森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

見学は道連れ

2010-05-20 00:37:41 | 木製品・建築
表ブログに、東京・新木場の木材会館を訪ねた話を載せた。

こちらは裏ブログであるので、たまには表ブログの裏話を。


実は、木材会館を訪ねて、うろうろ周りから写真を撮ったり、1階のロビーには入ったものの、それ以上中を覗くのは遠慮があったり……とししているところに、同じようにビルの周辺をうろうろしている二人組を見かけた。彼らも、さかんに写真を撮っている。

近づくと、軽く会釈。そこで話しかけてみると、やはりこの木質ビルディングの見学に来たのだという。名刺交換すると、工務店と建築士。そこそこの規模の工務店である。

何も木造に興味があるわけではなく、むしろ普段建てているRC構造の建築物に、木材をどのように取り入れられるか、という視点で見に来たようだ。

せっかくだからと、連れ立って中へ。「関係者以外はご遠慮ください」という立て看板を無視してホールに入るし、エレベーターで最上階から順に歩き回る。トイレにも入った。(ちなみにトイレもモダンな木質なのだ。)

さすがに建築家となると、メジャーを持っていて、アチコチの寸法を測ったりしている(^^;)。また接合面やコンクリートもチェック。

十分、見学して、さあ出ようというところに守衛が出てきた。
「木材組合の事務所に申し出てください」と言われたが、さっさと退散。

一人では見に行く勇気がなかったところを、集ったおかげで大胆になれたのであった。

エストニア

2007-04-09 23:08:54 | 木製品・建築

林野庁が、2006年度木材輸入実績の統計を発表したので、ちょいとネットで覗いてみた。

細かな点はともかく、私の目を引いたのは、集成材の輸入。突然、前年度比が量で905%、金額で1007%というすごい伸び率を示した国がある。

それがエストニアだ。バルト3国の一つで、ソ連より独立した国である。

まあ、伸び率だけで見ても仕方がない(だって、前年度の輸入実績が2000立米なのが1万8000立米に伸びた、というだけだから^^;)のだが、こうした国が参入したことが面白い。

エストニアでは、昨年には首都近くのイマベレに、ほぼ全量日本向けの構造用集成材工場が稼働を始めたはずだ。おそらくその影響だろう。会社は、スウェーデン?の多国籍企業ではなかったかな。
材料は、おそらくスカンジアナビア諸国からのホワイトウッドだと思うが、日本をここまでターゲットにしているのが恐ろしくもあり、それだけ日本の木材市場が有望な証拠である。


京都大学の卒業祝箸

2007-03-27 00:25:26 | 木製品・建築

京都大学の卒業式では、吉野杉で作られた箸が配られた。

と言っても、長さ50センチはある大きなもので、京大の焼き印も押されている。
これは京大農学部の教授の提案で作られたもので、日本の林業の支援策であり、社会に旅立つ若者に木の良さを伝える記念品でもある。

……とまあ、この話は、関西では先にニュースに流れていたので知っていた。それが昨日は夕方の朝日放送のニュースの特集として放映されていた。吉野の製箸所で、この箸を作る様子も映し出されていた。この一年間、吉野の割り箸を追っていた者としては、それなりに感じるものがある。
特大の祝箸では、実用ではなく記念品だが、それでも手に取れば、杉の木肌の良さを感じてもらえるかもしれない。それが国産割り箸普及にもつながればよいのだが。ついでに、5月発売の拙著にも波及してほしい(^o^)。

ただ、案の定というか、テレビでは「安い外材に押されて国産材が……」のフレーズ。わざわざテロップまでつく。
この「安い外材……」の震源については、改めて考えようと思っているが、ここでも間伐の促進を訴えつつ、箸になるのは太い丸太の背板という矛盾を視聴者は気づいただろうか。


木のトレー・シンポ

2007-03-25 00:24:28 | 木製品・建築

昨日は、大阪のカタログハウスで講演とパネルディスカッション。先日の東京で開かれたものの大阪版だ。国産材のテーブルの発売に合わせたものである。

私の話す内容はたいして変わらないが、生駒山と大仏殿の写真がやたら登場し、地元ネタの多い関西バージョンであった。

パネラーには、家具デザイナーの島崎信氏のほか、高知県馬路村森林組合、大分県日田市と岐阜県中津川市の各メーカーから出席している。いずれも日田杉、魚梁瀬杉、木曽檜によるテーブルの製作に関係している。

で、気づいたのだが、馬路村と、合併して旧上津江村を含む日田市。中津川市の隣は恵那市とともに東濃地域。この3つに共通点があった。

それは木のトレーだ。

昨年末にも記したが、木のトレーを現在作っているのは、馬路村と日田市である。そして新型トレーを開発した工場のあるのが、恵那市。そこで木のトレー談義となった。なぜ、現在のトレーが売れないのか。いや、売り方によっては十分売れる、と侃々諤々。

そのうち木のトレー・シンポジウムでも開くと面白いかも。

ちなみに、今回は終わってから飲みに行く相手がいず、一人夜の街をぶらついたあげく、行きつけの生駒のカフェバーで常連さんとうだうだ言っていました……

 

 


ローソンの「ケータイお箸」

2007-03-22 00:53:45 | 木製品・建築

 コンビニのローソンは、年4月より店舗で「ケータイお箸」運動を展開するそうだ。「ケータイお箸」とは妙なネーミングだが、ようするにマイ箸と同じく塗り箸の持ち歩きによる、割り箸削減運動である。  

ただし、ちょっと凝っているのが、材料に野球のバットにならなかったアオダモを選んだことだろう。現在アオダモは、資源量が少なくなって困っている。それをアピールする狙いがあるようだ。
製作するのは、ミズノテクニクスとオークヴィレッジ。バット不適格材から箸を製作するという。これまでもアオダモでキーホルダーなど木工品を制作販売していたそうである。

アオダモは、硬くて粘りのある材質だから、すでに塗り箸の素材としては使われているが、バットになれなかった木を再生するというのがローソンにとっての眼目だろう。

ローソンが割り箸削減に取り組むのには、訳がある。現在ローソン全体で年間約5億膳の割り箸を店で弁当などに付けて配っているが、割り箸の値上げが響いているのだ。もし1膳につき10銭上がれば5000万円、20銭上がれば1億円のコスト高になる。

で、肝心の「ケータイお箸」の普及策だが、全面的に販売するわけではなさそうだ。それほどアオダモは多くないからだろう。ケータイお箸のためにアオダモを伐っては本末転倒だし。とりあえずは、ローソンパス1800ポイントで、3ヶ月3,000名にプレゼントするほか、ヤクルト球団にケータイお箸1000膳寄贈(野球教室などでプレゼント)、オークヴィレッジ社等での販売、この「ケータイお箸」一膳につき100円を国土緑化推進機構に寄付し「バットの森」の育成を支援。そしてローソン社員は、全員がケータイお箸を利用するという。ほか東大キャンパス内のローソン店頭で割り箸回収・リサイクル……。

まあ、好きにやってよという感じなのだが、どうみても効果は薄そう。目的はやはりイメージ戦略か。これで割り箸削減なんて、ちゃんちゃらおかしい。ローソンの社員さん、ご苦労さまです。

ちなみにローソンでも割り箸がほしいと言われたらちゃんと中国産のシラカバ割り箸がもらえるそうだ。ただ『ナチュラルローソン』では、国産のスギ割り箸だとか。本気で割り箸問題を考えるなら、全面的に国産割り箸に切り替えてほしいものだ。

※今年5月に、話題?の割り箸本、出版します!


デザインは誰のもの

2007-03-15 00:08:45 | 木製品・建築

山口県萩の竹家具製造メーカーは、フィンランドの家具ブランド「アルテック」と契約して、地元産の竹材による椅子やテーブルを製造し、同ブランド製品として輸出することになったそうだ。

家具のブランドやデザインを海外に求めるようになったのか。ちょうど国産材家具をじっくり見る機会があったのだが、そこで感じたのは、デザインの問題。

家具はデザインが重要だが、では、デザイナーがよい設計図を描き、それを真似ればステキな家具ができるだろうか。

同じデザイナーの作品でも、工房が違うと、いや職人が違うと、微妙に違っているものだ。とくに国産材の無垢材を使うと、材の色の差や加工度に差が出る。技術の差もあるが、それ以上に職人のセンスの差があるように思う。

たとえば天板も、寸法通りになっていても、何枚の板にするか、その板の色合いや木目の違いをどのように選ぶかで変わってくる。一枚板だと反るから、たいてい幾枚か集成するが、その枚数で全体の印象がガラリと変わる。無造作に並べると、隣り合った板の色がバラバラだったり、木目が断絶して見苦しい。

おそらく強度などにも影響してくるのではないか。結局、最終的なデザインは、現場の職人が作るものなのだ。外から高名なデザイナーを連れてきても、よいものはできないと気づいた。


中国産利久割り箸

2007-03-14 09:32:56 | 木製品・建築

いきなりの報告だが、昨年から取り組んでいた「割り箸問題」に関する本の出版が決まった。

その詳細は改めてするとして、その本に載せる割り箸の写真を撮ろうと、割り箸各種を集めている。小判、元禄、天削、利久、らんちゅう。それに竹割り箸

が、我が家に利久が欠けていることに気がついた。本来なら吉野で取材した先でもらうなり買うなりすればよいのだが、時間がない。仕方ないので地元スーパーで購入することにした。

が、あったのは、エゾマツ製、つまり中国産の利久箸だけであった。ちょっと抵抗があるが、写真なら区別もつかないから、と購入した。12膳198円なり。

が、封を切ってよく見ると、「これは利久じゃない!」

利久箸とは、両端が細くなっていて割れ目が入り、真ん中当たりから箸がくっついているものだ。そこを割ると、2本の箸になる。が、これは、なんと2本バラバラに作って、片端に近いところがくっついているのだ。なんだか微妙に形状が違うように見える。削り方も雑。割ってみるが、どうもしっくりこない。何より木目がよく見えないのが気に食わない。

高級感がないと、利久らしくないでしょうが。

写真ならわからないのでは……と悪魔の囁きもあるのだが、割り箸本を飾るのにはふさわしくない。それに手に取ると、エゾマツとスギは天と地ほどの差がある。
やっぱり本物を求めよう。ちゃんと、スギ製の国産利久箸を探してみることにする。が、どこで売っているかなあ。値段も気になるが……。

 

 


マイ割り箸入れ

2007-03-08 11:12:03 | 木製品・建築

久しぶりに割り箸の話題。

写真は、兵庫県丹波のイベント用に試験的に作られた「割り箸入れ」。なかなかオシャレである。木目が美しい。武士の刀のように、さっそうと割り箸を抜いて食べるのはどうか。

先に「マイ割り箸」を提案したことがある。塗り箸を持ち歩く「マイ箸運動」に対抗して、国産割り箸を持ち歩く「マイ割り箸運動」を展開しよう、という趣旨だ。
が、割り箸を持ち歩くには、やはり容器がほしい。布やビニール袋に包んでいたのでは味気ないし、衛生的にもどうかと思う。

ところが、昨秋には、この割り箸入れが作られていたのだそうだ。
まだ一般販売はしていないそうだが、3膳入るから、1日3食外食でもOKか。これをうまく広げることはできないだろうか。これと国産割り箸100膳くらいセットにして売り出すといい。個人で買わせるより、贈答品という手もある。いろいろアイデアを生み出せそうな品である。

ただ価格はどうなるだろう。木製だから高そうだな。大量生産もしにくいか。かといって、割り箸入れをプラスチックや布製ではつまらないし……。

脱線すると、マイ箸運動用の塗り箸入れは、木製を見かけないのは、なぜだ。いっそマイ塗り箸用の箸入れにも転用するか。おっと、本末転倒か。


万博公園

2007-02-13 23:48:04 | 木製品・建築

今日の昼のNHK「ふるさと一番!」とかの番組で、大坂の万博記念公園がレポートされていた。

かつての万博会場が森林いっぱいの公園に生まれ変わり、そこでは竹林ボランティア団体やNPOが活動していることを紹介していたが、そこに里山倶楽部が登場した。

このプログでも幾度か紹介した、ガシファイヤーという木質ボイラーとスターリングエンジンを組み合わせた発電実験を伝えていた。
薪を燃やして電気と温水を生み出し、足湯なども楽しめる様子を映し出していたから、この番組だけを見ていると、素晴らしいシステムだと思えるだろう。

実際は、故障が多かったり、温水を作ると発電が進まず、発電すると温水が足りず足湯のオープンができない……ということで苦労しているようだ。

それでも、理論は悪くない。実証段階のシステムがうまく運営できないからと、切り捨てるにはもったいないと思っている。むしろ、ペレットなどの木質バイオマス発電より可能性は高い。

なぜなら、夢があるから。小規模で薪を使い、個人レベルでも運転できるからであるし、アイデア次第で小回りがきく。そして採算の赤字部分を夢で補える

木質バイオマスは、巨大ボイラーによる発電所で採算を合わせるものと、その隙間を埋める小型装置に分けて考えたい。

それにしても、万博公園の変遷は面白い。竹林から巨大開発の博覧会会場、そして森林公園へ。
そういえば愛知万博の跡地は、今はどうなっているだろう。かつてその地は禿山だった。戦後、ようやく木が生えてきたところで森林公園となり、そこがすったもんだの挙げ句博覧会会場になったはずだが、また公園に戻すと聞いている。

どうせなら、禿山の部分も再現した方が、日本の国土の変遷が伝えられてよいと思うのだが。


無垢の木

2007-01-13 12:09:32 | 木製品・建築

先日あった某放送記者と話していて、彼は秋田杉を取材したそうだが、「無垢の木はいいですねえ」という話になった。
私も、吉野通いを繰り返していて、吉野杉に触れる機会が増えると、「無垢の木はいいなあ」と思い出した。

日本には「無垢の木信仰」が強烈に存在する。私は、それを批判していた。木にはいろいろな部位があり、無垢の木材というのは、その中でよい部分を選び出した材である。すると欠点(何を欠点とするかは別として)のある部分を切り捨てることになる。結果的に歩留りが悪化するのだ。

その点、エンジニアード・ウッド(集成材や合板、ファイバーボードなど)は、理論的には木材を100%利用する技術だ。資源を無駄にしないということは環境にも好影響である。しかも材質を安定化させ、強度なども増す。実利的にも、絶対優れている。これを嫌う日本人の感性が、木材を無駄遣いさせていると言えよう。

しかし、秋田杉、吉野杉、それに木曽檜など無垢の逸品に触れると、やはり良さを感じるのは、私も日本人である証明(^^;)。
ただし、だからみんな無垢の木を愛用しよう、とは思わない。むしろ無垢の良さは感覚的なものなのだから、もっと価格を上げるべきだ。そしてお金持ちだけのものにする。貧乏人は合板使っておけ、と言いたい。オイオイ

同時に、技術的に無垢の良さを感じられるエンジニアード・ウッドを開発すべきだろう。だいたい合板も、表面の目に触れるところに継ぎ目があるわけでなく、木の生成りが味わえる。集成材も、化粧貼りして、集成材と区別がつかないものが出回っている。素人には絶対見破れない。ようは、日本人は情報としての「無垢か無垢でないか」にこだわっているだけだ。

いっそ、情報を開示しないことにしてはどうか。板や柱が、無垢か集成材か区別できないよう表示禁止にする。産地表示も、好きなように「秋田杉」「吉野杉」などと記してもよいことにする。
ほとんどのユーザーはだまされるだろう。集成材も無垢だと信じれば満足だ。

時代に逆行しているなあ。でも、私はやはり集成材でいいよ…。


ネットワーク型家づくり失速?

2007-01-10 00:34:44 | 木製品・建築

林野庁が「顔の見える木材での家づくり」に関する調査結果を発表している。

これは、私は「ネットワーク型家づくり」と森コロで紹介したもので、ようするに森林所有者や製材業者、工務店、建築家、そして施主が、ネットワークを組んでお互いの顔を見えるようにしながら家を建てようというもの。形態的には、近くの山の木で家をつくる運動と、ほぼ重なるものだ。

その内容によると、17年度の供給実績は6460戸。この数字は、対前年度比3・6%の減少である。なにやら右肩上がりだったのが、ついに失速したか?

面白いのは、この家づくりを主催する団体数は、23増加して241団体となっていることだ。つまり団体は増えたが建築数は減った、1団体あたりの取扱量が減ったということになる。
もしかしたら、この手の面倒くさい家づくりを指向する施主の数が、限界に来たのかもしれない。もともと少数派だったのだ。
同時に、ネットワークの限界もあるような気がする。私も取材した中で、ネットワークを組んでいるにも関わらず、お互いが仲の悪い関係の団体もあるのだ。山主と製材業者などが疑心暗鬼に駆られている。仕事も、年間1、2棟しかないと、求心力が湧かない。
それに、ネットワークを組んでしまうと、設計とか、木の品質、製材などが縛られてネットワーク以外から選べなくなる。それは施主のニーズに合っているのか怪しく、顧客に逃げられる可能性もあるだろう。もっとオープンなシステムにできないか。

今回の結果は、運動が階段の踊り場に立っただけで、それぞれの団体が営業ノウハウを身につけ再び建築数が増える可能性もある。ただ、基本的にはニッチな市場なのである。


吉野材をチェンソーアートの素材に

2007-01-08 10:38:19 | 木製品・建築

昨日は、明日香村で「吉野まるごとプロジェクト」の会議。

議題は、主にチェンソーアートスクールの練習場建設の件だったのだけど、相変わらず脱線して、吉野林業の将来やらチェンソーアートの素材の話に。

吉野材は、真円で、年輪が密で、色がよくて、と素人目にも美しく素晴らしい素材なのは間違いないのだけど、今の林業や建築界の方向性からすると、あまり必要とされなくなっている。かといって安売りしたら、これまでかけてきた手間暇・コストと引き合わない。このままでは将来の展望が見えない。

一方、チェンソーアートの素材としては、これまで強調してきたのは、黒芯や曲がり材、端材など、売り物にならない材を使おうということ。価値が低いとされてきた材を、チェンソーアートによって新たな価値を吹き込むことが林業振興にもつながるはず……。
しかし、実際に行う人の気持ちからすれば、吉野材を彫刻すると、気持ちいいというのだ。柔らかくて削り心地がよいことや、木目も詰まっている方が美しいし、色の美しさが彫刻向き。逆に妙なところに黒い染みが現れるような素材は、削っていてがっかりするらしい。節があっても削りにくいし、作品の価値が下がることもある。

そこで、考え直した。吉野材こそ、チェンソーアート素材として価値があるのではないか。もともとチェンソーアート作品は、作品の質によっては凄い値段がつく。吉野材で作っても引き合う。

よし、今後は吉野材のもっともよいものをチェンソーアート素材として売り出そう。もちろん価格はそれなりのものにする。上級者用素材だ。
建築材として引き合いが少なくなった吉野材は、チェンソーアート素材として名を挙げるのだ。

……という構想を思いついたのだけど、どう?


400年後の木造建築

2007-01-03 23:51:14 | 木製品・建築

朝日新聞の社説に、京都の清水寺では400年後に向けて植林をしていることを紹介している。あの清水の舞台を支えている直径1mの150本の木の寿命があと400年くらいなので、今から育てているという話題だ。

「開発が進み、木材事情は厳しくなる一方だ」からと説明する。

同じことを立松和平も言い出して、「古事の森」構想を開陳し、それに林野庁が乗っかって各地で植林している。400年伐らない森づくりだと。

私は、常々不思議に感じているのだが、なぜ樹齢400年の木材が必要だからと今から植えなくてはならないのか。今でも樹齢100年を超える程度の木ならいくらでもある。とくに木曽には木曽檜の天然林が残る。そこはせっせと伐採しつつ、あえて植える必要はないじゃないか、と思ってしまう。

それに、日本には発達した組み木技術があるのだから、もし本当に400年後に大木がないというのなら、細い木を組み合わせて清水の舞台を作った方が、価値があるのではないか。大規模集成材でもよい。400年劣化しない集成材を研究する方が日本の文化に貢献しないだろうか。

そもそも東大寺の大仏殿の柱も組み木だ。それで400年たった今もちゃんと屋根を支えているのだから、何の問題もない。

結局、木を植えるポーズを取りたいのだろう。400年伐らずの森と言っても、100年程度たってほとぼりがさめたら、伐って出荷しちゃうんじゃないかなあ。


しめ飾り

2006-12-31 17:29:27 | 木製品・建築

大晦日。付近を散歩したら、お寺の軒先にまでしめ飾りがあって、苦笑した。
いかにも日本的光景。もしかしたらキリスト教会にも付けられているかもしれない。

店屋にもしめ飾りが山積みになって売っている。それにお供え餅に葉付きミカンに串柿にウラジロ。藁を編む技術も伝承しないと消えてしまうし、山にウラジロを取りにいくのだろうか。それとも栽培か。ちなみに我が家では、近隣から採取してくる。

ふと気になって産地を探したが、記されていなかった。まさか、なあ。しめ飾りまで中国製ということはないと思うが…。


思えば昨年末には、吉野でプロジェクトを開始する相談をしたのだった。今年は想像以上に順調で大きく芽を伸ばしたし、そのほか新しい取り組みをいろいろ行った。
もちろん、まだ種子をまいたばかりで花が咲くのか収穫できるのかできないのか、答が出るのはまだはるか先の話である。それでも希望を持ちたい。

本ブログも、思いがけなくアクセス・訪問者数が伸びた。おかげで、日々記す内容を考えるのが常となった。一応、週休1日のつもりだったが、11月は無休で臨んだし、我ながらよくやったと自分を褒めたい(^o^)。

ただ書籍はもちろん雑誌記事とも違って、プログへの執筆は瞬発力である。思いついたら即記す。内容の検討はその後から。だから、内容に責任は持ちません
それでも話題提供と、思考実験の場としてお楽しみください。

では、よいお年を!