韓国時代劇最新ファイル2020 (COSMIC MOOK) | |
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「新しい朝鮮は、まさにここ司憲府から始めねばならぬ。」
グムは、居並ぶ司憲府の者たちに言いました。
これまで、公平であるべき司憲府の信頼は地に落ちてしまっていました。
その病弊をこれ以上見逃すことはしないとグムは言ったのです。
それは国と司憲府の官吏を守るためでもあると言いました。
その第一段として、人事を握ってきた役職を廃止すると言いました。制度の全面的な改革をするということです。
当然、激しい反発が起こりました。
老論派が占めてきた役職を廃止するということは、宮廷での牙城を崩されるということになります。派の権力が削がれてしまうわけですからね、必死です。
が、グムは怯まず、イ・グァンジャに王命を読み上げさせたのです。
直後にミルプン君が王宮に侵入したとの知らせが届きました。
逃げ隠れしたりはしていませんでした。
兵に囲まれ、座り込んでいました。
「実はまだ理解できない。なぜ私でなくお前が王なのか。」
と、ミルプン君は言いました。
「なぜ私が手に出来ないものをお前は全て手にできたのか!」
グムが問いました。逃げることも出来たのに、何故自ら王宮に来たのかと。
「王として死ぬためだ。最後は王として堂々と死にたい。それが王だからだ。」
そう言いながらもミルプン君は恐怖に震えていました。
「もっと恐ろしく勇気のいる選択を最初からしていたら或いは王になれたやもしれぬ。だが、もう手遅れだ。遠からず死をもってその罪を償わせる。」
ミルプン君は兵に両脇を支えられながら、連行されてそうになりました。
一旦は歩き出したのですが、すぐに兵の剣を奪い、兵を斬り殺しました。
そして剣を振りかざしてグムに向かって走り出したのです。
危ないーっ
その瞬間、ヨジが駆け込んで来ました。グムを庇ってミルプン君の前に立ったーっ
でも、その瞬間、グムがヨジを庇って、体を反転させた
ミルプン君の剣は自らの体に刺さっていました。
グムの命で死ぬのではなく、自ら命を絶ったのです。
ユニョンが王妃となって待っていてくれるから、寂しくはないでしょう。
それにしても、良かった~(^_^;)
ラストでヨジがいなくなっちゃうんじゃないかと、心配だったんですよ。
「イ・サン」のように、寂しいラストになってしまうんじゃないかと思って。
イ・インジャとウィ・ビョンジュも、処刑されました。
達観したような表情のイ・インジャに比べて、最期までウィ・ビョンジュは他人に責任をなすりつける体でしたね。
タルムンは一人でユニョンを送りました。
花で綺麗に飾った船に乗せてあの世へ見送ったのです。
この争乱は、一件落着しました。
でも、グムの気持ちは晴れません。
王座にいる間、おそらく今後もいろんな困難が降りかかってくるでしょう。
その度に罰したり処刑することだってあるでしょう。
怖いと思いました。
自分の判断が本当に正しいのか、自分は王の資格があるのかと問うでしょう。
そう話した時、そばにいたヨジが言いました。
それを問うだけでも資格があると思います・・・と。
仮に間違った判断をした場合でも、グムは自問自答することにより、再び正しい道を歩む事になるだろうから・・・と。
「それゆえ、私は王様を信じるのです。そして、それゆえ、王様をお慕いするのです。」
グムは、そっとヨジを抱き締めました。
相変わらずグムと老論派や少論派の重臣たちとは対立したままです。
と言っても、以前のような険悪さは無く、活発に討論を繰り返すことでお互いを理解しようとしているようです。
ま、頭の固い重臣たちは、それまで綿々と続いて来た悪習を変えることに至極消極的だし、自分たちの権力が削がれるようなことは、何としても避けたいと必死になってるわけで。
グムの言う公平で公正な政治を行うには、まだまだ道が始まったばかり。
何時間も続く会議に、重臣たちはいい加減辟易としてますが、グムは疲れを知らないような元気さです。
挙げ句の果てに、民と直接会話をしたいと言い出したグム。
最初は、畏れ多いとしり込みしていた民ですが、グムが何でも思うことを言うようにと言うと、おずおずと前に出て日頃の不満を述べ始めたのです。
勿論、両班たちも反対の立場からの意見を述べました。
主張は平行線を辿り、なかなか結論が出ません。
この対話も何時間も続きました。
公正で公平な政治を目指し、少しずつ前進していくために。
グム・・・英祖の治世は50年を越えます。
朝鮮王朝で最長だとか。
晩年は、自ら息子を処罰し、死に至らしめてしまうと言う悲劇に遇ってしまいます。
私の中では、「イ・サン」のイ・スンジェ大御所の英祖が一番印象に残ってます。
その老いて苦しむ姿を覚えているからこそ、この作品の若き日のグムを見てみたいと思っていました。
面白かったです。
考えさせられる事も多かったです。
まだご覧になっていない方、来月からの NHKBSでの放送で、是非、ご覧になってください。
お勧めです。