アナーキー小池の反体制日記

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#408 文化大革命と紅衛兵(中)

2010年03月27日 | ボクの思い・信条・理念
文化大革命に対する近年の評価は、発端といいますか、きっかけといいますか、が大変"不純"に言われています。
建国の立役者である毛沢東は民衆の絶大な支持を得ていましたが、中国共産党内部で実権を劉少奇主席に奪われ、失脚状態でした。
毛沢東はマルキシズム原理主義者といわれるくらい、厳格なマルキシズム信奉者です。
方や劉少奇は毛沢東の失政を批判し、現実的な路線(もちろんマルキシズムの範囲内です)への転換を図ろうとしていました。

そこで毛沢東は企んだというのです、自分が最高権力者に返り咲く方法を。権力を志向する人は、どこまで欲が深いのでしょう。
毛沢東は権力争いに敗れたとはいえ、民衆の支持は衰えず神格化さえされていました。
そのことに満足して、天寿を真っ当するのが一番良かったのだと思います。

毛の企みとは、神格化されるほどの自身の人気を頼りに、数少ない側近の一人、林彪を使い壮大なクーデターに打って出たのです。
運動の原動力は紅衛兵です。
林彪等は周到な準備の上、紅衛兵を組織し行動を指導しました。
企みは大成功を収め、反毛派の劉少奇や小平等を追放しました。

・・・
現在の中国では毛沢東の評価を「晩年にはろくでもないことをしたけど、建国を成した功績は晩年の悪行を差し引いて少しだけお釣りが出る。」程度だそうです。
ロシア革命と同様、毛等による建国に至る革命は中国の最底辺にいた人たちに希望を与えたのは事実でしょう。
でも人は欲が深く、希望だけでは満足出来なかったのです。

毛沢東はその考えに対し狭量だったようです。
マルクスが言うとおり経済は統制が必要で、財産の個人所有なんてとんでもないって思ったのでしょう。
近年言われる、文化大革命は毛の権力奪還だけを目的とする策略だったとの見方には、少々疑問を感じます。
根底はやはり毛が考えていた国家が、劉少奇や小平らにより捻じ曲げられるという危機感があった様に思います。

案の定、中国は毛が懸念していたとおり資本主義経済を進め、いずれソ連と同じく共産主義を捨ててしまうのではないかと感じています。
また現体制では、環境破壊が進み、役人の不正が後を絶たないなど弊害が目に付きます。
どちらがいいのか、どちらがマシなのかボクにはわかりません

・・・
毛等の思惑とおり進んだ文化大革命ですが、すっかり子分だと思っていた紅衛兵が意のとおりに行かなくなりだしました。
紅衛兵同士の路線対立から内ゲバを起こすわ、終いには攻撃の矛先を毛に向けるようにもなったのです。

続きます。

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