税)は、目的税なのがよいのではないか、という感想が語られていた。一般税にされると、どこに使われるかわからない。その不信感もあるのだろう。
たしかに森林環境と狭めた使い道を示すことが、施行地域の市民の意識を高めるかもしれない。

しかし、森林環境税も、その使い道はよくわからない。いっそ、人工林間伐税とか、木材搬出税、環境意識広報税、里山再生税、森林ボランティアお助け税…なんて、使い道をもっと限定するとよいかもよ。

 

ところで、この番組の後の「釣瓶の家族バンザイ」だったっけ、で和歌山県みなべ町を訪ねていた。そして藤波辰巳氏が、紀州備長炭の現場を訪ねていた。彼の父は、炭焼きをやっていたのだそうだ。

その後は、「のだめカンタービレ」を見た(^o^)。

 


情報を取捨選択できる魅力

2006-11-21 12:50:30 | 田舎・田舎暮らし

田舎の魅力シリーズ。

田舎は、情報が少ないと言われるが、私はそれによく反論している。そもそも大半の人が得ている情報なんて、テレビに新聞、雑誌だろう。田舎で雑誌を買うには多少面倒だが、そんなに負担ではない。図書館が立派な田舎も増えてきた。それにインターネットも普及してくると、ほとんど情報格差はなくなったと思う。(通信速度の問題はあるが。)
むしろ地元の役場や公的施設などの垣根が低くて、通って情報を要求しやすいところもある。都会では、閲覧申し込みも緊張するが、田舎では平気で村長にも声をかけられる(^o^)?

困りやすいのは、私のような職業で、専門図書館や専門書をあさらないといけない特殊な情報を必要とする場合くらいである。

 

むしろ田舎では、情報が遮断できる魅力を感じる。上記の情報は、テレビ・新聞を除くと、積極的に取りにいかねばならない。動かないと取れないというのは、黙っていても情報が流れ込んでくることが少ないともいえ、これは結構魅力。
街を歩いても雑音的なBGMや放送の声に悩まされない。刺激が多すぎる都会は、思考能力をマヒさせてしまう。

思索するには、情報が多すぎては困るのである。必要だと思う情報を選んで自ら取りにいくくらいが、丁度よい。他人の意見に流されずに、考えられる。

 


本気か?バイオマス燃料増産

2006-11-20 15:38:19 | 森林資源

ここんところ、バイオマス燃料の話題がバタバタしている。
安倍総理が所信表明で、「自動車燃料にバイオエタノールを利用するなど、バイオマスの利用を加速化」すると明言したからだろう。ようするにターゲットは、エタノールだ。

しかし、日本のバイオ燃料の現状は、まだ小規模な実証試験の段階であり、今年度の製造量は30キロリットル程度にすぎない。 そこで5年後に5万キロリットルの国産バイオ燃料の導入を目指すのだという。まあ、大きく出たものだ。

おそらくこれは、松岡農相の入れ知恵だと思うが(この人、また週刊誌にスキャンダル書かれていたなあ)、1600倍に増やすというのは……。ここまでの規模になると、今のように原料にサトウキビ使っていては間に合わない。おそらく国産の農産廃棄物では集めること自体が無理ではなかろうか。まさか残飯のような原料を輸入するわけにもいくまい。

となると、量を確保しやすい原料は、木材しかない。木材を糖に分解してエタノール醗酵の材料にするか。
そこまで考えるなら、木材をガス化(水素と一酸化炭素)してガス燃料として使う(ガスタービンエンジン)か、そこから化学合成できるメタノールをさらにエタノールへ再合成する技術を開発した方が現実的のように思う。

 

少なくても、限界が見えてきたペレットなどの木材発電よりは展望が開ける。


講演後の質問

2006-11-19 22:31:21 | ドーデモ体験談

今日は生駒山に関するフォーラムの講演。

たった30分しかないのに、しょぱなから脱線して、私が卒業した小学校の話をした。なぜなら本日の会場が、その母校のすぐ目の前だからである。
私が小学1、2年に入っていたのは、2階建ての木造校舎。それは生徒数の増加によって取り壊され、そこに鉄筋コンクリート3階建て校舎を建てることになった。ところが、敷地を掘ると、縄文時代の遺跡が出てきて、その発掘調査のために工事が延びて、私は工事現場で土器拾いをしていた……という、なんだかわからない話である(^^;)。

 

で、聴衆から声をかけられた(その場ではなく、終わってから廊下などで)のは、まず『田舎で暮らす!』の本のこと(^^ゞ。いやあ、田舎に土地を買って通いながら農作業始めたんだけど……という経験者の嘆きである。田舎暮らしなんて、そんなに甘くはないないですよ、とコメントしておいた。

そして、パネルディスカッション(全然議論していないけど)で口走ったラッキーガーデンという生駒山中にあるスリランカ料理店のこと。場所を聞かれた。棚田の中の店が流行ることで、いかに生駒山の自然に影響を与えたかという流れなんだけど、みんな食べたいのね(^^ゞ。 

講演、これでよかったのかな……。


吉野チェンソーアートスクールの開校

2006-11-18 10:13:20 | 時事ネタ

すでに折々に触れているが、吉野まるごとプロジェクトでは、

この都度、チェンソーアートスクールを開校することになった。これまで単発で開いてきた講習会(8月、9月)では教えきれなかったことを、徐々にレベルアップを図ることを目指して年間を通した連続講座で行おうというものだ。
チェンソーを持ったこともない人でも、最後には難易度の高いイーグルまで彫れるようにすることを保証する。

 詳しくはhttp://www.yoshino-shizai.com/を見てください。

 第1回目は、12月3日。興味があれば覗いてほしい。


「緑」のダム

2006-11-17 12:26:50 | 田舎・田舎暮らし

今、「緑のダム」(蔵治光一郎+保屋野初子編)築地書館を読んでいる。でも、まだ読み終わっていないから、この本の感想は、また改めて。

 

で、今回思いついたのは、「なぜ、緑のダムはないのか」ということである。緑のダムというのは、森林のことではないよ。文字通り、緑色のダムのこと

極めてアホウなことを思いついたのだが、ダムサイトは、ほとんどがコンクリートむき出しだ。これがみっともなく、景観を破壊している。たまにロックフィル式?で石を積んだダムなどを見ると、景観的にも美しい。また砂防ダムだが、最近の木製とか、明治時代に作られたデ・レーケの石積みダムなどを見ると、むしろ周囲の景色に溶け込んでいる。しかしコンクリートはいただけません。

 

せめて、ダムサイトを緑のペンキを塗れ! さらに森の絵を描け。表面に擬岩を張り付けて、自然の岩場のように見せろ。これだけでダム批判は随分減るぞ(笑)。

実際に、表面を凸凹にすれば、植物も生えるし、クマタカが営巣するかもしれない。自然を守るダムをアピールできるかも。

 

こんなことを思いついたのは、「刺激としての風景」に紹介した田舎の風景写真の場所だ。低い稜線に挟まれた谷なのだが、実は奥にダムがある(写真)。そのサイトが風景に馴染んでいなかったからだ。せっかくのたおやかな景色に傷をつけている。

コンクリートダムを緑色のダムにする運動を起こせないかね?

 


人づきあいは安全保障

2006-11-16 23:34:15 | 田舎・田舎暮らし

田舎は素晴らしいシリーズ第2弾は、人づきあい。

 

田舎暮らし希望者にとって、最大の難関が人づきあいであることは、よく言われる。そして人間関係で悩んで苦しんで、せっかく移住した村を出る話もよく聞く。たしかに、うんざりしたつきあい方もあるだろう。深刻なトラブルも起こっている。

なぜ、そんなに面倒な人間関係が田舎には築かれたのか。
思うに、安全保障ではないか。災害に出くわした時だ。地震・台風・山崩れ・火事…まさかの場合に助けてくれるのはご近所さんである。行政は当てにならない。いや、当てにするだけの質量ともにない。救急車が来るのに1時間かかったりする。それを補うのが、相互扶助の精神だ。

逆に言えば、まさかのときの備えに、どんなに虫の好かない相手とでも仲良くしておくのが安全保障。都会人だって、保険に入ったり、警備に金をかけたり、何かと必要な部分を近所づきあいという安上がりのシステムを持っているのである。
土壇場で助けてくれるのは、近くの人しかいないのだから。面倒なつきあいも、保険金を払っているようなものである。

……そう思えば、人づきあいも耐えられる、かも?

 

阪神大震災でも、死者が少なかったのは、地域の共同体が生きていた地区であることがよく紹介されていた。だから直後は、自治組織の見直しも言われたのだが、いつのまにやら消えてしまい、とくに都会では個人情報保護などを盾に、以前より増して個人主義が横行している。

また田舎のトラブルの内容を聞くと、「それって、都会でもあるんじゃないの?」と思ってしまうものも多い。とくに最近は、騒音やらゴミやら異常性格者やらの隣人トラブルは少なくない。実は私の町内でも起きた。田舎だから起きる問題ではないのだ。