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気がつけばふるさと離れて34年

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森の孤独

2020-05-12 12:01:00 | 日記
このところ日課になっている森の散歩はいつも夫と一緒に行きます。
時折二人の歩く速度が違って、突然森に独りぼっちで取り残されたような状況になることがあります。
それもなかなか心地良いものです。




これがドイツ・ロマン主義で重要な言葉となっているWaldeinsamkeit (森の孤独)ということなのかなと思ったりします。
「森の孤独」という表現は初期ロマン主義の作家ルートヴィッヒ・ティークの『金髪のエックベルト』(1797年)に登場します。

一部をご紹介します。

森の孤独よ
それは私を喜ばせる
今日も明日も
永遠に
何と私を喜ばせることか
森の孤独よ

以前にも何度かご紹介した『翻訳できない世界のことば』の中でもドイツ語のWaldeinsamkeit が登場します。
やはり森の多いドイツ特有の言葉なのですね。












保健所の仕事

2020-05-09 16:50:00 | 日記
「大阪市に保健所は一ヶ所だけ」という記事がフェイスブックにアップされていました。



この記事を読んで、現在ドイツの保健所が行なっている仕事は日本ではどの機関が行なっているのだろうかという疑問がわきました。

ドイツ全国には約400の保健所があり、2500名の専従医師が勤務しています。
確かに病院勤務や開業医の医師に比べると月収は平均で1500ユーロ(約18万円)少なくなりますが、
残業がないなどの理由で保健所勤務医には家庭を持つ女性医が多くなっています。

今回の新型コロナウィルス感染症対策に関しては保健所が大きな役割を果たしています。
保健所の仕事の大部分を占めるのは感染の有無を調べる検査ではなく、感染経路を確定し、濃厚接触者とコンタクトを取り、在宅隔離を要請し、その後2週間毎日電話で健康チェックを行うということです。

ドイツで感染拡大が始まった頃、各保健所に対して人口2万人あたり5人のチームで防疫に臨むようにと感染症対策本部の国立ロベルトコッホ研究所から指令が出ました。
各保健所では自治体の他の部門の職員のサポートもありましたが、それだけではもちろん足りないので医学部の学生11000人が補充要員として雇われました。
それにボランティアの人やコロナ禍で休業を余儀なくされた人々(例えば地区の劇場の監督などもいます)もサポーターとして従事しました。
事前に講習を受けてから、電話相談に応答したり、感染経路調査、在宅隔離の人の健康チェックを行なっています。
先日の報道週刊誌Der Spiegelでは、保健所の職員のことを「ウィルス探偵」と呼んでいます。



感染者が発生したら、感染経路を突き止め、接触者を隔離すること。
治療薬やワクチンのない現在、これ以外に感染拡大を防ぐ手段はありません。
ドイツでは韓国のような接触者を追跡するスマホのアプリもまだ出回っていないので、
今のところ保健所の人海戦術が唯一の手段で、保健所の仕事に対してはこれまで不満の声は聞かれません。
私も地元の保健所は良くやっていると思います。
毎日新聞に発表される地元の新規感染者数や在宅隔離者数、入院者数(そのうち集中治療室の患者数)などで、
これまでどれだけ不安が解消されたかわかりません。

今回のコロナ禍で、2009年から2010年にかけて発生した新型インフルエンザのことを思い出しました。
あの時はデュッセルドルフの日本人学校の生徒さんが感染したこともあり、市内に住むほぼ7000人の日本人から市の保健所に問い合わせが殺到したため、急遽周辺に在住する日独通訳者がサポーターとして集められ、私も多分2週間程、保健所のコールセンターに通ったと記憶しています。
それだけではなく防護服を着用してドイツ人のお医者さんとともに感染者宅のインタビューにも行きました。
夫はインタビューのことは知らなくて、この間そのことを打ち明けたら「知っていたら仕事を許可しなかった」と言っていましたが、もうあとの祭りです。
この間、あの時の奮闘のことを当時一緒に仕事をした通訳仲間と「あんな時代もあったわね」と語り合いました。
まさに中島みゆきの「時代」です。



メルケル首相からのメール

2020-05-07 14:56:00 | 日記
今日の地元紙の一面トップはやはり昨日、メルケル首相と各連邦州の大臣との話し合いで決定された「ロックダウンの段階的緩和」に関する記事です。
これで少し行動範囲が広くなりそうです。



小さな記事でしたが「メルケル首相からのメール」も目にとまりました。
地元紙はここ数週間、「コロナで一変した生活」という特集をしていて、読者から寄せられた体験談を掲載しています。
今日は7歳の息子さんにメルケル首相から便りが届いたというお父さんの報告でした。





3月中旬、メルケル首相は肺炎予防接種を受けたのですが、その時の医師がCovid19に感染していたことがわかり、首相は濃厚接触者ということで2週間の在宅隔離をすることになりました。
そのニュースを聞いた7歳のヴィンセント君がメルケル首相に在宅で退屈しないように アドバイスの手紙を出したのです。
ヴィンセント君が通う小学校は既に数日前から休校になったため、「自宅隔離」に関してはメルケル首相よりも経験豊富(?)だからです。
彼は首相に以下のような助言をしています。  
− コロナについては考えないようにすること。
− 食事の準備を手伝うこと。
– 散歩をしたり、ベットで横になること。
− レゴブロックやNintendo, 恐竜のオモチャで遊ぶこと。テレビを見ること。
– 弟をからかうこと。

このお便りに対する返事がこの間、お父さんのメールボックスに入っていました。
メルケル首相からの直筆ではなく秘書の方からで、
「ヴィンセント君、お手紙ありがとう。首相は手紙を受け取りとても喜んでいました。
首相は忙しくてあなた宛に直接返事を書くことができないので、私が返事を書くように頼まれました。
ヴィンセント君とご家族は在宅隔離でも決して退屈することはないでしょうね(絵文字のスマイリー)。
これからも元気でね」
だいたいこのような内容です。

首相のことを心配するような優しい子どもに育ったことをお父さんは誇りに思っているでしょう。
そして子どもたちから心を寄せられる首相はやはり幸せな政治家と言えるでしょう。

一国の首相から返事が届いたことに喜ぶヴィンセント君の顔が目にうかびます。








学校再開 + うさぎの小学校

2020-05-06 16:14:00 | 読書
現在メルケル首相と各州政府の大臣によるロックダウン解除に関する話し合いが持たれています。
連邦制のドイツでは教育と文化に関しては各州が権限を持っています。
ですから学校再開については各州ごとに違うスケジュールとなることも予想されます。
でも子供たちが幸せになるような政策がとられることを願っています。

フランスの思想家ジャン・ジャック・ルソー著「エミール」の中に記されている
「教育というものは、子どもの現在の幸福を中心に行われねばならない」という言葉を、
特にコロナ禍の今日、教育政策の担当者は忘れてはいけないでしょう。

ドイツで入学前の子どもたちに良く読まれている絵本がアルベルト・ジクストゥス作「うさぎ小学校」です。



日本語版も出版されているようです。



厳しそうな先生の前でモジモジする生徒の絵よりも、私は「お母さん、アノネ」と子うさぎが話しかける絵の方が好きです。







これは3週間ほど前、ドイツ全国で学校が休校中の頃、
「ウサギの学校はまだ開いているんだって! ラッキー!」というタイトルで新聞に掲載された記事です。
子うさぎは学校で食べられる植物やこわい動物について学びます。
(ドイツ語版の試し読みの画像です)。




丁度イースターの頃の新聞記事だったので、うさぎの生徒は学校でイースターエッグに絵付することも習い、それに合格しないと「イースターラビット」と名乗らせてはもらえないことなども記されていました。






五月の星座

2020-05-05 15:39:00 | 日記
新聞に掲載された五月の星座です。



四月の星座とは若干違いますね。



四月は久し振りに北斗七星がかなりはっきり見られて感激しました。


画像はネットから拝借しました。

夫は春の大三角形「アルクートゥス、スピカ、レグルス(日本ではデネボラ)」も観測したらしいです。
→何で起こしてくれなかったの(😡)!



今晩は水瓶座エータ流星群が観測できるでしょうか。
今のところ雲ひとつない快晴です。