森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

「ちりとてちん」で学ぶ!

2008-03-29 11:31:55 | ドーデモ体験談

NHKの「ちりとてちん」が終了した。

久々にはまった朝のドラマだった。最初は、若狭塗り箸の職人が出てくるという興味くらいしかなかったのに……。
朝ドラは、ちょうど起きて朝食を取る時間なので、つい見てしまう。これまではまった朝ドラには、ずっと古くて「ふたりっこ」、そして「ちゅらさん」くらいだろうか。

 

いずれも、なぜはまったか、と分析すると自分の嗜好などに気づいてそれなりに面白いが、「ちりとてちん」の場合は、別の意味がある。

それは、ドラマとしての構成・奥行き・キャラクター設定がピカイチということだ。そのほかのドラマは、仮にハマッテも「こんな展開はないやろ」と突っ込みを入れたくなるところもある。だいたい「いつも元気で前向きな主人公」というのも臭い。登場人物のステロタイプなキャラクターといい、善意と頑張りが人生を切り開くなんて、大甘だ。なかには、バカにするな! と言いたくなるものもある。

 

ところが、「ちりとてちん」は、後ろ向きでいつも脇役人生を歩んできた人が主人公。そして、実に丁寧に周辺の登場人物を描いている。たいした役割を担っていないように見えた人物の人生や心までしっかり描かれている。そのおかげで、ずっとドラマの奥行きが広まる。

そして、ここがスゴイと思ったのだが、小さなエピソードが見事に絡まっている。これまで番組引き延ばしか、と思えるようなエピソードを次から次へと配置しているドラマが多かったが、ここでは少女時代のエピソードが随分後の人生に絡んできたり、忘れていた言葉が、後々大きな意味を持ったり……。

 

またテーマのブレがない。ずっと脇役人生の主人公が、ついに落語で主役になれたことを描くドラマ……と思わせておいて、最終章で大逆転させた。脇役人生讃歌になるのだ。

これは脚本家が最初から綿密な構成を組んで、展開を全部決めていたからできたのだろう。これはスゴイことである。半年間、毎日のドラマだけに、視聴者の反応や役者の都合でストーリーを変えてしまうこともある朝ドラだけに、お見事、と思った。

 

さて、ベタ褒めのドラマ評を書くのが目的ではなかった。実は、自分の執筆に向かう姿勢を示されたような気がしたのだ。1冊書き下ろしを書くときは、やはり次々とエピソードを羅列しがちだし、テーマが揺らぐこともある。

しかし、やはり重要なのは構成だ。綿密に、どの章の内容がほかの章の展開にどんな意味を示すか、十分に考えておかねば完成度は高まらない。脇役への目配りも大切だ。そういう勉強になったドラマだった。

 

さあ、執筆にもどろう。

 


卒業

2008-03-24 13:40:52 | 娘ネタ

今日で、学校も学年末。町には春休みを謳歌する学生・生徒が闊歩している。

娘は、卒業式で送辞を読んだ。その文章づくりが大変だったのだが、案の定、教師の筆が入って、つまらなくなっていた(^o^)。「春爛漫の今日の良き日に…」なんて、中学生がいうか。

その送辞の見本に、歴代の生徒会長が書いた送辞の巻紙があった。私も目を通してみたが、たいてい「春爛漫の…」の類である。が、一つだけ、素敵なのがあった。7、8年前のものだが、時候の挨拶は簡単に済ませ、いかにも生徒の自分の声を書いた、と思わせるものだった。これよ、これ、こんなの書きなさい、と私は娘に突きつけた。

文章、それに字はたいしてきれいではないが、気持ちと主張が伝わってくる。頭のよさも感じる。この生徒はその後どうなっているだろうか。絶対、大物になるぞ、と私が断言した(^o^)。

文は体を表す、のである。来年は、娘か答辞を読むことになるのだろうか…。


幻の焼酎

2008-03-13 11:35:47 | 田舎・田舎暮らし

鹿児島でフラりと入った居酒屋「屋久島」。

 

そこのカウンターに座って、近くの席にいた人と話をした。すると彼は、若いころは大阪にいて理髪修業をしたこと、吉本の芸人やプロ野球選手をよく相手したことなどを語ってくれたが、出身は三島村黒島だという。ご存じか? 人口200人程度の離島である。

鹿児島の沖合にある硫黄島・竹島とともにある島だ。そこで島の話になって盛り上がり、離島の問題を語り合う。政府の辺境切り捨て政策に怒り、振興策を考え、侃々諤々。

 

そして島で限定醸造している焼酎「みしま村」を出してくれた。これ、島でしか販売していないし、そもそも作るのは3000本だけ。イモの品種も通常のイモ焼酎と少し違う。たまたま店に飾っていたものをあえて開けてくれたのだ。

 

感謝して味わう。なんというか、爽やかな口当たりと香り。これはなかなかのものですよ。4月に新酒ができたら送るというから期待しておこう。

でも、私がここで宣伝しても、このお酒は島に行かないと手に入らないんだよ。いつか黒島へ行かねば。2009年には、皆既日食が見られるぞ。

 

この島の話は、表ブログにも書いたので、そちらもどうぞ。