アナーキー小池の反体制日記

世界中のひとが 仲良く助け合い ほほえみながら 平和に暮らしていくために (イマジン)

#107 学生時代(21)

2008年03月24日 | 学生時代
定山渓時代の続きです。

いろいろな人との出会いがありましたが、今回は他のホテルのフロントマン2人です。
カクテルラウンジには他のホテルの従業員が訪れることがたまにあります。
その“たまに”訪れる他のホテル従業員のお話です。

一人目です。
国道ぶちのホテルのフロントマンでした。
話をしているうちに、この人のこと、知ってるって思ったんです。
実はその人の著作をボクが高校生のころ読んだことがあったのです。

京都大学助教授SS著「芭蕉の美に○い○」という本です。
「もしかして、それ書いたのあなた?」って聞いたら、そうだと言うではありませんか。
なんでその人がここで働いているのか、根掘り葉掘り聞いちゃいました。

その本を書いたのはその人が30代前半、ボクが読んだことがあるくらいですから少しは売れた本なんです。
その後、奥さんが急死したんだそうです。
すっかり気力を失って、大学にはいかなくなったそうです。
そして、ぶらぶらとさまよっているうち定山渓に来、そこでお金がな無くなったものだから、泊まっていたホテルにそのまま居着いてフロントをしているそうです。

何回か来て、いろんな話をしました。
芭蕉のこと、世の無常のこと、底辺に生きるということ、など。
これからのことは全く考えていないと言います。
少し元気が出てきたから、道東の方に行こうかなって言ってたのが最後の会話です。
ボクが定山渓を先に離れました。

2人目です。
やはり国道ぶちのホテルのフロントマンです。
元、宮内庁雅楽隊の奏者だと言います。
巫女さんと駆け落ちをしてきたんです。
その巫女さんも同じホテルで働いていました。

その人、東京?に妻子がいるんです。
そして、ボクのホテルに来て妻に電話をします。
子供がどうだとか泣きながら電話をしています。

不思議でした。
覚悟の上の駆け落ちではなかったの?って。
人生の機微を十分に理解していなかったそのころのボクにとって、「どうしてなの?」って感じなんです。

確か笙(しょう)の奏者だったと記憶しているんだけど、代々天皇家に仕える身分なんだそうです。
これで、すっかりお家が断絶してしまったと後悔しているようでした。

どうしてるんでしょうね。
哀しい顔をした元巫女さんの顔が浮かびます。
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