韓国時代劇最新ファイル2020 (COSMIC MOOK) | |
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感染する危険を省みず、直接患者に会いに来たグムを、民は皆感激の面持ちで迎えました。
何より、疫病が天罰などではなく、世間に流布している噂は全て嘘だと言ってくれ、最後まで一緒に戦うと言ってくれたことは、民を感動させました。
それを聞いた重臣たちも、同じ気持ちだったでしょう。
勝手に行動したことを、ミン・ジンホンは注意しました。それは臣下の仕事だと。
でも、グムは言いました。
「何をすべきか、どうすべきかが今重要なのであって、誰がすべきかではない。」
実際、民の動揺が収まったのは、王であるグムが出向いたからです。他の誰も出来なかった事でしょう。
「民を守るのは王のみならず重臣の務めでもある。それゆえ、共に務めを果たそう。」
その言葉を聞いて、ミン・ジンホンは、自分より年若いグムに教えられた気がしたようです。そして、チョ・テグですら。
グムは怪しい井戸を封鎖し、以前疫病を収めた時と同じ処方で治療に当たるよう指示。
これが、効を奏しました。
新しい患者が出なくなり、患者の病状が回復し始めたのです。
勿論、大妃も回復しました。
それを知ったイ・インジャは、グムを侮ってはいけないと感じたのです。
チョ・テグがグムに従順になっていくのを見た少論派の一部は、彼と袂を別ちました。
少論派の分裂です。流石にショックを受けたチョ・テグでした。
彼の気持ちを一番理解できるのは、皮肉にもライバルであるミン・ジンホンでした。
これが政治に携わる事の難しさだ・・・と、ミン・ジンホンは言いました。
敵を一生理解できなければ、存分に戦えるが、敵を理解できる時があると言いました。
それが、今の彼らとグムの関係です。
「初めてだ、王に感服した。」
と、ミン・ジンホンが言いました。
おそらく、儒教社会においては長幼の序を重んじる事が重要なんでしょう。だから、自分より年若な王に対しては、いくら王であっても年長の臣下が教え諭すのが当たり前で、王でも年少者ならば年長の臣下を敬うのが当然とされてきたのでしょうかね。
ま、相手が王の場合は、流石に限度もあるでしょうけど。
「年長の私が年若の王に一つ学んだ。そなたも私と同様苦悩しているだろう。敵である王を理解でき認めねばならぬようで。」
ミン・ジンホンの言葉にチョ・テグは苦笑して頷きました。
グムは、今回の一件にミルプン君とウィ・ビョンジュが関わっていると感じていました。しかし、流刑中だった彼らだけで計画できる事ではないと思いました。
第三者がいるかもしれない。グムはそう察しました。
チョ・テグから離れた少論派は、イ・インジャに呼び出されました。
そこで、彼が準備した兵力を見せつけられ、宮廷内部にも相当な数の間者がいると知ると、一気に気持ちがそちらに向かったのです。
イ・グァンジャ、チョ・ヒョンミョン、パク・ムンスは、それぞれに調査を続けていました。
それらの情報を持ってグムに会いに行きました。
グムは、タルムンのアジトを連絡場所として今も使っていました。
ムンスからそれを聞き、イ・グァンジャたちがグムを待っていたのです。
報告を聞いたグムは、敵が強大な勢力を有していると考えざるを得ませんでした。
ある日、パク・ムンスはウィ・ビョンジュのあとをつけ、砦までやって来ました。
あまりにも強大で組織立っていることに驚愕しました。
密かに仲間のフリをして潜り込んだムンスは、そこでイ・インジャとウィ・ビョンジュの会話を耳にしました。
国中に仲間を作っていて、それらの者たちと一斉に蜂起する計画と聞き、急いで都に戻りました。
イ・インジャを中心とした反乱軍が事を起こそうとしている!
それを知ったグムは、一気に動きました。
イ・グァンジャとチョ・ヒョンミョンを復職させました。
そして、ミン・ジンホンとチョ・テグの協力の元、宮廷内部の間者を一挙にあぶり出して捕らえたのです。
間者たちは、グム自身を殺そうと動いたところを一網打尽にされたのです。
パク・ムンスの姿を見たグムは涙が込み上げてきたようです。
これで、心から信頼して共に戦える味方が戻ってきてくれましたから。
ムンスから反乱計画を聞き、グムは流石にその規模の大きさに驚きました。
その時、報告が入ったのです。
清州城が反乱軍に襲われ陥落したと。
イ・インジャは、砦の存在がばれたと知った時、計画の実行を前倒しにすると決心していたのです。
で、まずは王の命を・・・と、宮廷内部の間者たちに指示した一方で、自分達本体は地方の城を狙ったってわけです。