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藤枝MYFCを中心としたサッカー観戦記やサッカーに関する個人的な意見の書き込みが中心です。

華麗なる守備的サッカー

2014年06月02日 22時53分02秒 | その他
守備的に引いて守るサッカーの事を「どん引きサッカー」などと揶揄して表現されることがある。
スペイン代表のようなショートパスサッカーを手本とする今の日本サッカー界では、引いて守るサッカーは「醜いもの」とする風潮さえあることに対して個人的見解を申し上げたい。
(過去に似たような内容の書き込みを何度かしているので、過去の書き込みと重複する表現がたびたび出てくるがご容赦願いたい)

今回ハッキリといいたいことは、守備的なサッカーでもよく練習を積んで鍛錬したものは、非常に見ごたえのある芸術的なサッカーになるということ。
例えば市船のサッカー、全体が連動してかけるプレスは芸術品といっても良いもので、ちょっと練習して簡単にマネできるようなものではない。
選手権に出場した時の藤枝明誠のプレスも素晴らしかった。最終ラインの4人と中盤の4人が作る2本の一直線のライン(選手間の距離)が乱れることなく連動してプレスをかけ続ける様は見ていて感心するばかりだった。
その藤枝明誠のプレスサッカーをさらに進化した姿を見せたのが三田(FC東京)が3年生の時のFC東京Y。全体が連動したプレスに圧倒的な攻守の切り替えの早さが加わっていた。
キック&ラッシュを徹底していた時の暁秀も見ごたえがあった。全員の意識が統一された状態から繰り出される縦パスには魂がこもっていた。


ポゼッションサッカーとカウンターサッカーのどちらが「正しいサッカー」なのかという事を論ずるのはナンセンスだ。
それぞれに特徴があり良さがある。その良さをどれだけ引き出すことが出来るのかという話であり、正しいとか間違いという話ではない。
これは和食と洋食と中華のどれが最も優れた料理かという話をしている事と変わらない。それぞれの料理に特徴や良さがあり、その料理の良さをどれだけ引き出す事が出来るかという事が重要であり、これはそれと同じ類の話だ。

1つ最近気になるのが、「なんちゃって守備サッカー」をやるチームが稀に見られるという事。
普段はポゼッションサッカーをやっているのだけれど、「対戦相手が強いチームだからこの試合は守備的に戦おう」という試合の入り方をするチーム。
普段と異なる戦い方をするにしても、キチンと準備をして練習を積んで試合に臨むのなら良い。数年前の総体で静学が翔洋に敗れた試合で翔洋が見せた「6バック」はその冴えたる例だ。
そんな周到な準備をしていれば良いが、ただ何となく引いて守るだけのブサイクな守備的なサッカーをするチームも多くある。それはもう見るに堪えない代物だ。
「守備的なサッカー」を薄っぺらい戦術としか見ていないと感じる「なんちゃって守備的サッカー」を見せるようなチームを実際過去に幾度となく見ている。

守備的なサッカー = 下等なサッカー = 引いて守るだけだから簡単にできるサッカー

このような間違えた考え方だけはしてほしくない。
守備的なサッカーも奥は相当深い。


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2 コメント

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美学 (white-snake)
2014-06-03 11:53:37
いつも勉強になるレポートを書いてくださり、本当にありがとうございます。

そして、インハイ時に書かれている名文の数々が、個人的にはとても好きです。

本当にオートマチックに連動して選手が動いて行く様というのは、攻撃にしても、守備にしても芸術的で、まさに指導者の美学がそこに光ります。練磨された各々のスタイルがぶつかりあうゲームは勝ち負けではない、醍醐味というか、感動すら覚えさせますよね。

強豪校と戦う弱小のチームが、リトリートして一発のカウンターに賭けるゲームも何度も見てきました。強いチームの視点からすれば、引いて守るしか能が無い、としか見えないでしょうが、そこで「耐える」、そういうのも高校サッカーの一つのスタイルであり、華麗ではないですが、そういうのもありだと、僕も思います。


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Unknown ()
2014-06-03 21:06:19
white-snake様

コメントありがとうございます。
チーム全員が集中して耐える姿も高校サッカーの美ですね。
選手の意思がバラバラでしどろもどろになりながら守る姿をハラハラしながら観戦することは、高校サッカー観戦の1つの醍醐味だと思います。
ただ、選手の集中が切れてしまったチームについては、残念としか言いようがありません。

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