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ごめんなさい、ごめんなさい・・・と繰り返し泣くセゲ。
電話を切り、ドジェはセゲの家に駆け付けました。
ドアを叩きました。
僕の顔を見ながらきちんと話してくれと言いながら。
やっとドアを開けたセゲ。落ち着きを取り戻していました。
「あなたが助けたのは、私よ。あなたが救ったのも、あなたを壊したのも、10年間苦しめたのも、私なの。なのに、私は何も知らずあなたの横で笑ってた。幸せだった。ごめんなさい・・・。」
幸せにすると言う約束は守れなくなった、そんな資格は無い・・・。
「僕は大丈夫だ。」
ドジェが言いました。
一生大丈夫だと言えるかしら?全て忘れて生きられる?・・・とセゲ。
「万が一あなたは出来ても、私は無理。」
じゃぁ、どうすればいい?とドジェ。
「私たち・・・。」
と、セゲが言いかけたのを、ドジェが遮りました。待ってくれ・・・と。
「また来る。その時に話そう。」
そう言って、ドジェは帰って行きました。
セゲが何を言おうとしているのか、ドジェには分かったのでしょう。その言葉だけは聞きたくなかったし、言わせたくなかったから、遮ったのでしょう。
2人とも、長い夜でした。
ドジェも平気だったわけじゃないでしょう。
これまで自分が如何に努力してきたかを思い起こしていました。
治す方法が無いわけじゃありませんでした。
ただそれは成功率5%ほどしかない手術でした。悪化する可能性もあるし、手術中、もしくは手術後に死亡する可能性もありました。
ドジェ母は、そんな危険を冒す気にはなれませんでした。何としても生きていてほしかったから。
でも今、ドジェはその方法に賭けてみようと思ったのかもしれません。
ドジェは母に聞きました。
10年前、事故に遭ってなかったら、自分はどんな人間になっていただろう・・・と。
そして、人を助けたことを悔やんだことは無いと。
でも、母は違いました。後悔していました。
「困ってる人を助けろ、人の見本になれと、そんな風に育てなければ良かったと思ってる。」
母親とすると、そうでしょうね。
チョン秘書にその頃の自分がどうだったか、聞いてみました。
チョン秘書は、ありのままに教えてくれました。
酷かったと。
まだ子供で、酷く苦しみ、悲しんでいたと。感情の起伏が激しく、このまま生きていけるんだろうかと思ったと。
自分の10年間を振り返ったドジェです。
そんな時、キム理事が緊急理事会を招集。
病気を理由にドジェを後継者の座から引きずり降ろそうと言う魂胆です。
ドジェは憂さ晴らしに丁度良いと、これでもかと言う感じに、キム理事を懲らしめました。
その場で首を言い渡したんです。
勝手に理事を首になど出来ないと騒ぐキム理事に、解雇理由など、後からどーにでも出来ると言い切りました。なかなかの強引なやり方です。これまでのドジェからは考えられないほどの。
グッドタイミングにイム会長もその場に現れ、いっさいキム理事の抗議など受け付けませんでした。
これを見たキム理事寄りの者たちが、一斉に背を向けてしまいました。
これで勝負ありました。
セゲは急にハードスケジュールをこなし始めました。
ウミは、結婚するのかといぶかしく思いましたが、セゲはまさか・・・と答えただけでした。
引退の準備を始めたのです。
ドジェはそんなセゲを遠くから見つめていました。
明らかにいつもとは違う表情のセゲを。
ウノを呼びだし、お酒を飲みました。
神はいるのかな・・・と呟くドジェ。もしいるなら憎んでいいかな・・・と。
ウノは、セゲの病気のことを言ってると思いました。だから、その気持ちを理解できると言いました。
「ハン・セゲさんは僕の鏡です。よりによって何故私だけが、なぜこんな病気に?何も悪いことはしていないのに・・・と言う彼女の言葉は全て僕が今まで言って来た言葉だ。」
神の思し召しかと・・・とウノ。
「恨めしいな。酷い仕打ちだ。」
思い切り恨んでください、僕が代わりに懺悔しておきます・・・とウノは言いました。
セゲはそれをウミから聞きました。
思わず駆け出し、ドジェの顔を見に行きましたが、声をかけることはできませんでした。
泣いてはいけない、泣く資格はないと自分に言い聞かせました。
ウノからドジェと一緒にお酒を飲んだと聞いたセゲは、これからはドジェに会うなと言いました。
このところ何となく変だと思っていたウミ。
「別れたの?」
と、聞きました。
何も言わないセゲに、ウミはそれ以上聞きませんでした。
体調を崩したサラは、ウノに薬を持って来てほしいと頼みました。
その様子を見たウノは、サラには自分しかいないと改めて感じました。