＃530 勤め人時代（７）公園の仕事①

職に就いて5年ほど公園の仕事をしました。（その後、もう一度公園の仕事に戻ります）
当時下水道事業が創成期でしたが、公園も同様でした。
古くからの公園もありましたが、大きな公園の多くはこの時期から20年くらいかけ整備されたものです。

公園緑地係は公園の計画、造成、運営管理、維持管理を全て担っていました。
ボクは主に造成を受け持ちましたが、少ない人数なので全てをこなさなければなりません。
滝川公園という名の歴史のある古い公園があります。
開拓初期から公園的な扱いを受けてきた、風致公園です。
石川啄木や国木田独歩が立ち寄ったとする石碑があります。
空知川の河跡湖を中心とした10数haの公園ですが、なぜか隣マチの区域内なのです。
今はすっかり静かになって昔の面影はありませんが、当時は近隣のマチからも利用者が集まる人気の高い公園でした。

公園の中に大きな池があるのですが、そこには貸しボートがあり、休日の日中はアベックや家族連れが順番を待って券売り場に並んでいました。
休日にたくさんの人が来て大変込むので、職員は交代で出勤です。
ボートに船着場からお客さんが乗るときにボートを押さえたり、ボートを降りるときにも同様なことをしたり、時には転覆したボートを救難に行ったりと一日中大忙しです。
公園は質の悪いスピーカーから、一日中音楽が流れています。
そして、ボートの貸付制限時間が来たことを伝える放送が常時流れ、喧騒としていました。
風致公園どころかレジャー施設だったのです。

春のゴールデンウィーク、8月のお盆などはほとんど休むことが出来ませんでした。
そして、同年輩のアベックが乗るボートを中腰で支えているのですからたまりません。

公園内に売店がありました。
人出が予想されるときには、露店も出ていました。
その露天商からしょば代を取るのもボクたちの仕事です。
露天商からからかわれたり、文句を言われたり、時には脅されたりと今となってはいい思い出です。
そういえば池のほとりにジンギスカン屋もありました。
そのジンギスカン屋さん、座敷の窓を開けるとそこはもう池の水面です。
その窓から釣り糸を垂れている横着な釣り人がいました。
ボクは釣りには興味がありませんが、室内から出来る釣りならいいなって思っていたのを思い出します。

動物園もありました。
シカ、サル、ウサギや多くの鳥がいました。
＃63シカの角切りに当時の仕事の一端を記していますが、動物を飼う事は一年中面倒を見なければならないことになるのです。
冬の雪に閉ざされた公園の中で、毎日えさを与えたり掃除をしたりと大変です。
ボクはこの冬の仕事はしたことがありませんが。

続きます。