円相場が急進した。今週初めには114円まで下落し年末には115円もと思わせたが、本日は113円台に突入した。
パキスタンのブット前首相の暗殺で、世界的に株価が下落し「円キャリートレードの巻き戻し」を急ぐトレーダーがふえたようだ。
米国では新年1月30日の連銀FOMCでのFFレートの0.25%の再利下げの期待観が強まった。金利先物市場では76%の確率だ。
米国株が昨日は下落したが、注目されるのはシカゴ先物市場でのVIX(不安)指数の動きである。11月にはサブプライム問題で30台まで上昇し、先行きに不安心理が高まっていたが、昨日は19と20を割れていた。今回のパキスタンでの暗殺事件には、サブプライム問題での金融機関の追加損失のときほどの反応がなかったのは、ひと安心である。
一方、金相場が830ドル台となり、史上最高値の850ドル台に迫っている。今年11月7日の827ドルを抜き今年の新高値になった。金は不安のバロメータといわれるが、今回の事件に対しての反応はVIX指数とは対照的であった。
VIX指数をみるかぎり、今回の世界的な株価の反応は短期的に終わりそうだ。