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藤枝MYFCを中心としたサッカー観戦記やサッカーに関する個人的な意見の書き込みが中心です。

第96回選手権2回戦 @等々力

2018年01月02日 17時51分58秒 | 高校サッカー・クラブユース
等々力陸上競技場にて選手権2回戦を観戦

桐蔭学園 2ー2(PK2ー3) 一条

得点
前半12分 (桐)3森山のドリブルシュート
後半3分 (一)9中井のシュートリングがそのままゴールイン
後半30分 (桐)20瀬賀のクロスを3森山が頭で合わせる
後半40分 (一)クロスボールを3酒本が折り返し18相坂が頭で合わせる

得点には至らなかった決定機
前半25分 (一)18相坂が落としたボールを10竹島がシュート放つが枠外
前半37分 (桐)11平田のパスを受けた13目黒がシュート放つがGKセーブ
後半5分 (桐)3森山からのパスを受けた19獄間澤がシュート放つがGKセーブ
後半8分 (一)クロスを5酒本が折り返し18相坂がシュート放つがDFクリア
後半23分 (桐)16若林のスルーパスに抜け出した3森山がシュート放つがGK1古田がファインセーブ、こぼれ玉を3森山がつめるが枠外
後半38分 (一)7宍戸のクロスを10竹島が合わせるがミートできず
後半40分 (桐)20瀬賀が抜け出しGK1対1となるがGK1古川がファインセーブ

桐蔭学園スタメン
      17寺澤
2内田 12吉田 15ネルソン19獄間澤
    7宍戸 8川崎
 13目黒       16若林
    3森山 11平田
交代
後半0分 内田→5岩本
後半12分 平田→20瀬賀
後半27分 獄間澤→22加藤(加藤がCB、ネルソンが左SB)
後半35分 目黒→9大薗
後半40分 若林→14村上


一条スタメン
      1古田
5猪股 4生成 3酒本 2山原
    8川崎 13石川
 9中井       6松田
    18相坂 10竹島
交代
前半22分 生成→12奥井
後半21分 中井→7堀之内
後半29分 猪股→17毎田

感想
白熱した好ゲームとなった試合だった。
戦前の予想は桐蔭学園が無難に勝利するかと思われたが、一条が対等に渡り合い拮抗した試合内容となった。ポゼッションに関しては桐蔭が中盤を支配してボールをつなげチャンスを作り出したが、一条がGK1古田を中心に粘り強い守りを見せ、カウンターから反撃、一条も何度もチャンスを作り出していた。 
前半に桐蔭が先制するも後半立ち上がりに一条が同点に追いついてその後は拮抗した展開、後半30分に桐蔭が勝ち越し点を奪い試合が決まったかと思われたが、その後一条が攻め込みラストワンプレーで同点に追いつく劇的な展開だった。
桐蔭は3森山の馬力のある突破と16若林のドリブル突破が目立っていた。また6金子を中心に中盤から丁寧にボールを繋ぎ攻撃を組み立てていた。
一条は中盤のボール支配では桐蔭にポゼッションされたが、全体的に見たら桐蔭と互角に渡り合っていた。間違ってもガチガチに守ってカウンターという感じではなかった。特に18相坂と6松田が絡む左サイドからの攻撃が良く、左サイドから何度もチャンスを作り出していた。また個人的この試合のターニングポイントとして挙げたい後半29分の5猪股から17毎田への選手交代。17毎田はFW登録の攻撃的な選手で、一条が後半の同点の時間帯にSBに攻撃的な選手を投入したことになる。結果的にはこの攻撃的な交代策は裏目に出て、交代後に相手に勝ち越し点を与えてしまったわけだが、奈良県の代表校が神奈川県の代表校相手に試合終盤で勝ち越し点を奪いに行くという事自体が(奈良県に対して失礼な話だが)今までではあまり考えられなかった事であり、「そういう時代になったか」と感じさせられた一幕だった。

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東福岡 0ー1 富山第一

得点
後半40分 4小森のCKを9大竹が頭で合わせる

得点には至らなかった決定機
前半16分 (富)8前田のパスを受けた9大竹のシュートをGKセーブ
後半1分 (富)右からのクロスを10坪井がシュート放つが枠外
後半3分 (富)ロングスローを4小森がつなぎ10坪井がシュート放つがGK14松田がファインセーブ
後半22分 (東)23福田弟のシュートをGK1吉田がファインセーブ
後半39分 (東)11木橋のFKを1吉田がファインセーブ


東福岡スタメン
      14松田
2中村 4阿部 5斉藤 3長尾
      8青木
13沖野 6田村 10福田兄11木橋
      9守田
交代
後半12分 沖野→23福田弟(福田弟が2列目中、木橋が2列目右、福田兄が2列目左)
後半23分 守田→20大森

富山第一スタメン
      1吉田
  5松本 3滝本 2中田
11高浪         4小森
  8前田 7多賀 6高縁

    9大竹 10坪井
交代
後半23分 滝本→20尾崎
後半23分より以下のとおりシステム変更
   1
11 5 2 4
   20
 8 7 6
  9 10

感想
拮抗した展開の試合となったが試合終了間際に富山第一がCKから得点を奪い勝利した。
試合内容はほぼ互角で、決定機の少ない拮抗した展開が80分間続いた試合だった。
東福岡は4ー1ー4ー1のフォーメーションで中盤から素早いパスワークでサイドから相手ゴールを脅かす伝統のスタイル。攻撃的なスタイルだが、アンカーに入っていた8青木のカバーリングが素晴らしく相手の攻撃の芽を潰していた。
富山第一は10坪井と9大竹の2トップが注目を集めていたが、他にも7多賀、8前田、4小森の活躍も素晴らしく中盤での競り合いで東福岡相手に全く引けを取っていなかった。7多賀は中盤のそこで巧くバランスをとって東福岡ペースの試合にしなかった。8前田は非常に能力が高く上のレベルでも十分通用すると感じさせられた選手。4小森はSBながら巧みな足技で東福岡相手に股抜きを2回見せるなど会場を沸かせた。また富山第一はロングスローを投げる選手が2人いた他、セットプレーのキックも正確で、スローインやFKのシーンになるとどんどん相手ゴールにボールを放り込む戦い方。東福岡としてみたらセットプレーやスローインでプレーが切れるたびに試合が止まりゴール前にボールが放り込まれるので、全体のラインを引かざるを得ず、なかなか自分たちのリズムで攻撃を組み立てることが出来ずに戦いづらそうで、ブツブツ切れる流れに東福岡が最後まで自分たちのペースを作ることが出来ず、富山第一ペースで80分間試合が進んでいた印象だった。
東福岡はチーム力は間違いなく優勝候補と言えるレベルのチームだったと思うが、気になるのが今日の試合で富山第一ペースの試合だったにも関わらず、選手が全く慌てる素振りがなかったということ。「落ち着いて自分たちの力を出し切れば勝てる」という考え方でそれはそれで良いとは思うのだが、無理にでも相手ペースを崩そうとする戦い方は見られず、結局試合を落とす結果となった。一昨年の選手権で優勝してからは、優勝候補筆頭といって良い戦力を保持しながらも、最近の全国大会ではなかなか結果が残せていない東福岡だが、試合内容にどこか横綱相撲をとっている雰囲気を感じる。選手の意識のどこかに「受けて立つ感」が強くなってしまっているように感じた。