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2020.6 赤城を行く2 カルデラ湖の覚満淵を歩き、隠れ家のような宿で眺望風呂を楽しむ

2020年06月30日 | 旅行

2020.6 赤城を歩く 2  

小尾瀬と呼ばれる覚満淵を歩く
 大沼は標高1345m、周囲4kmほどで、起伏も少なく、遊歩道と県道を利用すればおよそ1時間で歩けるそうだ。起伏の少ない1時間の散策なら挑戦できるが、山の天気は変わりやすい。土砂降りのリスクを避け、大沼一周ハイキングはパスし、覚満淵に向かった。
 覚満淵の北側に、覚満淵を抜け、地蔵岳や大沼などを結ぶ自然歩道・登山道である関東ふれあいの道の入口ゲートがあったが閉鎖されていた。新型コロナウイルス感染予防でさまざまな施設の利用が自粛されているためだろうか?。

 県道70号線を走ると、赤城公園ビジターセンターがあり、大きな駐車場、公衆トイレが併設されている。ハイキングや観光のパンフレットを探そうとビジターセンターをのぞいたが、閉館していた。ビジターセンターも自粛中らしいと思った・・翌日は開館していたので、定休日だったようだ?・・。
 ビジターセンターの反対側にも覚満淵のゲートがある。近づくと金網の引き戸が閉められていた。やはり自粛か?、と思いながら近づくと、「鹿から植物を守るために戸を閉めています、開けたら必ず閉めて下さい」といった意味の張り紙があった。覚満淵散策はできそうだ。

 覚満淵は標高1360m、周囲500m?800m?の沼と、周囲の湿原の総称で、小尾瀬と呼ばれるほど湿性植物、高山植物の宝庫だそうだ(写真)。植物を保護するための木道が整備されていて、沼を30分ほどで一周できる。傘を差し、金網戸を閉めて歩き始める。
 覚満淵は、5世紀ごろ、比叡山の高僧覚満法師がここで七日七夜の大法会を営んだことに由来するらしい。比叡山から赤城山まで来て大法会を営むのだから、そのころから赤城山の霊力が京の都でも認められていたのであろうか。
 木道を歩いているのは私たちだけである。鴨が水面を泳ぎ、鳥がさえずる。静かな風景にひたりながら、沼を一周する。

 覚満淵から標高1392mの鳥居峠に登るルートがあり、覚満淵や赤城山の眺望を楽しめるらしい。時計は14:50、鳥居峠まで高低差30mほどだから登り降りしても明るいうちに戻って来られる。
 覚満淵を囲む駒ヶ岳?、地蔵岳?、小地蔵岳?などを見ると、雲が忙しく流れていく。山道で土砂降りになれば足元がおぼつかない。鳥居峠も霧、雲に包まれている可能性も無くはない。鳥居峠もパスし、鹿除けの金網戸をしっかり閉め、車に戻る。

隠れ家のような山屋蒼月で眺望半露天温泉を楽しむ
 覚満淵から宿に向かう道は、先ほど走った県道4号線=上毛三山パノラマ街道と、小沼を経て山あいを下る県道16号線がある。ナビによれば、県道4号線の方が距離は長いが時間が短い。たぶん県道16号線は県道4号線よりもカーブが多く、走るのに時間がかかるのであろう。走行時間の短い県道4号線を選ぶ。
 ほどなく雨が激しくなる。赤城山総合観光案内所あたりのツツジも雨に煙ってもうろうとしていた。ワイパーを最強にしても前が見えないほどの雨のドライブは何度も体験している。ライトをつけ、カーブごとに十分に減速し、坂道を下る。下るにつれ、雨はおとなしくなった。

 県道4号線=上毛三山パノラマ街道はやがて直線になり、家並みが増えた。そば処ささやを過ぎて間もなく、国道353号線=東国文化歴史街道を左に折れる。
 県道16号線を越えてほどなく今日の宿「山屋蒼月」に着く。宿の駐車場に車を入れようとしたら、小雨のなか、スタッフと職人が大立ち回りをしていた。少し前、大雨で駐車場の一部が陥没したそうだ。女将も体験したことのない大雨に驚いていた。

 駐車場から玄関戸を開け、屋根付きの路地をぐるりと回った先にフロント・ロビーがある。隠れ里に入って行くような仕掛けになっている。フロント・ロビーは独立していて、受付を済ませたあと右の自動ドアを出て屋根付きデッキを折れると、私たちの予約した本館入口がある。ここで靴を脱ぎ、畳廊下を歩き、畳階段を上ると、見晴らしのいいライブラリーラウンジがあり、その先が眺望半露天風呂が付いた私たちの部屋である。

 敷地は5000坪ほどもあるそうで、緩い斜面に庭園、池、せせらぎ、林が整備され、そのあいだを縫うように屋根付き渡り廊下が伸びていて、本館、フロント・ロビー、個室食事処、別館、別邸、離れ、大浴場が配置されている(写真、フロント・ロビーからの眺め)。
 どの部屋にも温泉の露天風呂が設けられている。温泉大浴場を利用せず食事も部屋まで運んでもらえば、誰とも会わずに過ごすことができる。まさに隠れ家である。

 さっそく眺望のいい桧風呂に入った。窓を開けると、左に奥深い林が広がり、正面には緑の先に前橋?の街並みが遠望できる(写真)。雨だれを聞きながらのんびり温泉を独り占めした。
 湯上がり後、ライブラリーラウンジで、雨に煙る緑を眺めながら生ビールを頂く。ぜいたくな時間である。

 夕食は、フロント・ロビー左の自動ドアを出た先の個室が並んだ食事処である。
 食材はすべて地元群馬の素材を使っていて、食前酒=自家製果実酒に始まり、先付=赤城のゆべし、突出=里山七種、椀物=南瓜すり流し、向付=蒟蒻刺身、焼物=紅鱒塩焼、蒸物=トマトとチーズの茶碗蒸、強肴=上州牛ローストビーフと茄子ステーキ、炊合=夏野菜冷やし鉢、揚物=かき揚げ、温物=上州麦豚柳川風鍋、そして御飯、留椀、香の物、菓子と、群馬の素材+自家製が続いた。
 群馬は海がないので、刺身や海老などの海の素材は使わず、その代わり、群馬の素材にこだわって料理が工夫されている。とてもおいしかったが、量が多すぎる。途中から若いスタッフに少なめ、少なめを連発しながら頂いた。

 お酒は、地元銘酒である秘幻、桂川、別撰聖徳の利き酒セットを頼んだ。透明のガラス器なので色合いの微妙な違いを見比べながら、美味しく頂いた。料理が美味しくお酒がすすんだので、純米吟醸山屋蒼月を追加した。どれも料理との相性が良かった。  続く(2020.6)

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