「これまでとは異なる」という言葉は株式市場では禁句のひとつでもあるが、今回も脳裏をかすめる。
ウォール街の動きだ。
NYダウは3月の底から+22%上昇した。この間の4週間の動きは1933年以来の記録であったが、ソロスなどが「中間反騰で終幕に来た」と語った。今週に入ってからはその種の見方に合わせるように調整局面を迎えた。1月はじめに中間反騰が+20%で終わったときと同じだ。それに決算発表が始まったのも前回の中間反騰のピーク時と環境が同じだ。マーク・ファーバーも「中間反騰が終わり株価は5~10%下落し、次の中間反騰相場は6月」とみた。
しかし今回は昨日のアルコアの決算が赤字であるのに好感した。売り方の買戻しであるのか、前向きの買いか不明であるが株価の反応が1月のときとは異なった。
また好決算銘柄には大きく反応する。ベッド・ビヨンド&バスやジュニパー・ネットワークスが好決算で大きく上げた。
いまひとつVIX(不安)指数は今週初めの株価のもたつきでも上昇せず、昨日は38と1月初めの今年の最安値(1月6日)に並んだ。このときのNYダウ平均は9115ドル(昨日は7837ドル)と現在より上であった。この点も前回とは異なる点だ。
今回の反騰相場が通俗的な中間反騰なのか、あるいはこれまでのトレンドと異なる性格のものなのか結論を出すのはむずかしい。天才のソロスに反論することは暴挙だと思う。
それでも禁句に挑戦してみたいという気持ちが駆り立てられるときである。