アナーキー小池の反体制日記

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#2077 原子力発電のコスト(下)

2016年09月20日 | 国内の話題
メルトダウンした東電福島第1原発、その処理法について興味深い観測球(アドバルーン)が揚(あ)がりました。
メルトダウンした核燃料を取り出し廃炉とする、と言い続けてきた政府ですが、関係者の一人が「石棺方式も検討の一つだ」と発言したのです。
福島県の関係者から猛烈な反発を受け、発言はすぐに撤回されました。
しかし猛反発を受け発言の撤回をすることは織り込み済みです。
石棺方式にするかもしれない、その露払いの役割を果たしたのです。

旧ソ連のチェルノブイリ原発は30年前にメルトダウン事故を起こしましたが、激烈な放射能に阻まれ原子炉に近づくことができず、全体をコンクリートで固める方法をとっています。
その形状と出来事の由来から”石棺”と呼ばれているのです。

石棺は、事故を起こした原子炉をコンクリートで覆っているだけです。
原子炉はいまだ放射能を放出しています。
その放射能による損傷で、石棺は何度も補修を余儀なくされています。

コンクリートは放射能を遮断できません。
周りに放射能が出っ放しです。
チェルノブイリでは事故後30年を過ぎた今も半径30km以内の居住を禁止されています。
このままだとこの先、何百年も何千年も人が住めません。
いわば国土を失ったのです。
約3,000k㎡の国土を原発に奪われたのです。

東電福島第1原発を石棺方式で収めるとしたら、チェルノブイリと同じことが起こります。
放出される放射能の量が違いますので、福島の場合を半径10kmと少なめで検証してみましょう。
国土を失う部分は陸上だけですので、150k㎡です。
チェルノブイリに比べてずいぶん少ないように感じます。

しかし中国と領有権を争っている尖閣諸島の面積はあわせて5k㎡です。
同様に韓国と揉めている竹島の面積は0.2k㎡に過ぎません。
両諸島とも領海を伴いますので単純な比較はできませんが、石棺により失われる領土の大きさが膨大であることは理解することができるでしょう。

石棺にするのかどうかはわかりません。
でも仮に石棺にした場合の国家の損失は計り知れないものになるのです。
戦争に負けて領土を獲られるのと同様です。
お金には換算できないほどの損失です。

それらを含めると、原発による電気料金は天文学的な金額になり、政府が主張してきた”原発による電気料金は安価”は真っ赤なウソであることがわかろうというものです。

為政者は常にウソこきなのです。
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