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藤枝MYFCを中心としたサッカー観戦記やサッカーに関する個人的な意見の書き込みが中心です。

Jリーグラボ #67 風間八宏氏

2018年09月10日 23時52分08秒 | その他
Jリーグラボ#67 を録画視聴

テーマは「風間サッカー」でゲストは風間八宏氏

・プロの監督としての仕事は、教える事よりも持っている(素質)を引き出す事だと考えている。
 1人飛び抜けた選手がいた場合、チームとして勝つためにはその選手の力を最大限に出させるのではなくて、少し抑えてでもチームとしてのまとまりを求めた方が目の前の試合は勝ちやすい。でもそれで将来的に優勝を狙えるチームが作れるのか?多少チームのバランスが崩れても抜けた力のある選手に100%の力を出させて、他の選手がそれについていくというチームにするようにしている。
 サッカーを見に来る人の多くはチームではなく選手を見に来る。だから選手の個性を引き出すのは重要。

・チームとしての速さを一番求める。すべてを正確にやらないと本当に速くならない。速く走る、ボールスピードを上げる(止める技術、点でボールをあてる(蹴る)技術)など様々な技術がある。その速さをどう伝えるのか?自分(監督)の中での確信はあるが、人によって捉え方は全て異なる。

・川崎の監督をやった最初の頃は全然パスがつながらなかった。ゴール前の事ばかり伝えていたから。最初から中盤のパス回しばかりだとゴール前の答えが無くなってしまう。ゴール前の事と中盤のパスの事、両方出来るようになると凄くパスが回ってゴールが決まったりするようになる。でも、それが洗練されてくると無駄が無くなりシンプルなパス回しからゴールが奪えるようになる。結局そこまで行かなくてなかなかボールが進まなくてパスを回すことが多くなるのでパスサッカーと言われてしまうが、目指しているところは無駄なくシンプルに決める形。

・中学校の頃、当時の清水は全国有数のサッカーどころでドイツ遠征をしてもバイエルンの下部組織に楽勝していた。当時は熱心な先生が多かったし、教えてくれないけれど場所を与えてくれた。
 今は「うまい」が評価されなくなってきている。個人技ばかりだと「勝手なことやるな」とチームの勝利を優先してしまう。日本は「もっと強くならないといけない」と言われながらベースを上げることをしていない。
 「ボールに対する執着心」が低い。子供に「そのボールはお前にとって何円だ?」と問いたい。50円だったら簡単に無くしてしまうかもしれないけれど100万円だったら、そのボールを誰かに取られたら目の色が変わって取り返しに行く。そういう感覚が無い。
ボールを取られて「あ~あ」と言っているような低いボールへの執着心の低さが問題。
「失敗はして良い、でも2回は続けるな」と指導する。
とられたら誰よりも早く取り返しに行けば良い。

・Jリーグはそろそろいろんなものを変えていかなければいけない時期だと思う。小野伸二の世代は10代で皆ピッチに立っていた。今はちょっと活躍すると海外に連れて行かれてしまう。思い切って外国人枠を廃止してしまって良いと思う。それでJリーグのレギュラー争いが厳しい環境になれば海外に行く必要が無くなる。若い選手はその環境の中に入れなければやっていけないという感覚にした方が良い。海外に行ってどう見てもうまくなっていない選手も多いと感じる。
 日本で個性を伸ばしてくれるイメージのあるクラブが少ないのも問題。

・若手の選手起用について、ユースの選手を一度上で試すことで、その選手の進路を皆で考えることが出来る。また上の選手の短期的な刺激になる。経験の無い選手だが練習で良ければ信じて試合に出すようにしている。

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感想
録画視聴して一番に感じたことは、「目先の勝利を取る事と選手の個性を伸ばすことは全く異なる」という事。
 乱暴に分かりやすい言い方をすると、「選手の個性を犠牲にしてチームとしてのまとまりを高めた方が目の前の試合を勝ちやすい、でも選手の将来性は犠牲になる。」という感じ。
 1人抜けた選手がいてもその選手に100%の個性を出させるより、80%位に抑えさせて、チームとしてうまくまとまりを持たせる方が勝利を望みやすいのはサッカーにおいて事実だと思う。
 でもそれをやると選手の将来性を潰してしまうし、何より長い目で見たチームの将来性が無くなってしまう事になる。
 サッカーにおいてチームを作るというのは非常に時間がかかることだという事を改めて感じた。
※20年以上前は熱心な教師が多かったり、サッカー自体がマイナースポーツだったこともあり、時間をかけたチーム作りをしていたチームが多かったが、最近はサッカーがメジャーになって競争が激しくなり、時間をかけたチーム作りが出来ず、目先の勝ちを拾いに行くチームが多くなったという印象を受ける。


サッカーの試合において「大差で勝ちます」と言ってはいけない

2018年09月06日 22時09分54秒 | その他
サッカーの試合で「大差で勝ちます」などと言ってはいけない。

理由は、サッカーはあらゆる球技の中で最も得点の入りにくい競技だから。
サッカーの試合で大差がつくのは以下の2つの場合のみ
・試合中に相手の集中力が切れる
・チーム力の差が大き過ぎる

大抵の場合は、相手の集中が切れることで大量得点差の試合となる。
つまり勝ったチームが強いのではなくて、相手の気持ちが切れたことによって点差が開くことがほとんど。
だから「大差で勝ちます」と言う事は、「相手の集中が切れることを期待して試合に臨みます」と言っているようなもの。

仮に本当に強いチームで相手の集中が切れなくても大量得点を奪えるのであれば、そもそもそういう大差で勝てるチームと公式戦を戦う環境に身を置いているという現状に危機感を感じるべき。(そんな試合をしている間にも、全国の強豪はレベルの高いタフな試合をこなしてレベルアップしている)

点が最も入りにくい競技であるサッカーにおいて重要なのは、無駄な失点を減らして集中した相手からいかに1点をもぎ取るかということ。
集中した相手からもぎ取る先制点と、集中の切れた相手から奪う4点目や5点目の価値は天と地ほどの差がある。
サッカーの試合でたくさん点を取るということは、選手の勘違いを生むばかりで、見た目ほど良い事ではない。

森保ジャパンの船出

2018年09月04日 22時55分53秒 | A代表
SAMURAI BLUE(日本代表)メンバー・スケジュール~キリンチャレンジカップ2018【9/7@北海道 vsチリ代表】【9/11@大阪 vsコスタリカ代表】~

監 督:森保 一(日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ)
コーチ:横内 昭展(日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ)
コーチ:和田 一郎(日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ)
フィジカルコーチ:松本 良一(日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ)
GKコーチ:下田 崇(日本サッカー協会 ナショナルコーチングスタッフ)

選手
GK
東口 順昭 ヒガシグチ マサアキ(ガンバ大阪)
権田 修一 ゴンダ シュウイチ(サガン鳥栖)
シュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)
DF
槙野 智章 マキノ トモアキ(浦和レッズ)
佐々木 翔 ササキ ショウ(サンフレッチェ広島)*
車屋 紳太郎 クルマヤ シンタロウ(川崎フロンターレ)
遠藤 航 エンドウ ワタル(シントトロイデンVV/ベルギー)
室屋 成 ムロヤ セイ(FC東京)
植田 直通 ウエダ ナオミチ(セルクル・ブルージュKSV/ベルギー)
三浦 弦太 ミウラ ゲンタ(ガンバ大阪)
冨安 健洋 トミヤス タケヒロ(シントトロイデンVV/ベルギー)*
MF
青山 敏弘 アオヤマ トシヒロ(サンフレッチェ広島)
山口 蛍 ヤマグチ ホタル(セレッソ大阪)
大島 僚太 オオシマ リョウタ(川崎フロンターレ)
伊東 純也 イトウ ジュンヤ(柏レイソル)
中島 翔哉 ナカジマ ショウヤ(ポルティモネンセSC/ポルトガル)
南野 拓実 ミナミノ タクミ(ザルツブルク/オーストリア)
三竿 健斗 ミサオ ケント(鹿島アントラーズ)
伊藤 達哉 イトウ タツヤ(ハンブルガーSV/ドイツ)*
堂安 律 ドウアン リツ(FCフローニンゲン/オランダ)*
FW
小林 悠 コバヤシ ユウ(川崎フロンターレ)
杉本 健勇 スギモト ケンユウ(セレッソ大阪)
浅野 拓磨 アサノ タクマ(ハノーファー96/ドイツ)

※*は初選出
選手変更(9/2)
山口 蛍(YAMAGUCHI Hotaru/ヤマグチ ホタル)
MF 所属:セレッソ大阪 理由:怪我のため
大島 僚太(OHSHIMA Ryota/オオシマ リョウタ)
MF 所属:川崎フロンターレ 理由:怪我のため

天野 純(AMANO Jun/アマノ ジュン)
MF 所属:横浜F・マリノス 1991年7月19日生 175cm/64kg
※SAMURAI BLUE 初招集
守田 英正(MORITA Hidemasa/モリタ ヒデマサ)
MF 所属:川崎フロンターレ 1995年5月10日生 177cm/74kg
※SAMURAI BLUE 初招集


スケジュール
2018年9月7日(金) 19:00キックオフ(予定)
北海道/札幌ドーム
SAMURAI BLUE(日本代表)vs チリ代表

2018年9月11日(火) 19:20キックオフ(予定)
大阪/パナソニックスタジアム吹田
SAMURAI BLUE(日本代表)vs コスタリカ代表


感想
明確な「世代交代」感をこれ以上ないくらいに醸し出してきた森保ジャパン。
ロシアW杯時のチームの平均年齢が高かった事から世代交代はチームの避けられない課題ではあったが、いきなり大きく舵を切ってきた。
海外組のベテラン勢は今回は呼ばれなかった選手がいるので、この面子が今後の軸になるとは考えづらいが、チーム初戦はどうしても注目されるので、世間的には今回のメンバーが「今後4年間の中心」と思われてしまいそう。
心配なのは、あまりに思い切った世代交代策に対して、世間がそれに「期待」という反応をしてくれるだろうか?という事。
似たような状況がジーコからオシムにバトンタッチした時にもあった。その時はベテラン中心だったジーコ監督からオシム監督に代わって、一気にチームを世代交代で若返らせたが、世間的には黄金世代の多くが代表からいなくなって、A代表が知名度の低い選手ばかりで注目を浴びなくなり、日本サッカー人気が下火となり、その日本サッカー人気が下がった状態が南アフリカW杯での健闘で世間が「ごめんね岡ちゃん」となるまで続いてしまった。
今回は状況としてはその時に似ている。唯一違うのは東京五輪という若手世代のビックイベントが2年後に控えているという事。
今回召集された若手選手が皆、将来有望な選手であることは間違いないけれど、将来有望な選手を召集するのはアンダーエイジの代表でする事で、A代表はそういうところではない。
そんな訳で、個人的には今回のキリンチャレンジカップのA代表はA代表じゃないと思っている。