マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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上仁興七草元座講

2007年02月15日 07時51分58秒 | 天理市へ
正月七日は七草粥の日。

セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ナズナ、スズシロ、ホトケノザの七草を入れてお粥さんをいただく風習は現在でも続いており、スーパーではパックセットものが売れて行く。

天理市上仁興で農家を営む方は前日夜遅くまでかかって18万パックもスーパーに卸したとおっしゃる。

その七草の日には六人衆をはじめ地区の方々が早朝から集会所に集まり勧請縄を作っていく。

縄ごしらえをして松葉を4列4段の房飾りを取り付けます。

本来は11日であったが数年前の改定で7日に祭事される七草元座講日に統合されています。

七草元座講(がんだんこう)は前日までに大当と小当が「ダイワ」と呼ばれる飾り物を作ることから始まります。

太いワラスコを三本の竹で支えます。

その上には木を立てて枝にダイダイ、ミカン、クリ、コブ、トコロイモを二個ずつぶら下げる。

枝にはさらにヒシモチ(アワモチ)を括りつけるとかのもので高さ1メートルぐらい。

「ダイワ」は大輪とも呼ばれるもので以前は下部の支えにタケで編んだ輪に脚を立てていたそうで、その形状から「ダイワ」と名付けられたものと考えられます。

六人衆らは牛玉祈祷札杖作り。

半紙に四社明神牛玉法印と墨書されると古くから使われているご朱印を力強く押し刷ります。

今ではスタンプの朱肉ですが最近まで使われていた朱肉はベニガラ朱を染み込ませた木製の古い台で味わい深いもの。

牛玉法印書をススンボ竹の先に挿すと牛玉杖のできあがり。

集会所のお堂に二基のダイワを立てて勧請縄、松葉房飾り、牛玉杖を供えます。

5年前まではここに花カズラも供えてましたが改定で廃止されています。

一同が座すると一老が般若心経を唱えて家内安全、豊作を祈願します。

心経を唱えたあと、安全祈願された勧請縄は昨年12月8日に勧請縄したところに供え重ね合わせます。

二本飾るのは小夫と同じ形式です。

(H19. 1. 7 Kiss Digtal N撮影)