足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

ウォール街でLINEが先行公開・・・・任天堂の人気が続く

2016-07-15 06:32:57 | 投資戦略
この日のNY株は銀行株がリードして5日間の連騰。ヨーロッパ、アジア株も引き続き堅調であった。
意外であったのはイングランド銀行が利下げを先送りしたこと。ただ8月には利下げに踏み切ることを示唆した。
われわれの関心事は本日の東京市場で公開されるLINE(LN)が一足先にウォール街で公開されたことだ。公開価格$32.84に対して初値は$42。その後、$44まであって引値は$41.58。東京市場とは異なりかならず当日に寄り付き午前中に初値形成がある。この日の高値は$44、安値は40.64であった。問題は今後の人気の展開だが、ウォール街で気にされたのは成長率が鈍化傾向にあることだ。

NY株は先月の大波乱から脱して史上最高値を形成した。米連銀の利上げが先送りされ、次回の利上げの時期についてはコンセンサスがまとまらない。今週から第2四半期の決算の発表が始まったが、市場の関心は第3四半期の見通しにある。ヨーロッパでは英国離脱問題の余波が収まり先行きに底入れ感が出てきた。
一方、債券相場の過熱感をみて株価の天井説を唱える有力者もみられる。そのひとりはビル・グロスに代わって債券投資で名を上げるガンドラック(ダブルライン)である。株価の高値には警戒信号を発している。

東京市場では任天堂(7974)の人気が一段と高まり昨日の売買代金は東証の17%強と第1位になった。第2位のNF日経レバレッジ(1570)の同6.4%を大きく引き離した。
ウォール街では「ポケモンGo」の任天堂への利益貢献度が大きくないとして「売り」推奨するところも出たが、引き続き強気筋が多く人気度は高まる。慎重派の見方を払いのけ株価は上昇。

「ポケモンGo」のゲームの開発者はポケモン株式会社(任天堂派33%保有)で、技術開発はグーグルからスピンオフしたナイアンテックである。配信を担当するアップルやグーグルの方が任天堂よりも直接に大きな利益の寄与恩恵を受けると慎重派は指摘する。
「ポケモンGo」は29日から日本でも配信が始まる。一段と「ポケモンGo」が身近になり、これから本格的に進出するモバイルゲームに関心が集まることは確実(来年3月までに自社開発ソフト3本の配信を予定)。

任天堂がこれから本格的に進出する新市場での集客手段のノーハウを体験した事実は大きな資産だ。
大きな飛躍への扉を自ら開いた。株価は理想買いの域を出ないが、これまでの循環的な成長線上ではなく新しい世界がもう一つ加わり、相乗効果をもたらす可能性が出てきた。
投資家はこの可能性を買う。任天堂の人気が米国のオンラインゲームのアクティビジョン(ATVI),エレクトロニツク・アーツ(EA),テイク・ツー(TTWO)の大手ゲームソフト企業の株価の新高値形成も後押しした。世界の投資家は任天堂の新時代入りをみている。
DeNA(2432)に注目しよう。任天堂は値嵩株で手が出ないという向きには「ポケモンGo」にも関わり合いのある会社で、拡張現実(オーギュメンテッド・リアリティ)、仮想現実(バーチャル・リアリティ)の開発にも力をいれる。