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好きな人に好きだと言える平凡な男として・・・。
ソヌは、他の普通の男性と同じ位置に立って告白したかったのです。体が不自由というハンデ抜きに、自分という一人の人間として告白してもよい、告白する資格のある人間だとノウルに認識して貰いたいと。
ノウルは、何も答えられませんでした。
つい、ソヌの動かない足に目が行ってしまいました。
ソヌはそれを見逃しませんでした。それがノウルの答えだと思ったでしょう。
ソヌは、先に帰らせてくれと言って、部屋を出ていきました。
車イスが床のちょっとした出っ張りに行き詰まりました。
こんな些細な事がネックとなる自分に苛立ちが募った感じのソヌ。
その時、たまたま通りかかったのは、カン秘書。
彼女はとても人の心の動きに敏感です。だからこそスンヒョの秘書などやってられるのでしょうね。カン秘書の言動に、気分がすっきりすることが多々ある私です。
カン秘書は、ソヌの心に何か鬱屈したものがあると察し、家まで送って行きました。
道中も、かかってきた電話も無視し続けるソヌのために、着信音が聞こえないようにラジオをつけたり、余計な話は一切しませんでした。
一人で帰るよりはマシだったかもしれません、ソヌ。
一方、ノウルはぼんやりとソヌを見送った後、このまま一人で帰すのはいけないと思ったのか、後を追いました。
でも、既に病院のロビーにもソヌの姿はありませんでした。
その頃、ソヌはカン秘書と共に地下駐車場にいましたからね。
ジヌは約束をすっぽかしてしまった事が気になって、セグル21の事務所まで行きました。が、中に入る勇気が出ません。
そこに、ソヒョンが偶然現れて・・・と言うのは嘘で。
ソヒョンは長い間ジヌがビルの前でうろうろしているのを目撃していたんです。自分に会いに来たと察したようですね。
でも、そんなこと、おくびにも出さず、偶然会ったフリをしました。こういうところの大人な対応が、とても良いです。
食事をしながらの会話はとても楽しいものでした。
だから、つい、ジヌは次の約束を取り付けようとしたのですが、途中で口をつぐみました。もう一人の元気なソヌの姿を見たからです。
ソヌの事を思うと、やはり自分一人が幸せになるなんてこと出来ませんでした。
チュ胸部外科長に院長選に立候補してほしいと部下の医師が言いました。
でも、チュ胸部外科長にはその気はありません。
ところで、スンヒョが動物愛護センターから検査のために預かった犬ですが。
やっぱり、そのままスンヒョの家で飼うことになりそうです。
連れて帰った時は、文句たらたらだった母親も、動物病院に連れて行って何やら薬を貰って来たり、嬉しそうになでなでしてますよ(*^ー^)ノ♪
一応、あくまでも飼うのは反対の立場を取ってるつもりのようですが・・・。
名前はチョノギ。夕方と言う意味だそうです。
家庭の中では母親が一番の権力者で、父親はその顔色を伺ってばかりいます。でも、とっても面白い家族です。
この家族のシーンが、唯一ほっとします。
「副院長の件は、穏便に処理してください。」
と、スンヒョはソヌに言いました。決して揉み消してくれと言うのではありません。
代理手術がなくならないのは、処分が甘いからです・・・と、ソヌ。
副院長を辞めさせます・・・と、スンヒョ。
スンヒョは、副院長を庇いたいのではなく、自分が立て直しを任されたこの病院に悪影響を及ぼしたくないのです。
「こちらで悪因を取り除きますので、どうか穏便に処理を。」
と、スンヒョが言うと、どうして切り札を使わないのかとソヌが問いました。
切り札と言うのは、ジヌという家族がこの病院にいるということですね。
その家族を切り札として審査を甘くすることを要求したり、脅すことも出来ます。
なのに、頼むと?と、ソヌ。
「ええ、頼みます。」
と、スンヒョ。
僕からも頼みがあります・・・と、ソヌ。
病院の文化を変えてほしいと言いました。医療事故を隠蔽したり、副院長なら部下を脅したりするような事を無くしてほしいと。過ちを認められる環境にしてほしいと。
あなたなら、できる筈だとソヌは言いました。
「医者ではないあなたが病院の社長に決まった時、あなたの事を調べました。グループの一族以外で最年少CEOと知り、最初は天才肌なんだと思いました。今は、この人はたくさん努力してるんだなと感じています。社長の努力がどこに向かうのか期待してはいけないでしょうか。」
確かに、スンヒョは仕事において、多くの準備をしています。対する相手の個人情報は勿論、専門知識も可能な限りあらかじめ仕入れようとしています。
見上げた企業家です。
スンヒョはすぐに副院長の処分を発表しました。
副院長は無期停職処分とし、診療業務から無期限排除。患者に直接謝罪し、治療費を全額払い戻すこと。
謝るなんてこと、副院長がする筈ありません。スンヒョは分かってて、敢えて加えた項目なんです。
副院長は激怒し、スンヒョのところに乗り込もうとしました。
社長室に向かう途中、イがんセンター長とオ神経外科長、チャン臓器移植センター長たちの一行に出会いました。
彼らは、ノウルとソヌ・チャンも一緒に、脳死判定にむかってるところでした。
それぞれが苛立ってる時です。
もう誰が初めだったか分かりませんが、とにかく、公衆の面前で言い争いが始まってしまったのです。
まー大人げない。
副院長、イがんセンター長、オ神経外科長の3人は、院長選挙に立候補していますから、この時とばかり相手を攻撃しましたよ。
オ神経外科長くらいですかね、脛に傷を持たないのは。
とにかく、見苦しいったらありゃしない。
でも、誰も止められません。最高権力者たちですからね。
そこに、ジヌが突然割って入りました。
「本当に報告したのですか?」
イがんセンター長が、部下の投薬ミスを院長に報告したら、院長が隠せと言ったと発言したからです。
イがんセンター長は、一瞬言葉に詰まりました。
どうなんですか?と、迫るジヌに、気圧されたような表情のイがんセンター長。
直前に、ジヌは聞いたのです、今日でイがんセンター長によって首を宣告された後輩医師から。
イがんセンター長が口止めしたと。医局の外に知られてはならないと言われたと。だから、院長に報告なんてする筈ないと。
「死んだ時、院長は投薬ミスがあって患者が死んだことを知っていたのですか?」
ジヌが重ねて問うと、躊躇しましたが、開き直ったように言いました、報告した・・・と。
その場の雰囲気が一瞬にして変わりました。皆の目は、イがんセンター長に失望した事を物語っているように見えました。
そそくさとその場を去る職員たち。
残されたのは副院長とイがんセンター長。
こんな病院で診察してもらいたく無いですわ、わたし。
ジヌはその足で手術中のチュ胸部外科長のところに行きました。
手術室から出てきたチュ胸部外科長に言いました。
「院長になってください。これ以上避けないでください。これ以上、病院が傾く前に立ち上がってください。」
それでも、チュ胸部外科長はしり込みしました。
院長が皆の反対を押しきってまで遠くから呼び寄せた訳があると思います・・・と、ジヌ。
投票日まで時間が無い、とチュ胸部外科長。
間に合います!と、ジヌが言った時、先だって同じように頼んだ医師が出てきて言いました。
「間に合います。」
副院長は、スンヒョのところに乗り込んでいました。
あれこれと脅しにかかりました。
チョ会長の名前まで出した時、スンヒョの表情が変わりました。
全く反省していないどころか、チョ会長の恐ろしさを知らずに脅しにかかるなんて・・・ね。身の程知らずにも程があるってところでしょうか。
私にはもう失うものはない・・・と、副院長。
「無いわけがない。」
と、スンヒョ。私もそう思います。まだまだ持ってるもんね、副院長は。家族もそうでしょうし。
「あなたのために言いましょう。財閥の会長は普通の人間じゃない。私は経験してますから。」
一瞬、強ばった表情を見せた副院長。捨てぜりふを残して出ていきましたよ。
「財閥の会長が月給取りの社長を守ってくれるか見ものです。」
救急医療センターの看護師ウナが、ソヌにスンヒョのやり方についての不満を訴えました。
が、ソヌたち審査院には経営に立ち入ることはできない規則です。
そこに、ソヌ・チャンがやって来ました。
ウナは、ソヌ・チャンに労働組合としての自覚が足りないと噛みつきました。
ソヌ・チャンが屋上に出ていったのを見て、エレベーターに乗ろうとしたら、降りて来たのはスンヒョ。
同じように屋上に行くのを見て、ふと怪しく思えたウナは、そっと様子を窺いました。
ばれる!と思ったら、流石スンヒョ。
偶然、屋上で会った風な態度を見せて、怪しまれないようにしましたよ。
一応、信じたかな。
スンヒョは、ウナが引き返してチェックすると踏んだのです。ホント、流石です。
ジヌはチュ胸部外科長を推してほしいと、同僚たちを説得しようとしました。
でも、いい人だとは思うけど、本人にやる気が無いんだから・・・と言われるばかり。
今のところ、オ神経外科長が有力なのは周知の事実。
皆、何となく物足りなさを感じながらも、オ神経外科長しかいないし・・・と言う感じです。
チュ胸部外科長も悩んでいました。
何とかしなければと言う思いは強いのですが、自分で良いのかという思いも強いのです。
あまりにも酷い体制だったので、すべてを覆して新体制を作りたいと思ったのは事実ですが。
でも、やっと決心がつきました。
ジヌに母校で院長選に出ようとしたときにまとめたプレゼン資料を見せました。
それを、病院名を変えて使うと言いました。
ジヌ、やっと笑顔になりました。
そして、いよいよ投票日となりました。
チュ胸部外科長とオ神経外科長が選出されました。有効投票数に満たなかったのです。
2人で再投票です。
ところがですよ。
再投票が始まる直前にスンヒョが現れ、チュ胸部外科長に言葉をかけたんです。
オ神経外科長には会釈しただけだったので、チュ胸部外科長の肩を持つのかと思いきや。
以前、母校に戻りたいと言ったことがあったけど、この病院に残る気になったのですね・・・なんて、言っちゃった。
聞いていた医師たちは、またチュ胸部外科長はこの苦境から逃げるつもりなんだと思っちゃったよ。
これで勝ったと、オ神経外科長はほくそ笑みました。
心配して会場に来ていたジヌも、その雰囲気を感じとりました。
スンヒョ、いったいどういう考えであんなこと言ったの?